++ そう見えた音楽 ~Vol.1~++

時に音楽を聴くとその世界観とまったく関係ない、
不思議な風景が目の前に現れる。
わずか数分で巡り合えては消えてゆくストーリー。
ちなみにオチなどありません。
ゆっる~い気持ちでお読みいただけると私だけほっとします。


【そう見えた『イージー/コモドアーズ』の場合】

月曜日は嫌いだ
70を越えた親父の20年来の青シャツと下着に枕カバー
時にはあんなことにもなるシーツの洗濯
人気の少ない早朝のコインランドリーに駆け込む

火曜日なんてのはだ
町一番の萎びたボウリング場で端から端まで掃除
オーナーの歯ぎしりに耳栓しながら愛想笑い
マイボールは奥から三番目のロッカーに隠してある

それにひきかえ水曜日ときたら
三軒先のジェシーが飼ってるアフガンハウンド
ボイジャーと町で三番目に広い市民公園で
どうにも嘘っぽいジョギングマンと決め込む

どうにでもなりゃいい木曜日なんか
スクラップ寸前の廃車置き場に群がる外国人
どんだけこの場所が宝の山なのか説明してやって
セレクトされた部品と小銭の交換なんざ微々たるもんだ

いよいよか?金曜日
まだまだ忘れちゃいない往年のあのステップで
町に一件しか残ってないディスコへと繰り出す
サタデー?もぐりじゃねえのか
俺は40年前から変わっちゃいないさ

どんだけ長いよ?やっと土曜日だ
5年前に別れた前の女房が決まって午後に通う肉屋
「土曜日まで買い出しか?」その一言を言うために
俺も毎週家で肉料理をする羽目に

よくもまぁたいしたことない日々だな
誰にも自慢なんかしないしする相手もいない
こうやって日々を重ねてきてるんだ
これからもあしたからも

ただ日曜日だけは別だ
50丁目と51丁目の間にある高架下の横断歩道
朝八時には必ずここを通る
53丁目に住んでるファンキーな祖母マリアが
美味い朝食を作って待ってるんだ

人も車も往来少ないこの通り
高架下と沿うように立ち並ぶ古びたアパート群の隙間から
真っ青な空がどこまでも続いてるのが見える

この景色を見るたびに思うことがある
ばっかみたいだな
なにもかもがちっぽけに思えてくるよな

あんなに空は果てしなくどこまでも繋がってんだぜ?
俺はどうする?簡単なことじゃねえか
日曜日のこんな朝のように
毎日をもっとシンプルに生きればいいんだ

この道をこの時間通る度俺は問いかけ苦笑う

そうさ
こんな日曜日の朝のように生きろよ
実に簡単なことじゃないか


…ああぁ
明日が月曜日じゃなきゃいいのにな


#イージー #コモドアーズ #簡単なこと #日曜日の朝
++++++++++++++++++++++++++

・子供の頃から一貫して黒人男性が主人公として登場
・この男性、どうやら毎日違う仕事してる様子
・もうイントロだけでこの男性登場します、毎回
・息子も親父譲りで青シャツばかりです、あぁぁ
・一気に書ききるタイプです、誤字脱字あったらごめんなさい
・この作品そのものの世界観を否定するものではありません
・この作品がただただ大好きな方にはごめんなさいです






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