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ベース間違えた⁇不可解なコード進行の謎.TheBand編⑤-チナバナ

このnoteはルーツミュージックバンド『wabisabi 』によるポッドキャスト番組
『音楽オタクのちなみに噺 -チナバナ』を文章で楽しんで頂こうという場です。
この番組では主に60年代70年代の音楽シーンにまつわる物語やアーティストの裏側をお話ししています


今回は、前回ジョージハリスンにも絶賛されたという話が出たザ・バンドのセカンドアルバム「The Band」通称"ブラウンアルバム"についてお話しします。
このアルバムは前回お話ししたウッドストックフェスと同じ1969年に発売されます。

まずはシングル曲「Rag Mama Rag」

とても陽気で楽しい曲ですね!
この曲で入っているフィドル(バイオリン)はリックダンコ、ベースの代わりに入っているチューバはプロデューサーのジョンサイモンが吹いてますね。
マンドリンはリボンヘルムが弾いてます。ドラムはリボンヘルムの代わりにリチャードマニュエルが叩いています。
ザ・バンドはメンバーそれぞれが色んな楽器が出来るので、楽曲に合わせて楽器をコンバート出来るのが良いですね‼︎
ライブなどではリボンヘルムがドラム叩いているんですが、個人的にはリチャードのドラムの方が軽くてこの曲にマッチしているように思います。是非聞き比べてみてください。お好みは?

ちなみにリンゴスターの「Sunshine Life For Me」というジョージハリスンが作曲した曲は、ジョージがこの".Rag Mama Rag"をオマージュして作曲して、さらにレコーディングにもザ・バンドメンバー全員参加しています。雰囲気も似ていますね。


他には「Up On Cripple Creek」という曲がとてもノリもよく楽しい曲があります。

この曲にクラビネットにワウをかけた音色が入っているのがわかりましたか?
この音色で有名な曲といえばStevie Wonderの"Superstition"。この曲が発売されたのが1972年、ザ・バンドのセカンドアルバム1969年に発売されてます。クラビネットにワウをかけた音色を使ってレコーディングしたのはザ・バンドが1番最初じゃないかと言われています。スティービーももしかしたら聞いていたかも⁉︎


次は「The Night They Drove Dixie Down」という曲のサビのコード進行なんですが。Cと Fという簡単なコードの繰り返しなんです。とてもシンプルでもここに隠し味がありまして、実際はCのコードの所でベースはGを弾くという
"C/G"というコードなんです。楽器が弾ける方には是非弾いてみてほしいんですがそれだけで全然違います。
ポッドキャストの方では実際に楽器を弾いて解説してますので合わせてお聞きください。


さらにコード進行という事で謎な曲が
「Unfaithful Servant」という曲。

何が謎かというとサビのコード進行の一箇所だけベースが1番と2番で半音違うんです。
コード進行は

Bbm7b5-Abm7-D/F#-A/E-Ab7-Dbm7-
Am7/C-Gb/Bb-Gbm7-FM7

というコード進行の7個目のコードAm7/Cが2番以降はAm7/Bになっているんです。
少しわかりづらいですが耳をすまして聞いてみてください。
こちらのインスタで1番のコード弾いてます。ご参考に。

ちなみにこの曲の3番もライブのバージョンも、全部2番と同じAm/Bが採用されています。

レコーディングの時にリックダンコが1番だけ間違えたのか、練りに練られた確信犯的なアレンジなのか、もしくはリックダンコの気まぐれか。

今日も皆さん明日に使えない音楽の予備知識をつけて脳みそのキャパシティ狭くなりましたでしょうか?
我々の目標は皆さんの頭の中をルーツミュージックの無駄知識でいっぱいにして、全国に仲間を増やしていこうではないか、と言うことですので。
また次回もお会いしましょう♪

ルーツミュージックのあの日を定点観測

ポッドキャストをお聴きしたい方はコチラから↓
時には楽器を使っての解説もします。
番組内でのBGMもwabisabiで制作してますのでその辺りもお聴き頂けると嬉しいです。

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