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初めて大腸カメラによる大腸検査を受けてきた

*ここからの話は少し汚いので食事中の方や苦手な方はご注意ください。

2024/4/15(月)、15:00頃のことです。この日の夜は同僚と食事する約束があったのでトイレに行ってからそろそろ出かけようとしていました。

事を終え、なにげなく便器を見たら中が真っ赤です。鮮血と呼べるぐらい真っ赤な血が広がっていました。

これが噂に聞く血便というものですか。ボクはこんなにもドバっと血便が出たのは初めてだったので軽いパニックになりました。

気持ち的にはこの後飲み会なんて状態ではなかったのですが、この日約束していた相手は年下の同僚ながら「一度サシで飲みたい。いろいろ話を聞きたい」と誘ってくれた人なので直前になってキャンセルするのも申し訳なかったので、「腸でなにが起こっているのだろう」という不安を抑え込みながら飲み会に向かいました。

向かう電車の中でも血便のことを調べまくっていました。どの医者も書いているのは「血便が出てそのまま済むことはひとつもない。必ず病院に行くこと」と書いています。あぁ、やっぱりたまたまということはないんですね。

一番怖いのは大腸ガンです。4年前妻が大腸ガン(正確にはS字結腸ガン)をやっているのですが、入院するまでの1ヶ月はお腹が痛くて痛くて、血便もずっと出ていたのだとか。精密検査ができる大きな病院を紹介してもらい、当日車で向かおうとしていた時の朝、部屋から出てきた彼女は「無理。ごめん、救急車呼んで」と息も絶え絶えに言いました。

救急車に来てもらって、そのまま緊急入院。3日後に直腸20cmを切除するという手術となりました。

大腸ガンはガンの中でも日本人の男女ともに罹患率の高い病気で初期に発見できれば寛解率も高いと聞きます。しかし、妻の時を見ると最低でも3週間は入院が必要だし、今めちゃくちゃ仕事の忙しい時期なのに会社の方どうする・・・と色々不安になりました。

そんな不安を抱えつつ同僚と飲み、いろいろ話をしてその日は終了。

翌火曜日、朝と昼の便通はともに血便が出ました。まじか・・・。痛みはまったくないのですが、「気のせい」と言えない状況になりました。

妻に「昨日から血便が出てる」と相談すると、彼女が大腸ガンを患って最初にかかった近くのクリニックにまず電話してみなよとアドバイスしてくれる。

クリニックに電話すると「血便が出てるのなら、うちは大腸カメラがないので設備がある病院に行った方がいい。近くだと隣の駅の◯◯クリニックが持っています」と紹介してくれる。

礼を言って切り、早速そこへ電話してみると予約は受け付けてないけど来てくれれば診ますよとのことで、会社に急遽午後休を申請して、夕方病院に向かいました。

15時過ぎに病院の受付を済ませて、先生に呼ばれたのが17:30。混んでる、忙しいのは分かるけど、やはり2時間も待たされると病院の時間効率の悪さにはうんざりです。スマホの大富豪ゲームを50回、youtube動画を3本、ニュースアプリを3本ザッピング、さらに30分ほど寝ましたが、それでも呼ばれないほど待たされました。

症状を伝えると先生は「じゃ、ちょっと見てみようか」と。隣にいるナースさんに誘導されてベッドに左向きに横たわり、ジーンズとパンツを一気に脱ぎます。そこへナースさんがタオルをかけてくれる。

よかったよ。今日いきなり大腸カメラなんてことはないと思いつつ、万一を考えて出かける前にシャワーを浴びてきていました。

肛門をなんだかぐいぐいされました(自分からは見えない)。席に戻って「大腸カメラしましょうか。したことある?」などと会話します。「痔があるね」とのことで、そこが切れた可能性もあります。痛みはないんですけどと言うと、大腸ガンでも痛みがないことも多いとのこと。

自分的には大腸ガンかどうかをはっきりさせたかったので大腸カメラをお願いすることにしました。「明日の夕方来れる?」とのことだったのですが、明日の午後はお客様会社で勉強会の講師をすることになっていたので、さすがにリスケできない。ということで土曜日の午後の予約となりました。

不思議なことに翌日の水曜日から当日の土曜日まで血便は一度も出ませんでした。痛みももちろんありません。しかし繰り返しですが、大腸ガンかどうかをはっきりさせたいので予定通り大腸カメラの検査を受けることにします。精神的にはとてもイヤでしたけど。

大腸カメラの検査を受ける場合大腸はなにもない状態にしておく必要があります。単なる下剤を飲む程度ではなく、本当に「なにもない」状態まで出し切る必要があります。

まず前日金曜日、18-19時ごろまでに夕食を終え、その後は絶食です。この夕食は消化のいい食事の必要があり、野菜や根菜など消化の悪いものはNGです(こういうものは食べないでくださいと事前に案内される)。

そして21:00、下剤を飲みます。処方された下剤は「ピコスルファートナトリウム」20mL。これを水に混ぜて飲みます。この日は久しぶりにアルコールを飲むこともなく早めに就寝。

朝4時、一回目の便通。この時間に大便で起きることはないので下剤の影響ですね。1回出た後は便意もなくそのまま朝を迎えました。

土曜日当日、もちろん絶食です。水もダメです。

朝7時まず内臓の活動を活発にするメトクロプラミド錠を2錠飲んでから腸管洗浄であるニフレックを飲み始めます。

薬局で購入する段階で2Lの容器が渡され、ここにすでに薬剤が入っています。前日の夜、まず1Lの水を入れ、容器をよく振って薬を溶かし、その後2Lまで水に入れて冷蔵庫に入れておきます。

薬局の方の説明では、ニフレックは飲みにくいので冷やしておくといいですよとのことでした。

この2Lものニフレックを1回あたりコップ200mLぐらいに入れ、それを10-15分かけてゆっくり飲みます。この時吐き気やめまいを感じたら中止というものらしいです。

ボクは幸いにも副作用が出ることなかったのですが、1Lほど飲んだところで始まるトイレダッシュ。まだ出る、まだ出るの?というぐらい頻繁に通うことになります。

途中からは便はなく、液体みたいになるのですが(ここまですることが本来の目的)、それでも便意というかトイレに行きたくなります。ニフレックを飲む日の午前中は家族に協力してもらって、なるべくトイレを開けておいてもらう必要がありますね。

ボクは7時から飲み終わった9時まで多分10回はトイレに行ったのではないかと思います。

もう大丈夫かなと落ちついたのが12時頃。その頃病院から電話がかかってきて、午前の診察が予想以上にスムーズに行ったので、15:30予定を1時間前倒しで14:30でどうですか?とのことです。もちろんOKです。

病院に着いたのが14:05。予定の14:30を大きく越えて、呼ばれたのが14:50頃。処置室というところに通されて、まずは着替えをします。全部脱ぎ、金属類(結婚指輪とか)も外し、与えられたパンツを履いて、その上に紙の上着を来ます。このパンツは大腸カメラ検査用の特別な紙パンツで、前は開いておらず、後ろがタグを引っ張ると縫い合わせてある糸がほどけて穴が開く構造になっています。なるほど、こんなものがあるのかと感心。

そこでしばらく待たされます。なんでも前の大腸カメラ検査をしている人が終わってから呼びますねということで、その間通りがかる看護師さんがなにかと話しかけてくれます。結局処置室で15:30ぐらいまで40分ぐらい待たされたのですが、不安な気持ちで待つなか笑顔で話しかけてくれた看護師さんたちが天使に見えましたよ。

ボクの前は少し年配の方が大腸カメラをやっていたようで、15:30ぐらいに点滴のスタンドを持ちながら隣のベッドに帰ってきました。そのタイミングでボクの方も点滴開始となりました。

妻の時は麻酔をしていたとのことでてっきりボクも麻酔かなぁと思っていたのですが、看護師さんに聞くと「いえ、麻酔ではなく、眠くなる薬を使います」とのことでした。眠くなる薬?いくら寝入りのいいボクでもそんな簡単に寝てしまうわけでもなく、仮に寝たとしても肛門からカメラを突っ込んでくるのだから痛みで起きてしまうだろう、イヤだなぁ、麻酔してくれないかなぁ、なんなら全麻でもいいんだけど・・・と思っていたのですが、笑顔の看護師さんにそんなことを言えるわけもなく、案内に従って検査室に入ります。

検査室で横たわったベッドはバリウム検査で使うおなじみの台。「はい、ぐるっと回りますからねぇ」とぐるんぐるんまわされる、あの硬い台です。まじか、ここでやるのか・・・。

そこへまず看護師さんが来て「じゃぁ眠くなる薬入れますからね」と挿入。ボクはすでに左向きに横たわっていました。

この眠くなる薬、舐めてました。ものの30秒ほどで眠くなってきて意識が遠くなり、1分後にはもう記憶なくしてました。

先生の声を一度も聞くこともなく、しばらくして看護師さんが「はい、終わりました。お疲れ様でした」と言ってくれるまで意識が飛んでました。なにをされたかも自意識がなく、もちろん痛みもありません。

ただし、頭と身体が朦朧としていて、ゆっくりしか歩けません。意識はあるし、考えることもできるけど、酩酊していてまっすぐシャキシャキと歩けない、あんな感じ。

看護師さんに支えられながらさきほどのベッドに戻り、15分ほど横になります。ちょっとましになってきたかなという頃に看護師さんに声をかけてもらい、着替えて待合室に戻ります。

ほどなくして先生に呼ばれ、診察室に入ります。ドキドキしながら結果を聞くと、ガンもポリープもなにもなし。盲腸、小腸、大腸まで見てくれたそうですが、なにもなしとのことでした。おそらく肛門の内側にある痔(内痔核)が切れて出血したのだろうということでした。

この数日の不安が一気に解消されて、超安心したのですが「痛みがないこともあるんですか?」と聞くと、そういうことも結構あるらしいです。

血便が出た時汚いながらも一応スマホのカメラで写真は撮っておきました。自分でもびっくりするぐらいの鮮血でした。大腸ガンによる出血は赤黒いことが多いらしいのですが、素人判断は危険だし、先生も「鮮血でも大腸ガンのことはある」とのことだったので、気が進まないながらも大腸カメラ検査を受けることにしました。

前日からの絶食、半日かけてのさまざまな薬を飲んで、腸になにもないヘトヘトの状態(貧血とか軽い栄養失調のような感じになる)で病院に向かい、睡眠薬の影響で当日は帰宅してもずっと眠いというかだるかったです。当日は車、自転車で来ないようにと注意もされていました。

胃にポリープがあったので昨年胃カメラを飲んだのですが、この時は麻酔をしているにも関わらず、何度も嗚咽するほど苦しかったです。大腸カメラはもっときついだろうなと覚悟していたのですが、先に書いたように直前に寝てしまって、起きたらすべてが終わっていたという状態でした。

絶食中不思議だったのは腹が減らなかったことです。帰宅して18時頃夕食を食べたのですが、この時も食欲はまったくありませんでした。腸を空っぽにすることで丸一日蠕動運動がまったくなかったのですが、このために空腹感もなかったのかなぁと思いました。不思議な体験でした。

なにはともあれ、ガンを含めポリープもなにもなくてよかったです。検査後も血便は出ていませんが、念の為ということで1ヶ月分の座薬を処方されました。1日2回、座薬挿入の毎日が続いております・・・

ということで、最悪大腸ガンを疑った血便、大腸カメラ検査をした体験記でした。


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