【コラボレーターの仕事術】人にも環境にも優しい洗剤で、世の中を変える 株式会社masterminerals 代表取締役 道家 剛史
今回インタビューした道家さんは、ものづくり職人として、オリジナル商品の開発からブランディングまで手がけてきました。また、人にも環境にも優しい洗剤「マスターミネラル」の販売を開始し、2019年には、株式会社mastermineralsを設立。
「良いものを世の中に広めていきたい」という想いを持ってビジネスを展開する道家さんに、これまでの経緯や今後のビジョンについてお話を伺いました。
オリジナル商品「NOOK」を製作
ーーご自身の経歴について教えてください。
道家さん (以下、道家)：最初は車のバンパーなどを作る、樹脂製品の金型設計。その後、ハサミを作る父の会社で働いていました。31歳で独立し、マシニングという工作機械を購入して、ものづくりをしていました。ただ、安くて短納期じゃないと仕事が取れず、朝から晩まで徹夜したことが原因で、急性難聴になったほどでした。
時給換算で給与が出ていたので、どれだけ頑張っても「これ以上の年収は無理！」と痛感しました。そこで、「オリジナル商品を作って売ろう」と考えました。ものづくりをしていたら誰もが考える夢ですね。父の会社で毛抜きを作っていたので、オリジナルの毛抜き製作からスタートしました。
最初に「NOOK」という毛抜きを作ったら、これが大ヒットして、2009年にグッドデザイン賞を受賞。「一人でものを作って売っている面白い奴がいる」って評判になりました。当初は「自動車部品作っているやつがオリジナル商品なんて無理だ」と猛反対されていました。 が、成功すると面白いやつに変わります。
「NOOK」の次はiPhoneケース。当時は中国から安価に仕入れて売っていたところから、オリジナルを作るビジネスに協力して欲しいと依頼がきました。まずは「どうやったら売れるか」を調査するため、ラスベガスで開催している展示会へ。iPhoneケース事業は世界的に成長している産業でしたが、どのブースを見ても中国製でした。
「iPhoneケースを日本で作ったら売れるのでは？」そう仮説を立てて、樹脂も金属もすべてメイドインジャパンで 、数万円以上の高級iPhoneケースを作りました。当時iPhoneケースは流行っていなかった時代でしたが、世の中には変わった人がいて売れていく。そこに新たな市場ができ上がる。最初のブランドとして製品を出したことで会社は急成長しました。
「マスターミネラル」との出会い
ーー現在、携わっている仕事について教えてください。
道家：ものづくりに携わっていると、「ものづくりの人たちに講義をしてくれ」と、コンサルを頼まれるようになりました。講義のなかでは、さまざまな企業のオリジナル商品を作る大変さとか苦い経験を伝えていました。
「マスターミネラル」と出会ったきっかけは、洗剤を作っている10年来の友人。その方とバイクの話をしていた時、「最近こういうのできたから」と4リットルの洗剤をもらいました。ただし、業務用の缶だったので普段用では使わず車にそのまま放置。
忘れていた頃に、車屋さんのオーナーが、ホイールを眺めながら「洗うべきか？」とひどい汚れに悩んでいるところに遭遇しました。「そういえば業務用の洗剤を持っているな」と思い出して、5倍～10倍希釈して使用。すると、驚くことにめちゃくちゃ綺麗に汚れが落ちていきます。逆に、汚れが落ち過ぎて、「これは大丈夫な薬品なの？」と質問を受けました。 環境に良いものと聞いていたし、開発した友人にも来てもらって説明したことで、結果的に 車屋さんも納得して喜んでいました。
健康にも環境にも優しい「マスターミネラル」を世の中で使われたらめっちゃいいやん！こんなにすごいものをなぜ広めないのかと、疑問が湧いてきました。ただし、当時はサステナブルやエシカルとかが流行っていなかった時代だったこともあり、工場にはあまり響きませんでした。じゃあ消費者向けにやろう！と決意。
マスターミネラルの開発には5〜6年かかったので、消費者向けに展開する体力と時間が課題となります。そこで、すべて自分がやるべきと思って、リスクを取って在庫を抱え、サンプルを配り続けました。使う人みんなが「これはいい！」となって、徐々に広まっていきました。
「心が先」とにかくポジティブに
ーーその行動量やエネルギーはどこからきていますか？
道家：「ビジネスで絶対に成功したい」って想いです。ものづくりに携わる者として、「人が価値を生み出すものを作らなければならない」と考えています。現代で、なぜテレビの視聴率が下がって、YouTubeの需要が増えてきたのか。それは、「みんな真実を望んでいるから」です。だからこそ、良いものを届ける必要があるのです。
ただし、「良いもの」の価値は人それぞれで異なるので一筋縄ではいかないですし、価値をあげるにはブランディング面も重要となります。それでも最終的に使ってくれる人に喜んでもらえることが、ものづくりの醍醐味ですし、生き甲斐を感じますね。
とは言え、正直へこむことばかりの毎日ですよ（笑）。そのなかで、何事も「心が先だ」と気づきました。「心が先」なので、起こったことに落ち込んだら、未来も落ち込むことばかり。心をポジティブに持って、「次はこうしよう、ああしよう」と思うと、少しずつ物事は良い方向へ変わっていきます。
ーー今後のビジョンを教えてください。
道家：「マスターミネラル」を世界中の人に使ってもらって、地球環境に配慮しながらも、健康になってほしいと思います。使用者のなかでペットを飼っている人が絶賛していることも知りました。ペットだけではなく、お子さんのいるご家庭も望まれています。いずれはペット業界に進出し、トリミングで有名な方や、業界の方とかぜひコラボしたいですね。そして、もっと喜んでもらえる人たちが増えて、動物も地球も喜んでくれるといいなと思います。
＜プロフィール＞
株式会社masterminerals 代表取締役
＜経歴＞
1991年 岐阜工業高校卒業 一般企業に就職 マシニングオペレーター、金型設計を行う
1996年 親が経営する会社に転職 ハサミの製造業
2004年 個人経営として独立 航空機部品や自動車部品の精密加工を行う
2009年 オリジナル商品 NOOK（毛抜）を開発し発売する。
2012年 iPhoneケース企画開発プロダクト事業に参加
2015年 株式会社NOOK JAPANを設立
2017年 株式会社DAQの社外役員（CTO)に就任 同年10月 退任
2018年 mastermineralsのプロデュースを開始
2019年 株式会社mastermineralsを設立
■代表作・主な実績
2016年月刊「Mac Fan」で「ものづくりのシテン」というコーナーの連載をする（1年間）
■公式ホームページ、SNS等
公式ホームページ
■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY『ワクセル』
ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。
さまざまな分野で活躍する著名人や経営者、クリエイターの方々とコラボレートすることにより、下記の取り組みやコンテンツ制作を行っていきます。
・YouTube等での番組配信
・オンライン講演会
・出版プロデュース
・プロジェクト創出
・対談、インタビュー記事制作
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