見出し画像

スペインを100㎞歩いたら、本当に人生変わったハナシ。

スペインの北西部、キリスト教の三大聖地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の旅に行きました。

スペイン巡礼とか、サンティアゴ巡礼とか、カミーノとか、色んな呼び方があるらしいこの旅。

本来は1か月くらいかけて、800㎞くらいを歩くのですが、私は普段会社員をしているのでそんなにたくさんはお休みをもらえません。

ならばと、徒歩だと100㎞以上歩けば巡礼証明書がもらえるというので、巡礼道のラスト100㎞を歩くことにしました。

先に言っておきますが、私はクリスチャンではありません。

巡礼の目的は、信仰心ではなく、人生変えたかったから。

この巡礼の道を知ったのは、2年前の秋。

仕事終わりに会社の先輩と新橋の日高屋で深夜1時ごろまで飲んでいた時のこと。

「スペインの巡礼は、マジでいいらしい」

そんな話になりました。

酔っ払いの話だったので、
"食べ物が美味しくて、お金をかけず最高の旅ができる"

最初はそんなくらいにしか思っていなかったけれども、スペイン巡礼について調べると
「人生が変わった」
と言っている人がたくさんいることを知りました。

その当時の私は、せっかくディレクターになったのに、部署異動によりADからのやり直し。

のんびりした性格なのに、スピードが求められるピリピリとした現場での毎日で、
ただ漠然と「認められたい」という承認欲求にまみれていました。

自分の感情にフタをして求められてる方を選ぶ。

そんな事を繰り返していたら、

自分は何がしたいのか、
自分は何者なのか、

自分のことなのに、自分のことが分からなくなってしまっていました。

「こんな毎日を変えたい」

そう思っていても、会社という組織の中、
環境を変える事はなかなか簡単に出来ることではなく
ただ時間だけが過ぎていくことに焦りを感じまでいました。

"自分探しの旅"ってよく言うけれど、
まさに見失った自分を見つけるためにスペインに行くことにしたのです。

それから1年後。
念願の旅へ出発しました。

旅の最中は全てが最高で、感動の連続でした。

帰ってきてからこの話をすると、
大多数の人には理解されません。

スペインまで行って、ただひたすらに歩く。

毎日仕事でくたくたなのに、わざわざ疲れにいくなんて。
バスに乗ってしまえば2時間か3時間で着いてしまう道を4日間かけて歩くなんてバカじゃないの?

と、思うのでしょう。


だけど、この旅の何が最高かって、歩かなければ出会わなかったに出会えたことです。


おとぎ話に出てくるみたいなかわいいお家。

魔女が育ててそうな大きな大きなかぼちゃ。

朝霧の中に現れたバンビの親子。

名前も知らない小さな村の教会の目の見えないおじいさんが弾いたアコーディオンの音色。

うだるような暑さの中で涼んだカフェで飲んだしぼりたてのオレンジジュースのおいしさ。

など、歩いたからこそ出会えたこと。

これらが「最高だー!」って思うのは、
私という人は結果を重視するタイプではなく、過程を大事にしたいんだってこと。

ゴールすることよりも、ゴールするまでに起きた出来事を一つ一つ味わいたい。

それが遠回りだとか、
時間がかかる事かもしれないけれど、
自分の足で歩きたい。

早くゴールに着くことよりも、
ゆっくりと景色を見渡しながら、
疲れたら腰をかけて休みながら。

そんな風に歩くことが好き。

スペインを100㎞歩いたら、
自分が何を好きなのか、どんな事に感動するのかを知ることが出来ました。

そしたら、上手くいかないことに
いちいちイライラしなくなった。

歩いている最中は辛すぎて何度も心が折れたのは確かだけど、素敵なカフェや宿もあって。
そんなに過酷な旅ではなかったから、
「こんなんで人生変わるのかな?」って思ったけれど、

やっぱりスペイン巡礼は人生が変わる旅でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?