言葉と告白

世の人が言葉を軽いものと認定したので
私は告白をするのが少し苦手になりました

本心からの想いを告げても
目の語るものがないそうです
私は目を如何にすれば良いか分からなかったので
置き去りにされた後もしばらく
白い目をぱちぱちさせていました

本心からの想いを告げても
声にこもるものがないそうです
私は声を如何に出せば良いか分からなかったので
置き去りにされた後もしばらく
小さい声で喉を微かに震わせていました

言葉は 語られる言葉は真摯なのに
綴られる故に虚偽も可能で
それ故に棄てられる
土にまみれて汚れて消えて
とても簡単に なかったことになる

世の人が言葉に重きを求めなかったので
言葉の他に想いを伝える術を持たぬ私は
世の人が思う様な軽い存在となりました
けれど想う気持ちの重さは軽くはなくて
告白をするのは少し苦手になったけれど
伝わらない思いにいつまでも見苦しい程
ただがむしゃらにしがみついていました


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