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Snowflake株爆上がり!!何故??今後はどうなる??

今回はSnowflake株について解説したいと思います。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、Snowflakeはクラウド コンピューティングベースのデータクラウド企業で2020年9月に上場したばかりの新参企業です。しかし実はあの投資の神ウォーレン・バフェットが率いる投資会社Berkshire Hathawayのポートフォリオに組み込まれている銘柄でもあります。つまり投資の神に認められた銘柄でもあります。
そんなSnowflake株ですが8月25日一日で株価が$159.49⇒$196.28と23%もの爆上がりを見せました。これは一日の上昇率では上場以来一番の値上がり率となります。今回はこの値上がりの原因と今後どうなるのか、Snowflake株は買いなのかどうなのか、というところを解説したいと思います。

①     何故爆上がりしたのか?


何故一日で23%もの爆上がりを見せたのか、それは2023年度Q2の決算発表において売上実績が市場予想よりも良かったからです。具体的には今回の発表では前年対比83%もの上昇を見せ$497.2millionと報告され、市場予想である$467millionを大きく上回りました。これが今回1日で株価を大きく上げた理由になります。
では何故売上が市場予想を上回り、株価を上げる事ができたのか、それには理由が3つあります。
まず一つ目は既存顧客からの売上維持率の高さです。この売上維持率とは既存顧客の直近12カ月の売上がその前の12カ月間からどれだけ維持されたかという数値になります。売上SnowflakeはQ2で171%という数字をたたき出しています。顧客から見るとSnowflakeはサービスを使用した分だけ請求金額が増えるのですが、この171%というのは、簡単に言うと今まで契約していた顧客が100円分しか使用していなかったとしたら、今回のQ2で171円分使用していたという事です。つまりそれだけ利用する価値があるという事です。CFOのMike ScarpelliはQ1の決算報告時にこの売上維持率は緩やかに下がると予想しておりますが、それでも長い期間で130%以上は維持できると見込んでおります。また顧客数も増加しております。Q1では6322社の顧客がQ2では6808社まで増えています。
2つ目は1Million以上の売上を上げる顧客が増えています。1Qでは206社でしたが、2Qでは246社まで増えました。
3つ目は直接的な原因ではないかもしれませんが新規雇用を積極的に行っています。このコロナ禍で多くの会社は新規雇用を遅らせたり、止めたりしている中約1000人もの新規雇用を行いました。CFOのMike Scarpelliとしては他社が新規雇用を控えているのは良い人材を採用するチャンスであるとも発言しております。
これらがSnowflakeの株価が値上がりした背景にあるものです。

②     今後はどうなるのか?


今後はどうなるかという所ですが、こちらの記事ではSnowflakeはAlphabet(Google)を超える事ができるのか、という事について記載されています。現状のSnowflakeの時価総額としては54Billionですが、Alphabet_(Google)の時価総額は1.6Trillionと大きな差があります。
Snowflakeのビジネスはクラウド上にデータベースをいくらでも作れる事です。これまでは大手企業はデータの保管をいくつもの違うタイプのソフトウェアに保管していましたが、Snowflakeを使用することで統一して管理を行う事ができます。この事業によりSnowflakeは2020年度に売上は174%、2021年度に124%、2022年度に106%上昇しています。2022年度は製品部門で1.14Billion(全体の94%)の売上を上げましたが、2029年度までにこの売上を約10Billionまで上げる事を見込んでおり、これは7年間毎年36%以上成長し続ける事になります。また2029年度までに約1400社の顧客が12カ月間で1Million以上の売上を上げると予想しています。因みに2022年度は184社の顧客が12カ月間で1Millionの売上を上げています。
現状Snowflakeは営業利益は赤字の状態ですが2022年度から2029年度の間に粗利益を69%から78%に引き上げ、営業利益を-3%から20%まで上昇させる予想を出しています。
Snowflakeの今年の時価総額は売上に対しての約27倍(PSR:Price to Sales Rate・割高)となっており、年間売上成長率が30~40%に下がった場合、現状の株価を維持するのは難しいかもしれません。仮に2029年度までに目標である10Billionに達成したとしてPSRを15倍と過程した場合、2029年に想定される時価総額は150Billionになります。この数字は現状のAlphabet(Google)の時価総額の10分の1以下になります。更にAlphabet(Google)も2029年度までに成長は続けるので差は更に大きくなります。つまりSnowflakeは予定通り目標を全て達成できたとしても2030年まではAlphabet(Google)を超える事は出来ないという事です。
Snowflakeが注目されている事は確かですが、次のGAFAMには程遠いかもしれません。

③     Snowflake株は買いなのか?


そんなSnowflake株は買いなのか?という所ですが、私個人としては買いません。長期投資を前提にし、ギャンブルがしたいという方は買ってもいいかもしれません。私がSnowflake株を買わない理由は3つあります。
まず一つ目は純損失が年々増えていっています。2021年度には▲$539.1Million、2022年度は▲$679.9Million、そして2023年度は▲$742Millionがアナリストに予想されており、2024年度、2025年度にはそのマイナスの額は更に大きくなると言われています。
二つ目は、これは一つ目の理由の大きな要因の一つとも考えますが、営業利益がマイナスの状態です。営業利益はその会社の本業でどれだけ稼げるかを意味しており、個人的には最も大切な指標だと考えています。2022年度のSnowflakeの営業利益率は▲3%、今年度中に2%まで上げるという話も出ていますが、Q2の決算でも分かるように未だ赤字の状態です。Snowflakeはクラウドデータベースの先駆者とも言えますが、Snowflakeの登場によりライバルである超大手IT企業のAmazon(Amazon Web Service)、Microsoft(Azure)、Alphabet(Google Cloud)のサービス向上に繋がってしまいます。この3社は独自のデータベースを持ち合わせていますが、Snowflakeのサービスをこれら大手企業クラウドサービスの上で成り立っています。言い方を変えると家主はAWS、Azure、Google CloudでSnowflakeはその一部を間借りしている状態です。その為皮肉にもSnowflakeはこれら企業に多額のホスティング費用を払っている形になります、またSnowflakeのサービスが向上し、市場を広げようとしてもAWS、Azure、Google Cloudは自分たちのサービスの価格を下げ、Snowflakeのホスティング費用を上げる事もできるのです。これではSnowflakeはいつまで経っても黒字化することは難しいと考えます。
最後三つ目はSnowflakeの株価が高すぎるという事です。2021年11月に最高値($400弱)を記録しましたが50%以上下がった今の価格でも割高と言えます。何故なら時価総額は売上の$60Billionで今年の売上の30倍にもなります。これはPSR(Price to Sales Rate)という考え方で時価総額を年間の売上高で割ったものになります。株価水準を判断する時に利用される物で目安としては0.5倍以下だと割安、20倍を超えると割高と判断されます。要は実力(売上)に対して株価がそれ以上に高くなっているという事です。更に業績としては赤字でアメリカは政策金利を上げているので非常にリスクが高い銘柄だと考えます。
これが私がSnowflake株を買わない理由です。

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