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【コラボレーターの仕事術】教育格差の開放を目指す!だれもが平等に教育を受けられる社会に 株式会社NOWMO 代表取締役 中野修二

今回、奨学金や教員の労働時間の増加などの課題解決に取り組み、ご自身でも中学・高校での授業や講演、高校野球部のコーチを務めるなど教育分野に幅広く取り組んでいる株式会社NOWMO 代表取締役 中野修二さんにインタビューさせていただきました。

中野さんは株式会社リクルートに入社後、リクナビやゼクシィの営業、新規事業企画など携わり、在職中にカナダ・トロント大学へ留学されました。
それまでの経験や海外学生と日本の学生の積極性の差を目の当たりにし、強い課題感をもったことから現在の道に進まれました。

現在では、教育機会の格差是正を目指し「自分の人生に納得して、楽しみながら生きる人」が溢れる世界の実現を目指し日々活動されています。
「もともとは決して積極的な性格ではなかった」と話す中野さんに変化のきっかけとなった経験やビジョンなど幅広くお聞きしましたので、ぜひ最後までご覧ください。

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【失敗を恐れるのではなく、積極的な人材を輩出したい】

インタビュアー)
中野さんが教育事業に取り組もうと思ったきっかけを教えてください。

中野さん)
私が教育に関心をもつきっかけとなった出来事が、2つがあります。

1つ目は、リクルートにいた時に、後輩の劇的変化を目の当たりにしたことです。当時、私は営業チームのリーダーで指導する立場にあったのですが、その中に成績が伸び悩んでいたメンバーがいました。

成果が出ていないときは負の感情が溜まっていることが多いので、それを吐き出させた上で、本人がどうなりたいかのを聞き、アドバイスをしていきました。
何を成し遂けたいのか? なんでそう思うのか? どうしたらよいと思うか?など、とことん向き合っていくことで、少しずつでも確実に変化していきました。結果として、営業のパフォーマンスは大きく向上し、社内で表彰をされるまでに成長していました。私が退社したあとの話ですが、MVPを取ったとも聞きました。

人の変化や成長に携わることの面白さ、やりがいを感じれたことが教育に関心を持った大きなきかっけの1つです。

2つ目は、カナダ・トロントへ留学したときの経験です。
当時、私は32歳だったのですが、20歳の中国人の同級生の存在がすごく強烈でした。
彼が話す英語は、文法も、発音も、単語も間違っていました。しかし、常に笑顔でいろんな人とコミュニケーションを取っている。最初は彼に対して「恥ずかしくないのか?」と思いましたが、その学生も含めて海外の学生は積極的にいろんな人と交流することが当たり前だったんです。

それとは対照的に、私も含めて多くの日本人学生は、外と交わろうとしていませんでした。「積極性の少なさは、日本人が抱える課題だな」と強く感じたことを覚えています。

そう思って日本へ帰国して、ふと周囲を見回すと、内定者時代に夢を語っていた同期が、組織の枠組みにばっちりハマっている姿を見て、課題意識はさらに強まりした。

遺伝的に日本人は挑戦することが得意ではない、ということもありますが、国際社会で活躍するために、積極性は持っていた方がいいと考え、自身で事業を始めようと決めました。

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【教育格差をなくし、平等に学べる機会を得られる社会にする】

インタビュアー)
仕事に対する原動力はなんでしょうか?

中野さん)
学ぶ意欲のある人が学べずにいるのは勿体ない!と思っているからです。

中学生・高校生を対象にしたシリコンバレー派遣研修の事業をしていて「しっかりした発言が出来る生徒の世帯年収は高い」ということに気付いたんです。自治体の事業や奨学金の選考では、目的意識があって論理構造もしっかりしている生徒が選ばれます。そういう生徒は、既に沢山の教育機会を受けている生徒が多く、結果を見ると、一般的に裕福と言われるご家庭の優等生が選ばれていました。

本来であれば、奨学金は世帯年収が低く、教育機会を得にくい生徒に与えるべきなのにおかしいなと思いました。学びたい!というエネルギーはあるけど、機会を得れない。そういう生徒ほど、変化する可能性は大きいのに。「学ぶ意欲はあるのに学べないのはおかしい。」これが原動力だと思います。

学びたい!と思った時に、学びの機会が得られる社会になるといいな、と考えています。もちろん、そこに至るまでにたくさんの複雑な問題があるとは思います。ただ、それをできない言い訳にするのではなく「どんな問題も解決できる」と捉えて進んでいきたいですね。

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【少しずつでもできることのチャレンジを重ねることで、変化してきた】

インタビュアー)
中野さんはもともと何でも積極的にチャレンジできるタイプだったのでしょうか?

中野さん)
もともとは全然、挑戦とかするタイプではありませんでした。
学生時代に部長やキャプテンとかも自分からはやらないし、推薦されたらやるみたいな感じでした。人に話しかけるのもすごく苦手でしたし。

最初の変化は二浪したときですね。
自分が二浪していたのを引け目に感じていたので「自分から積極的に周りに話しかけていかないと孤立してしまうのでは?」という焦りから、意識して話しかけに行ってました。

あとは社会人になって、自分の本音と会社が良しとすることのギャップに悩み、1週間仕事に行けなかったことがありました。そのときに先輩から言われた「自分のできることだけやればいい」との言葉がとても刺さり、すごく楽になったことを覚えています。

それから、自分が出来ることをやり、その中でもやることを選び、少しづつ積み上げていったら、起業も選択肢に入ってくるようになりました。なので、感覚的にはチャレンジしている!という感覚はあまりありませんね。

学生時代の友人が自分を見るとすごくびっくりすると思います(笑) 

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【自分にうそをつかない】

インタビュアー)
中野さんが仕事をする上で大事にしてきたことは何でしょうか?

中野さん)
自分に対してうそをつかない、ということです。

常識とされていることや他の人の意見と違っても、自分の意志を尊重するということですね。もちろん、揺らぐときもあります。自分の意志は、これまでの行動や環境の産物なので、周囲に流された意思決定をしてしまったとしても、割り切っていくことも必要ですね。

また過去の自分が決めたことに対しても、囚われないように注意しています。「今の自分がどうか?」に素直に従うということを大事にしています。

最近、都立高校の野球部のコーチをすることになったのですが、時間面や金銭面を考えれば、優先的にやることではないと思います。でも、やりたい!と思った自分の気持ちを大事にしました。

また仕事をする上で欠かせないチームワークを発揮するために意識していることは、何が得意で何が不得意かを明確にして、アウトプットすることです。
チーム内で得意・不得意を認識し合うことで、任せることもできるし、補完し合うこともできます。そのためにも自分が何が得意で何がそうでないのか、ちゃんと把握することはとても大事なことだと思います。

あとは、自分に対してのビジョンというか、信念みたいのものも大事にしています。
「自分が気づいた社会の歪を変えられる人でありたい」
これはリクルートに入社を決めた時に掲げたものですが、今も変わらず、こういう存在でありたいと思っていますね。

プログラミング

【人生に納得して歩める人たちであふれる社会にしたい】

インタビュアー)
最後にこれからチャレンジしていこうとする20代、30代の人に一言お願いします。

中野さん)
チャレンジ出来ていないと思っている人も、実は既にチャレンジしていると思います。
大小の違いだけで「自分はチャレンジしている」と認識をすることでさらなる一歩を踏み出していけるんじゃないかなと思います。

チャレンジする(挑戦する)ということは、自分の出来ないことに挑むということで、多くの人は、自分が出来ることと出来ないことの境界線が不明確なのではないでしょうか。
この境界線から、大きく離れていることにいきなりチャレンジしようとしても、当然できません。
自分が出来ないと思っていることの中身を分解して、ハードルが低いことから始めてみるのが大事です。

あとは、どの程度のリスクなら取れるのか、自分が取れるリスクの許容度を知り、リスクに対してのヘッジ(対策)も考えておくと良いと思います。
そうすれば、自然と行動も加速していくと思いますね。

一同)
長い時間、ありがとうございました。


▼ワクセルコラボレーター
https://www.waccel.com/collaborator/nakanoshuji

中野 修二
プロフィール
株式会社NOWMO 代表取締役/一般社団法人Good Try JAPAN 代表理事/キャリアコンサルタント

茨城県出身。早稲田大学・理工学部卒業。同大学院に進学・卒業。
株式会社リクルート入社。リクナビやゼクシィの営業、新規事業企画などに携わる。
トロント大学へ短期留学中に海外学生と日本の学生の積極性の差を目の当たりにし、強い課題感を覚え、Good Try JAPANの創業に参画。2015年に代表に就任。
2020年恩送りスタートアップの株式会社NOWMOを創業。代表取締役に就任。
中学・高校・大学などでの講演、キャリアコンサルタントとしても活動中。

株式会社NOWMOのHP
https://www.nowmo.jp/

Good Try JAPANのHP
https://www.goodtryjapan.org/

現在、中野さんの事業にて部活動の指導者募集をしております。
ご興味がある方は下記サイトから応募をお願いいたします。

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