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雪解けしても、血は残る ~シン・リョウ~

ニューヨークや奥田さんからこの夏の集大成だドキュメンタリーだと言わんばかりの熱がYouTubeのサムネからひしひしと伝わってきたので、溜めにためたシン・リョウをイッキ見する事にした。

見た感想は、修復不可能だろうなという印象。
リョウさんの性格の歪みが引き起こしている単純な話ならまだ修復はできそうだが、個人的には、1年目のライブ主宰が全ての現況だと感じている。

独断と偏見ばかりの文章だが、書きたいと思ったので徒然書いていく。

まずリョウさんは、1年目が主宰できる劇場のライブ主宰をバンバンしていた。
当時No.2の実力が云々、支配人にもお願いされる等の証言があったが、やらされ感はなく、楽しくやっていたと思う。
多分、他の同期に比べて運営等マネジメントが上手かったんだろう。

加えて、同期の大半がリョウさんレベルで行動力があって、争うようにライブの主宰を獲る人達ではなかったのだろう。
動きの鈍い同期を尻目に、ライブの主宰はリョウさんが沢山やった。

もし、同期横一線で主宰していたら、互いに切磋して琢磨して良い関係になったのかもしれないが、同期達は話から察するに、ライブ主宰をリョウさんほどはしてこなかったんだろう。

ライブは主宰すればどんなにお客が少なくとも劇場でネタができる。拍手をもらえる。笑い声もある。友人が来たら楽しい。
そんな毎日を続けていく中で、いつしか自分がこの場を仕切っている座長意識が芽生えてきたのだと思う。
そこから、自分が主宰するライブが面白いから、もしかしたら同期の誰よりも自分が面白いから見に来てくれているのかも、という感情も生まれたのではないだろうか。

当然ながら、ライブ主宰能力と芸人の面白さは必ずしもイコールではないし、芸人でなくとも面白いライブを主宰する人はいる。
リョウさんはそれをイコールでつなげ、自分の面白さをライブに担保したのだろうと推察する。
拠り所にもしたと思う。

ライブ主宰は営業成績のように、できた分だけホワイトボードを埋めていけるし、他の人との差が数字でわかる。
その差は、オレはこれだけやってるぞという見下しマウントを生むにはちょうど良いものだった。

誰かが言っていた、リョウの采配でライブに出られるかどうかが決まる云々の話にしても、自分達でライブを主宰しないと、ライブを沢山してるオレのさじ加減で出演か否かが決まっちゃうよという意味合いもあると思う。

その頃の同期達はリョウさんの行動力を見て「リョウは自分でライブできるから呼ばなくてもいいか」というバイアスを無意識にかけるようになる。
ここで『ライブ主宰をするけど、他の同期のライブには呼んでもらえない小虎』という図式が発生したのではと推測する。

ライブ中心の生活に身をおき、自分は一番頑張ってると思っていた中『劇場が使えるのは1年間』という現実が慣れた頃に襲ってきた。
劇場に貢献したとかそんな事は考慮されず、呆気なくはしごは外された。
頑張って動いたが、爆ハネしたり劇場番長になれた訳ではなかった。
システム的にライブが簡単に主宰できなくなり、面白さの担保を失いかけた。

そこでリョウさんは周りを見渡し考察した。
自分より努力していた同期はいただろうか?
頑張ったつもりだが何故まだ同期と同じような位置にいるのか?
同期は労ってくれただろうか。
他の同期主宰のライブは呼んでくれていただろうか。
ライブの集客をお願いした時に、同期は能動的に動いてくれていただろうか。

ここでダークサイドの入口が開く。
あのライブ主宰の日々がムダではなかったと思いたくて、自分は面白いのに周りが協力的ではなかったという責任転嫁にも似た感情が出てきた。

考えすぎたリョウさん。
あまり考えなかった同期。
どちらが悪いというわけではない。
ただ、双方に、仲間に対する思いやりの言葉や表現が足りなかったという事なのかもしれない。

同期は、リョウばかり主宰してて大変そうだな、自分達もやらなきゃこれも勉強だよな、と歩み寄ってライブを一緒にやっても良かったのではないか。
リョウさんも周りを見て、同期主宰のライブに出たいし見たい、○○主宰は面白そうだから一緒にやりたい、と上から目線ではなく言えていたら良かったのではないか。
語り合う場があっても良かったかもしれない。
あくまでも妄想なのでそのような時期は経ているかもしれないが、何らかの形で互いの思いを理解していたらここまでこじれていなかったのではないだろうか。

面白くあればメシが食えるという芸人はほんの一握りで、吉本が固定給をくれるわけでもない。
自ずと若手は自家発電や自己プロデュースをどうやれば芸人として食ってけるかを考える日々だと思う。
ライブがない中で芸人としての気持ちを失わないように、リョウさんがグルグル考えた産物が、駿河台下カラデタインジャーや、旅先のネタ執筆、24の逆襲ではないかと思う。

リョウさんは自分が自分に課したものをやりきってきたという自負がある。
そんな自分だからネタにアドバイスできるし厳しい言葉を言えるんだというスタンスを確立した。
今はここを拠り所にしているように見える。
仲間を囲い、自分のプライドを保っている。
ニューヨークに目をかけてもらっているというのも拠り所になっている。

経て今、リョウ軍団vs他の同期という形になった。
ここまでこじれると、舞台でもプライベートでも、いじりなのか、悪口なのか、マウントなのか互いに疑心暗鬼がぬぐえない。
沢山の証言は盛っているのか否かがわからないし、人がいれば人数分の正義が存在するので本質はわからない。

ニューヨークが作った場を24期みんなに最大限に利用してほしいとは思うが、感情に振り回され、言った言わないの上澄みだけで刺しあうのだろうか。
そんな様子なら、配信を見るという選択肢は今のところない。

プロレスしてなんぼ、血も汗も涙もふりそそぐエンタメとしてぐっちゃぐちゃになる図式も面白いだろう。
ただ、リョウさんが自分と同じように同期に努力しろ、お前はこうだから面白くない等を言うのはお門違いだし、リョウさんを同期の共通の敵としてオモシロイキリ発言を引き出すのも違うと思う。

ダセェ事を言うようだけど、個人的には、プロレスも仲良しごっこもしなくていいから、自分も相手も面白い芸人である事を信じて、これからを建設的に話し合ってほしいと思っている。

が、まぁ、無理だろうな。
それじゃエンタメにならん。
しなない程度に存分に刺し合ってください。

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