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駆け出しのポスドク研究者(現代中東政治研究)。2018年11月より客員研究員としてイギ…

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駆け出しのポスドク研究者(現代中東政治研究)。2018年11月より客員研究員としてイギリスのオックスフォード大学に滞在中。日々のよしなしごとを綴ります。 ブログ: https://wnabetan.hatenablog.jp/

最近の記事

スイッチ

昨日は久しぶりに遅くまで研究をしていた。 最近だらだらしていて期限に追われたというのが理由のほとんどであるが、2月が終わるということに気づいて、もっと頑張らなきゃ、頑張らないと次はないんだ、ということを思い浮かべた。 自分の中のスイッチが最近入っていなかったことを自覚。前に進んでる実感が得られず、ぼんやりと時間を浪費していた。 自分の中でスイッチを入れ続けるメンタリティを鍛えられていないと気づいていながら、見て見ぬふりをしてきた。そんな才能はないから、と言い訳してきたが

    • 別れの季節

      ポスドクは基本的に有期雇用。期限が来たら、更新がない限り、その場を去らねばならない。 学生とは異なり、基本的には学年暦に縛られることのない存在であるから、年間を通じてポスドクが入れ替わることとなる。 と、思っているのだが、私の周辺ではこの1、2ヶ月に少し入れ替わりが多いようで、何名かのポスドク仲間との別れがやってきた。 基本的には我々人文・社会科学系研究者は個人プレーであり、人の入れ替わりが直接自分の研究に影響することは少ない。しかし、だからこそ、日々のちょっとした会話

      • キャリアと年齢

        こちらにきてからというものの、大学に行っていると話すと誰もが「修士課程?博士課程?」と聞いてくる。 さすがに学部生だと思われることはないようなのだが、ポスドクだと思われたことは残念ながら一度もない。相手によっては、ポスドクだと説明しても、そう信じてもらえないこともある。 それには東アジア人の顔が幼く見えるという事情もあると思うし、自分自身が早く博士号を取得できたという事情もあるだろう。 それにひきかえ、世界随一のここの大学の審査は大変厳しい。入学はもちろんのことだが、修

        • 日々が楽しいという感情

          最近、日本の友人から「イキイキとしているね」「エンジョイしているね」と言われる(メッセージをもらう)。 初めて言われた時はよくわからなかったけれど、少しずつそれが分かってきた気がする。ワクワクを覚えたり、心踊る時間の存在を感じられることはもちろんだが、無気力に感じる時間が減っている。 それと同時に、結構長い期間、自分が下を向いて生きてきたことに気がついた。決して、楽しみのない日々を送っていたわけではないと思う。ただ、楽しいという感情が生まれても、それを肯定できない状態にあ

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          二連敗

          2019年、今のところ二連敗。勝ちはまだなし。 学会発表のアブストに落ち、方法論のスプリングスクールに落ちた。どちらも論文や書籍での研究成果発信という究極の成果からすると、その前段階に過ぎないものであり、本番で失敗したわけじゃないから気にならないという見方もできるし、前段階ですらダメなら本番なんてそのはるか先じゃないかという見方もできる。 自分の研究の未熟さはわかっているつもりであっても、実際に落選という形でそれを突きつけられると、切ない気持ちは隠しきれない。一晩眠ってす

          二連敗

          はじめてのクロスカントリー・レース

          実は3週間前から地元の陸上競技クラブに参加していて、今日はクラブ対抗レースに参加してきた。研究とは全く関係ない、日曜日のお話です。 今日は2018-19 Oxfordshire XCのRound 4に参加しました。AdderburyのBo Peep Caravan Parkにて開催され、私はSenior Menのカテゴリーにて8.5km(?)を走りました。 (Oxfordshire XC: オックスフォード州クロスカントリー競技。スキーのクロスカントリー競技ではなく、長距

          はじめてのクロスカントリー・レース

          雪の一日

          今日の朝はやけに静かだった。時間が経つのを忘れてしまって、気づけば家を出る時間になっていた。 その静けさの理由。それは夜の間に降り積もった雪であった。この街での積雪は今日が初めて。20年前に冬季五輪を行なった地域の出身者としては(残念なことに、その話をして理解してくれたのはチェコ出身のフラットメイトだけであった... 冬季五輪の知名度はイギリスでさえ低いらしい)、雪にはしゃぐような理由はないはずなのだが、この街での初めての景色には心が躍った。なんだか新鮮な気持ちで一日を過ご

          雪の一日

          研究計画との格闘

          今日は一日、研究計画と格闘していた。 研究計画と一言で言ってしまうとだいぶ漠然としているが、一つはまだ論文にできていない研究の論文化に向けた計画、もう一つは現在の派遣プログラムのもとで進めている新しい研究の計画である。 前者については、(こちらの国の水準で)論文にするのに十分なデータが揃っているか、議論が整っているのかを議論しようとメンターから言ってもらったので、その準備のためにこれまでの自分の成果と向き合うこととなった。自分なりに頑張った結果だし、何か新しい知見をもたらし

          研究計画との格闘

          居室にヒーターがやってきた

          1月も末になった今日この頃。 居室にようやくヒーター(正確には、セントラルヒーターのパネル)がやってきた。これで氷点下の夜も布団にくるまって、湯たんぽを抱きしめながら過ごさなくてよくなった。 家探しの段階では、まさか部屋のヒーターが機能しないとは思っていなかった。パネルの下の部分は温まるものの、上の部分までそれが伝播せず、結局全然機能しない状態に陥っていたのである。我が家の個室3部屋+風呂・トイレ、キッチンのうち、私の部屋を含めた個室2部屋でパネルがこのような状態にあった。

          居室にヒーターがやってきた

          倫理審査の準備

          ランチの際、一人の研究者が倫理審査に苦労した話をしてくれた。書類が行ったり来たりでとにかく時間がかかったとか。 「え、この前担当者に聞いたら2ヶ月前でいいって言われたけど?」「そんなのんびりしてたら危ないよ!!」 それを聞いて焦り、午後はひたすら倫理審査の準備に費やすことになった。しかし、審査書類を作る以前に、審査項目の確認・関連の手引き、トレーニング教材が山積。研究資料以外でこんなにたくさんの英語の書類に一気に目を通したのは久しぶりな気がする。 なぜ私に倫理審査の準備

          倫理審査の準備

          ルイ・セロー "The Ultra Zionists" (“超ユダヤ主義者たち”)

          ルイ・セローLouis Therouxによる The Ultra Zionists (“超ユダヤ主義者たち”)(2011年, BBC)というドキュメンタリーをNetflixで見ました。 このドキュメンタリーは、パレスチナ西岸地区の東エルサレム、ヘブロン、ナーブルスにて、超国家主義者ユダヤ人入植者にインタビューをするというものです。 西岸にて、ユダヤ人の入植地を広げようと、土地を獲得しようとする活動家。 不法とされながらも、テントに住まう若者。などなど。 パレスチナ人による抗

          ルイ・セロー "The Ultra Zionists" (“超ユダヤ主義者たち”)

          ブログを書きました。イギリスの大学で開かれるセミナーの雰囲気を感じて頂けたら嬉しいです。 https://wnabetan.hatenablog.jp/entry/2019/01/27/083606

          ブログを書きました。イギリスの大学で開かれるセミナーの雰囲気を感じて頂けたら嬉しいです。 https://wnabetan.hatenablog.jp/entry/2019/01/27/083606

          「iPhoneを探す」でAirPodsを探せる!

          気づけば身の回りはApple製品で埋め尽くされている。 2つ持ってしまったら、機器間の連携の利便性に感激してしまい、さらにApple製品を持つというスパイラル。ジョブズの思う壺に違いない。iPhone, iPad, Macbook Air (, iMac)と愛用させていただいている。 機器連携で利便性を感じる点の一つが「iPhoneを探す」機能だ。 AppleのIDで各機器が紐付いていて、位置情報をオンにしておくと、機器間で位置情報を共有することができ、遠隔で音を鳴らしたり

          「iPhoneを探す」でAirPodsを探せる!

          大学の語学コースに参加

          1月から3月にかけてのこの学期-我が校ではHilary termと呼ぶ-では、語学センターの2つのコースに登録し、授業に参加している。 一つはアラビア語。6年もやっているはずなのに全然上達しないこの言語。現地調査に行くたびに必死の思いで身振り手振り・英語混じりでコミュニケーションをとる羽目になり、力不足を痛感している。6月に2年ぶりに現地調査に行く予定なので、それまでにもう一度腰を据え直したいと思ったのだ。 もう一つはアカデミック・イングリッシュ(スピーキング)。Acad

          大学の語学コースに参加

          大学におけるジェンダーバランス

          日々の生活の中でふと気づくこと。 私の周りには女性研究者が多い。 3人で共有しているオフィスは私だけが男性。隣の部屋も女性だ。 カレッジの食堂にランチに行くと、近い席になった人と交流しましょうという設計なのだが、なんだかんだ同じようなメンバーとテーブルを共にすることが多い。よく一緒にご飯を食べるポスドク仲間・院生はほとんどが女性だ。この1週間、カレッジでランチを取った日を思い返してみるに、見事に皆女性である。 もちろん、私がいわゆる文系であるために、近接領域の研究者は女性

          大学におけるジェンダーバランス

          習慣・継続・決断

          習慣を作るのは大変だ。 新しい習慣作りのため計画をしよう!と決意したとして、そもそも毎日の分の計画を作るなんて面倒だし、何を書けばいいかもわからない。書いたところで、どこまでやればいいのか見定めるのが難しいし、無事に完了できるかもわからない。予定外の出来事が起こるのはしょっちゅうだし、毎日の活動は退屈で気持ちが乗らない日もあるし、体調が優れない日もある。 つまり、習慣作りには躓くポイントが幾重にも待ち受けているのである。「日々ちょっとずつ継続する」という言葉ほど言うは易く

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