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Lululemon株値上がり!!原因と今後を解説!!

今回はLululemon株について解説したいと思います。私は米国株に触れるまでこのスポーツウェアのメーカー名を聞いた事がありませんでしたが、主に女性向けのヨガパンツやヨガウェアを販売している会社になります。諸外国ではコロナはもう過ぎ去った過去の話であり、人々は活発に活動しています。Lululemonもその恩恵を受けたのか、直近値上がり傾向です。9月1日から2日にかけて株価が$294.45から$314.47と一日で約7%上がりその後も上昇トレンドを見せています。今回はこの一日で7%上がった理由と今後はどうなるのか、Lululemon株は買いなのかどうなのかという所を解説していきたいと思います。

①    何故一日で7%も値上がりしたのか?


何故一日で7%も値上がりしたのか、それは2022年度Q2の決算発表において、売上、EPS、Q3ガイダンス、が市場予想を上回り、年間の売上予想を上方修正したからです。これはプロの手にスプレイヤーで例えるとグランドスラムを制する様なものです。具体的には売上が市場予想$1.76billionに対して実績が$1.87billion、EPSは市場予想$1.86に対して実績が$2.20、Q3のガイダンス市場予想が売上$1.73billion、EPS$1.78に対して今回のガイダンスは売上$1.78~1.805billion、EPSは$1.90~1.95、年間の売上予想が以前の発表では$7.61~7.71billionだったのに対して今回の発表では$7.865~7.94billionと上方修正されました。売上に関して言うと昨年同時期から既存店が16%上がり、DTC(Direct to Customer:中間流通業者を通さずに、自社のECサイトを通じて製品を顧客に直接販売すること)が30%上がっています。Lululemonは今回のQ2で直営店を21店舗増やし600店舗となりました。北米で28%、インターナショナルで35%売上が上昇しています。
私も色々な決算報告を見てきましたが、ここまで素晴らしい決算報告は初めてお目にかかりました。これが今回Lululemonの株価が上昇した理由になります。じゃあそもそもLululemonは何がそんなに魅力的なのか、という事も説明したいと思います。

1つ目は製品の技術革新です。Lululemonのパンツは技術的に最大限のパフォーマンスが出せるように設計されています。汗を早く逃がし、早く乾燥させ、臭いの元のバクテリアを抑え、爽快にさせます。これをLululemonは商品の意匠性を落とさずに実現しています。Lululemonは女性用のブラにおいても革新的な開発を行っています。数年前Lululemonは装着していても、装着していないかのように感じるブラを数年もの歳月をかけ開発しました。これは顧客ニーズをとらえ、こちらに使用された新しい繊維のLight UltraluはLululemonの独占技術となりました。こういった開発によりLululemonは商品に付加価値を乗せ高い価格で販売する事ができるのです。2つ目はLululemonはエンドースメント費用を払っていません。エンドースメント費用とは例えばNikeやAdidasは彼らのブランド名を広める為Serena WilliamsやMichael Jordanと契約しています。Lululemonはこういった有名人とは契約していません。これがエンドースメント費用が掛かっていないという事です。Lululemonの良さは口コミで広がり、行ったとしてもローカルのヨガインストラクターがアンバスターとしてLululemonの紹介をする位です。Lululemonは設立当時少額の広告費用しか充てられなかった為、口コミでその商品の良さを世界中に広めようとかんがえていたようです。3つ目は商品を特化している事です。実はAppleは製品特化を行わなかった時期があり失敗した時があります。しかしSteve Jobsが1997年に戻った後、彼はAppleの製品の70%を削減し、消費者向けのプロデスクトップと携帯品に特化する事にしました。それにより1998年に黒字化し、$309millionの利益を生み出しました。Lululemonは女性向けの商品に特化しています。2020年時点では商品の約70%が女性向けとなりました。今はメンズ用とFootwearにも力を入れています。メンズ向けに力を入れる事が大きな躍進に繋がる訳ではないですが、ラーニングカーブを下回ってしまったこれからはFootwear等新しいカテゴリーを立ち上げるのに適切な時期なのかもしれません。いずれにしてもLululemonはこれまで女性向けのヨガウェアに特化しビジネスを行って来たため、ここまで成長できたのだと考えます。

②     今後はどうなるのか?


今後はどうなるかという所ですが、Lululemonには「Power of Three x2」という計画があります。これは今年の4月に発表されたものですが、5年間(2021年度~2026年度)で年間の売上を約2倍にするというものです。つまり2021年度(昨年)は$6.3billionの年間売上でしたがこれを2026年度には$12.5billionまで引き上げるという事です。これを達成する為にメンズ事業とデジタル事業(e-commerce)での売上を2倍にしインターナショナル事業の売上を4倍にする計画です。メンズ事業、デジタル事業、インターナショナル事業のこの目標は2019年4月当初に「Power of Three」計画で掲げたこれまでの5年間の成長目標と基本的には同じものです。メンズ事業とデジタル事業における売上2倍化は2021年度にほぼ達成しており、インターナショナル事業の売上4倍化は2022年度内にほぼ達成できる見込みとなっています。更にLululemonは75の新しい店舗を今年度にオープンする予定で、以前発表した70よりも増やしており、他アパレルメーカー経費削減している中強気な姿勢を見せております。粗利益、営業利益においても高い水準を維持しております。2022年度Q2では粗利益率56.5%、営業利益率21.5%でした。2021年度のQ2と比べると粗利益は58.1%から下がってしまいましたが、営業利益は20.1%から改善されています。2022年度の年間予想では営業利益はフラットまたは若干の改善がみられると予想しています。この高い営業利益率はある程度の過剰在庫や値引き対応にも耐えられると言われています。2022年度の売上は25~26%の成長を見込み、直近3年間を平滑化した場合の成長率は26%に上ります。コロナ禍によるパンデミックの最中、パンデミック後を含んで26%の成長率となるので脅威的な数字です。
個人的には小売業者にも関わらず営業利益を高い水準で維持できているのは素晴らしく、今後の成長もまだまだ見込めそうだと感じました。

③     Lululemon株は買いなのか?


そんなLululemon株は買いなのか?個人的には買っても良いと考えております。先ほどお伝えした通り、Lululemonの売上成長率は異常な程と言ってもいい位良いです。同業他社のNikeやUnder Armourは今年の成長率は10%程度を見込んでおりますが、Lululemonは20%以上を見込んでいます。あのAmazonでさえそれほどの成長率は見込めていません。Lululemonのインターナショナル事業は3年間の年率換算で40%成長しています。またメンズ事業はウィメンズ事業よりも成長が早く、3年間の年率換算した場合ウィメンズ事業は25%なのに対してメンズ事業は30%以上になります。但しメンズ事業の売上は全体の4分の1以下の割合となっており、Lululemonが更に事業を拡大したいならばメンズ事業をウィメンズ事業並みに成長させる必要があります。また先程も述べましたが「Power of Three x2」という計画があり、2021年度から2026年度までに売上を倍にする計画ですが、これは年率15%の成長率を維持できれば達成できる数字です。そして現状の成長率は目標を達成しており順調とも言えます。Lululemonの売上成長率はコロナ禍前の成長が19%程度でしたが、現在は直近3年間の年率平均で26%となりコロナ禍前よりも成長を見せています。
今後の事業計画も順調に達成できる見込みがある事からも、私としてはLululemon株を買っても良いかと考えております。只、一転注意しなければならないのが、今年のPERが33倍程を見込んでいる事です。確か15倍程度が一般的と言われているので株価としては割高とも言えます。しかし33倍程度であればグロース株という程でもないしそこまで気にしなくてもいいかもしれません。

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