二十八ヶ条


存在の意味を見つめたときに 「自分」という人格を否定せず
存在の意義に思考を巡らせど 「他のひと」の人格を蔑ずまず
必要以上に背をかがめないで 己を誇る気持ちを忘れず
必要であっても他を見下さず ひとを敬う姿勢を崩さず
理解されなくても決してうらまず それを求むなら理解されやすいように
難しいことも理解しようと試みる 重荷にならぬよう努めて優しく静かに
喜ばしく思うなら他に感謝して
喜ばしく思われるよう振る舞い
外から生まれる怒りは内に
外にて生まれた怒りも我に
哀しい気持ちは見せず引きずらず
哀しくあるひとには静かに隣りに
楽しい時間も貞節をわきまえ
楽しむ時間には水を差さない

どんな緊張に襲われたとしても 自分自身を嘘偽らずに
どんな必要に迫られたとしても 誰であっても騙さずに
微細で些細な事柄ひとつ 疑いを持たれることはしないで
状況 証言 証人 自白 誰に明白な事象も無闇に疑わず
感謝のこころは素直に受け入れ 優しくされれば誠意を返しては
感謝のこころはいつも忘れずに 優しくすることに代償を求めず

罪を感じて不問にはせず 罪を憎んで己を戒める
罪を認めて素通りはせず 罪を憎んで人は憎まず
自ら裁かれる瞬間には 素直に受け入れながら
世に人を裁く権利など ないことをわきまえて
許されなくとも許しを乞うて 与えられることを信じる
許せなくとも怒りをしずめて 真の静寂から許しを生む

信じられずともただ自分だけは信じて ひたむきな愛情を注ぐことだけ
信じられないなどとは思いもしないが 降り注ぐ愛情にただ俯くだけで


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