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競馬場に行きたい④ ~2013年10月6日の記憶~

この日のメインはゴスペラーズのコンサート。
競馬場はサブイベント。
競馬場へは初参戦となる友人を連れて東京競馬場へ。
半分付き合いで来てくれた友人に感謝し、駐車場代と入場料は私持ち。
友人は馬券を買うとハマりそうだからと買わない宣言をし、競馬場メシやお土産を物色していた。
ちょっと遠くに買い出しに行く時は連れだって歩いて広いなーいい運動だわーとか言っていたのを覚えている。

メインレースは毎日王冠👑
前年度の天皇賞馬エイシンフラッシュと、2週間後に天皇賞馬になるジャスタウェイが出走した記念すべき毎日王冠だったが、コンサート優先だったため14時半には競馬場を後にし見ていない。
後に残念な事をしたもんだと思ったがそれもまた思い出。

1人の騎手がケガから復帰後1着となったレースは見届けた。
ゴール板を駆け抜けた瞬間、会場がどよめき、おめでとう!と声が上がった。
暖かい、優しい歓声。
友人は何かあったの?と聞くので、ざっと騎手の話しをした。

14時半、競馬場を後にする。
コンサートにちゃんと間に合い、ちゃんと楽しみ、家路についた。
ちょっと詰め込んだけど、何気ない休日だった。
思い出はゆるゆる薄れていく。
カメラロールに残っている写真を集めたら思い出す事もあるが、これも薄れていく思い出の一つだったと思う。

数年後、後藤騎手逝去という衝撃と共に、この日のあのレースは奇しくも強固な記憶となった。
ゴール板から100mほど手前、無料の席に座り、さほど多くない観客ごしに駆け抜けた人馬がまだ記憶にいる。

覚えている事や、残していくことに何の意味があるのかはわからない。
覚えているから、覚えておきたい事なんだろうなと思っている。
その後、何回も東京競馬場には足を運んでいるけれど、それぞれの思い出をふと思い出す時がある。
また行くことがあれば、多分思い出すんだろうな。

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