見出し画像

Microsoft株暴上がり‼何故??買うべきなのか??を解説します!!米国株個別銘柄好きは必見!!

今回はMicrosoft株について解説したいと思います。Microsoftは説明するまでもないかもしれませんが、アメリカの世界最大手のコンピューターソフトウェア会社になります。最近話題になっているChatGPTを開発したOpenAI社に投資/買収した事でも知られているかと思います。

そんなMicrosoft株ですが2023年4月25日から27日の2日間にかけて約$275⇒$304と約10%も大爆進を見せています。今回は何故Microsoft株がここまで大きく値上がりしたのか、今後はどうなるのか、買うべきなのか、について解説したいと思います!!

①     Microsoft株が何故値上がりしたのか?


IMAGE SOURCE: GETTY IMAGES.

まず何故Microsoft株が値上がりしたのか、理由はそれぞれありますが、4月26日については2023年度Q3の決算発表の内容が良かった為です。具体的には売上が市場予想$51billionだったのに対して、実績は$52.9billionでした。EPSについては市場予想$2.24に対して実績が$2.45、と売上、EPS両方上回る事が出来ました。売上については前年対比7%の上昇、為替の影響がなければ10%の上昇、EPSについては10%上昇、為替の影響がなければ14%の上昇になります。ガイダンスについてはQ4の市場予想が$55.1billionに対して、Microsoftは$55.35billionの発表をしました。主な上昇要因としてはAzure Cloudの成長になります。Azure Cloudの売上は前年対比31%の上昇を見せ、市場予想の27%を上回りました。売上、EPS、ガイダンス全てにおいて今回の決算で上回る事が出来たという訳です。

次に4月27日の値上がり理由についてですが、Microsoftは全社会議においてActivision Blizzardの買収を改めて再確認した為です。再確認して何故株価が上がるんだよという所ですが、実はイギリスのCompetition and Markets Authority(CMA:競争・市場庁)が4月26日にMicrosoftのActivision Blizzardの買収を認めないと発表しました。これに対してMicrosoftが対抗するという意思表明が改めて垣間見えた為です。何故イギリスのCMAがMicrosoftの買収を認めないかというと、この買収によりビデオゲーム業界のイノベーションのレベルを低下させると考えられ、特にクラウドゲーミングのニッチな分野で、ゲーマーが利用できる選択肢の量を減らす可能性があるとCMAが考えている為です。しかしMicrosoft及びActivision Blizzardはこれを不服とし上訴する事にしました。

この買収を問題視しているのはイギリスの規制当局だけではなく、アメリカ及びヨーロッパの規制当局も警戒しています。事実MicrosoftはActivision Blizzardの買収価格を1株$95としているそうですが、現在の株価はそれを大きく下回っており投資家は買収に対して懸念を表している証拠とも言えます。

いずれにしてもMicrosoftの株価が今回値上がりした理由は好決算によるものと、Activision Blizzardの買収に前向きな意思表明を見せた為です。

② 今後はどうなるのか?


IMAGE SOURCE: GETTY IMAGES.

今後はどうなるかという所ですが、大きく2つあります。1つは先程説明したActivision Blizzardの買収ともう1つはAIの話です。まずはActivision Blizzardの買収について説明したいと思います。

先程説明した通りMicrosoftは$69BillionでActivision Blizzard(Call of Dutyのメーカーとして有名)の買収を図りましたが4月26日にイギリスのCMAがこれを認めないと判断しました。これに対してMicrosoftは独立した司法機関であるイギリスのCompetition Appeal Tribunal(CAT:競争上訴裁判所)に上訴します。しかしCATはCMAが判断した課程のみを審査するため、買収の是非を審査するわけではありません。その為この段階ではMicrosoftから新たに何か譲歩案を出すといった事はできません。Microsoftは5月24日までに上訴しなければなりませんが、判決には数ヶ月を要する可能性があります。恐らく早くても9ヶ月又はそれ以上の期間が要すると考えられます。もしMicrosoftの上訴がCATを通ったとしてもそこで始めてCMAに対して新たな譲歩案を提示できる形になります。そうでなければCMAが同じ結論を出してしまうからです。

他の国について、ヨーロッパの規制当局は5月22日までに今回の買収について判断を下す予定です。アメリカの規制当局は既にこの買収を阻止する為の訴状を提出しており、Microsoftはこれに対抗する意思を示しています。もし、ヨーロッパが買収について反対という判断が下された場合、Microsoftは非常に厳しい立場になり違約金である$3billionをActivision Blizzardを払ってでも損切という決断をしなければいけないかもしれません。

次にAIについてです、Microsoftは最近流行のChatGPTを開発したスタートアップ企業Open AIに2019年とう早い段階で$1billionの投資をしており、最近の成功からも更に$10billionの複数年契約に合意したと噂も流れています。Microsoftは既にChatGPTをBeing(検索エンジン)に組み込み、Googleのシェアを取り込もうとしています。BeingのモバイルアプリケーションはChatGPTが搭載されてから2ヶ月でインストール数が4倍に急増し、デイリーアクティブユーザー数は1億人にも達しています。Microsoftの検索エンジン部門の売上は2023年度Q3で10%だけの増加となりましたが、広告主が入って来るのは時間の問題かもしれません。またQ3ではTeamsのアクティブユーザー数が過去最高の3億人まで達成しました。特に企業はChatGPTが搭載されているTeams Premium版を使用しており、これはAIにより会議議事録を自動で作成する機能が備わっています。今後更に追加機能の展開も予定されています。

MicrosoftとOpenAIの統合によって現時点で最も有益なのはAzureクラウドプラットフォームと言われています。OpenAIの一番新しい言語モデルであるGPT-4を使用する事により顧客に最先端のアプリケーション開発技術を提供します(2023年3月にリリースされたそうです)。AzureのQ3の売上は前年対比27%増加しています。昨年度のQ3は増加率は46%で下がってしまいましたが、AIの導入により新たに2500の顧客が増加し、これは前のQuarterから比較すると1000%もの増加になります。その為2023年度Q4の売上は更に増加が期待できるかもしれません。

③    Microsoft株は買いなのか?


IMAGE SOURCE: UNSPLASH

そんなMicrosoft株ですが、買いなのかどうかというと、個人的には買いません、というかこの値上がりによって含み益が出たので売ってしまいました。確かにMicrosoftはOpenAIとの統合により更なる成長が今後見込まれると思います。特にAzureの成長は著しくライバルのAmazon Web Servicesよりも早く成長しています。AmazonのCEOであるAndy Jassyは世界のIT支出の約90%はまだクラウドへの移管が行われていない、と言っており、業界としてもまだまだブルーオーシャンです。またWord、Excel、Teams、コードライティングツールのGitHubでは更に性能を向上させる為にAI搭載による新機能を追加しました。この機能向上によりマイクロソフトは更に付加価値を乗せて製品を販売し、利益率の改善が見込まれます。インターネット検索エンジンについては広告事業による売上増加を図っており、2026年までに$400billionの売上を目指しています。更にスマートフォンメーカー大手のSamsungはデフォルトの検索エンジンをGoogleからBeingにする事を検討している様です、Bank of AmericaのアナリストによるとAppleも同様にBingの使用を検討している様です。もしこの切り替えが本当に行われた場合Microsoftは検索エンジンによる売上増加が計り知れないものとなります。

しかし、良い事ばかり言ってしまいましたが、1点懸念事項があり、PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)が高いという事です。現在33倍ではありますが、ライバルであるAmazonを除けばGoogleは約23倍、Appleは約28倍と他社と比較して高い状況です。要は現在の株価が収益に対し高い、すなわち割高という事で、株価だけ先走ってしまっている感が否めません。ですので、買い増すタイミングとしては一旦株価が適正なPERまで下がってから買うのが良いかもしれません。但し長期投資を前提にしているのであれば今後も成長は期待できるのでそこまで気にしなくても良いかと考えます。

これが私がMicrosoft株を買わない理由になります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?