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【ただの雑感】資本主義の恩恵を受けて、資本主義を生き抜くために、資本主義から逃げる

服はUNIQLO、パソコンはMac、読書はスタバ、買い物は楽天です。
ふつうの東京の社会人です。毎日、資本主義の恩恵を受けています。
UNIQLOは本当に素晴らしい。UNIQLOは日本人の、いや世界中の人々のQOLを間違いなく爆上げしています。

しかし、それでも、都会でまともな神経を保つためには、ときどき資本主義から逃げるしかない、の、かもしれない。

先日、小学生の息子と映画を見に、新宿の歌舞伎町に行きました。家の近くの映画館では上映時間が微妙だったので。
歌舞伎町は、まあいつもの歌舞伎町です。昼間からきらめく明かり、人々の呼び声、色とりどりの看板、看板、また看板。
歌舞伎町という街についての息子の感想は、ただ一言。
「地獄だね…。」

のんびり屋の彼からしたら、そうなのでしょう。

しかしまあ、歌舞伎町ほどではないにしても、池袋にしろ、秋葉原にしろ、横浜西口にしろ、いわゆるターミナル駅や繁華街と言うのは、大体あんなもんです。
私はあれを所与のものとして受け入れていましたが、11歳の子からしたら「地獄」なわけで、そうだよね〜それが人間にとっての普通の感想だよね〜と、改めて気付かされました。

「じゃあどんなところが好きなの?地獄じゃない場所は?」と聞いたら、
「え、公園とか…。図書館とか、あとお寺とか?」と。
「ああ、それはママも好きだよ。美術館とか。大学の敷地もいいよね。」
「大学はいいね!このあいだ散歩した大学、きもちよかったね。広い芝生があって。大学生は、ああいうところで本を読んだりしてもいいの?いいなあ…」

公園、図書館、神社仏閣、美術館、大学。それから海辺や山並み。
私たちがほっとする場所、心を落ち着かせることができる場所は、多くが、「まだ資本主義に侵食され尽くしていない場所」、なのかもしれない。

私は市場の力を信じているし、前述の通り毎日資本主義の恩恵を受けているのですけれども、息子との会話を受けて、岩井克人教授の言葉を思い出さざるを得ませんでした。
チャーチルの言葉をもじって、
「資本主義は最悪の経済システムである。ただし、これまでに存在した全てのシステムを除けば。」

弁護士 野村彩(のむらあや

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