そのままのかたち

うそというのは
うそという二文字でやってこない
それをしっかり知っているはずなのに
うそをつく うそをつかれる
そしてきずつく
うそをつき うそをつくことに

うたがいというのは
うたがいという四文字でやってこない
それもちゃんと知っているはずなのに
うたがう うたがわれる
そしてきづかない
うたがい うたがわれることに

「なくなってしまったならどうしよう」
ことばになんかしたことなかった
かんがえたことだってなかったつもりだった
けれどこぼれたその素朴なうたがいに
それまで喉をしめつけていた痛みが
つよくぎゅうっと音を出した
おなじものがつよくなったのだから
そのきもちは ずっと昔から持っていたのだろう

そのままの形でやってくるものなんて
なにひとつないのに
今日もたくさんまちがえる きずつく
そして きづかない

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