BBTAG中級者向け:対戦時の視点の大きさとキャラへの理解を深めよう

ちょっと今回は理論的ですが、試合全体をどうやって考えていくべきか、それを考えるために必要な自分のキャラに対する考え方をお話しします。なんとなく攻撃してダメージ取って相手を倒した、ではなく理由をもって考えられるようになりましょう。

視点の大きさ

まずは下の図を見てください。

視点

これは試合中に考えるべき視点について深度ごとに分けて書いたものです。意識的であれ無意識的であれ、皆さんが自然と考えていることでもあります。それをアウトプットしただけです。せっかくの機会ですから、意識的に試合を考えてみませんか。

トップダウンで考えよう

大きい視点から順に一つ一つ詳しく見ていきましょう。

まずどうやって試合に勝つか?ということですが、ダメージを与えて相手キャラクターを2体ともダウンさせることが試合に勝つ条件ですね。何を言ってるんだと思うかもしれませんが、最初はこれくらい大きく考えます。徐々に小さく見ていくことで、全体の輪郭がはっきりしていきます。

では次の段階へ進みます。相手を確実に倒すためにどうやって自分の勝ちパターン・有利状況に持ち込むか、という話です。例えば…

・画面端で強力な起き攻めがある→コンボで画面端に運ぶ方法を考える
・中下段の崩しが強い→相手を固める方法を考える
・表裏による崩しが強い→相手を挟み込む方法を考える
・飛び道具が強い→相手を近寄らせないための方法を考える

などです。自分のキャラ・タッグの強みをここで書きだしましょう。例えば鳴上君は画面端でのJCと電光石火の中下択が強い、コンボや固めで運ぶことが得意、といった感じです。思いつかないのであればwikiなどを参考にしてみるのも良いでしょう。

では次にもう一段階細かくして、ダメージを与える方法について考えます。つまりはどのコンボを選択してダメージを与えるか、という話になります。大きくダメージを取れるコンボ、画面端に運ぶコンボ、位置を入れ替えるコンボ、有利フレームを大きくとれるコンボ、詐欺飛びのできるコンボ…色々ありますね。先に考えていた自キャラ・タッグの強みを活かせる方向で考えるとなお良しです。基本的に画面端に運んでいくのが強いとされていますが、表裏での崩しが得意なキャラはあえて画面中央でコンボを終えた方が良い場合もありますので、くどいですがキャラやタッグの強みに合わせて考えてあげましょう。

では最後に相手に触る方法を考えます。細かい読みあいが発生する状況であるため、一番考えることが多いかと思います。この視点では使用する技について注目します。牽制技が強い=リーチがある、パートナースキルが強力な突進や飛び道具である、小技の発生が早く割り込みに適している…などがありますね。共通のセオリーとしてフレーム関係の読みあい等も絡んでくると複雑になりますが、ここはキャラの技に注目して極力シンプルに考えてあげましょう。

キャラマップを作ってみよう

では最後に例を挙げてみます。鳴上君で考えてみると次のようになります。また実際に書き出す場合は、表の形ではなく関係図の形にすると見やすくて便利です。

まずは鳴上君の長所を視点の大きさ関係なく書き出していきます。

視点_鳴上1

筆者がざっと思いつく感じではこうなりました。これをもとに関係図を書いていきます。最下段に技を置き、それより上の段には有利状況へ持ち込む方法などを置いて、関係性のある要素を線で繋いでいきます。

視点_鳴上2

ここまで書くと鳴上君の基本的なゲームプランが分かってきました。

・5A牽制や上部を広くカバーする2Bで触り、優秀なスマートコンボで固めていく
・画面端に到達したら中下択で崩しに行く(+パートナーで拾いコンボへ)
・EXジオ(攻め継続)や画面端での十文字斬り(詐欺飛び)がスキルゲージの使いどころ

またここから鳴上君が求めるパートナーの条件も見えてきます。

・パートナーも画面端に運びやすい能力を持つ(スサノオなど)
・アクティブチェンジやパートナースキルによる拘束力が高い=固めへの繋ぎができる(明彦5P、スサノオ236Bチェンジ、足立236Bチェンジなど)
・スキルゲージを積極的に消費しないキャラ=EXジオや十文字斬りのリソース確保のため

対戦していくことでわかる強みや、机上では分からない強み、上手い人の対戦動画を見て気が付くこともあるでしょう。その場合はその気が付いた時にメモしていけば大丈夫です。最終的に自分が見返してみて把握できればそれでよいのです。このキャラマップの強みは「強い行動」に対して理由を考えやすくなることにあります。手癖で使ってしまう、上手い人が使っていたから使ってみたけど何が強いか考えたことがない、という方にはおススメの方法です。

おまけ:筆者のタッグのキャラマップ

オリエ
オリエはレイピアを持ちますが他の細剣キャラと比較してやや近距離で輝くインファイターです。キャラマップは次の通りです。

視点_オリエ

こう見るとオリエは近距離での制空権を活かし、相手が地上で固まったところに必殺技を差し込んだり、JAで触りに行って崩すという流れが見えますね。中~近距離はオリエ一人でチャンスメイクできそうです。ここからパートナーに求めるものは

・遠距離から近づく手段を提供するもの(飛び道具や突進力の高いパートナースキル)
・236Cを活かすためゲージを食いすぎないパートナー

といったところでしょうか。具体的には強力な飛び道具パートナースキルを持つ雪泉やイザヨイ、ジン、ハイドはシンプルに相性が良さそうですね。鳴上、ヤン、マイ、アズラエルや明彦も突進力のあるパートナースキル持ちです。鋭く差し込めるか、飛び道具を盾に前進できるパートナーが必要そうだ、ということが分かるかと思います。

獣兵衛
崩しのツールを一通りそろえ、不知火や機動力回りのシステムに恵まれている、つまるところ荒らしキャラです。キャラマップは次の通りです。

視点_獣兵衛

獣兵衛の特徴はやはり無敵移動技の不知火でしょう。相手への接近手段と挟み込みによる崩しを兼ね備えた技です。そこからチェンジ連携を狙う、触って崩しにいく、と強みをぐっと活かせる状態を作り出せます。また機動力回りの観点で考えると様子見からの接近も行いやすく、地上で機を窺うこともできそうですね。以上からパートナーに求めるものは

・不知火を使用する隙を作るためのパートナースキル=突進系orサーチ系のスキルをガードさせて隙を作る
・機動力の高さを活かすためにパートナースキルと一緒に攻め込めるもの=弾速の遅い飛び道具がベスト

前者の視点で考えるとシンプルに移動量の多い突進系スキルか、ナインや足立のような相手の位置をサーチして攻撃してくれるようなスキルを持っていると良さそうです。また後者で考えると美鶴やジン、イザヨイ、クマなどが該当しますね。なんにせよメインの接近手段である不知火と素早いダッシュを補助できるパートナーを選ぶのが良さそうです。

ここまで見てみるとオリエ獣兵衛の噛み合わせが分かってきますね。獣兵衛は弾速の遅い飛び道具を提供し、オリエは不知火用の隙を作る突進スキルを持ちます。最低限のシナジーは保証してくれそうです。一方でオリエは飛び道具を提供しないため、獣兵衛のダッシュによる接近はやや難しくなるでしょう。また獣兵衛の飛び道具も強力ではないため、飛び道具を盾に一気に接近するのは難しそうです。ここからこのタッグのプランは獣兵衛表の時は6Pの突進で隙を作って不知火のパターンに持ち込む、オリエ表の時は6Pを出しつつじっくり接近し、相手の動きに対応する形で制空権を活かして迎撃することが基本だと分かると思います。もちろん各種セットアップや細かい動き方はありますが、机上だけでも大まかなゲームプランを練られることが分かりますね。

おわりに

今回はややこしい話だったかもしれません。面倒ではありますし無意識的に出来ている人には必要のない手法ですが、一旦立ち止まって考えてみることでキャラへの理解が深まるため、一度試してみてください。

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