BBTAG初中級者向け:攻め継続ってどうすればいい?

今回はやや難しめのお話です。「攻め継」という単語をみんなよく使うし意味合いは分かるけど具体的にどうすればいいのかいまいち分からない、という方のための解説記事になります。きちんと説明しようとすると難しい概念なので少々長めになっていますがご了承を。

大きな視点で格闘ゲームを考えよう

まずはとても簡単に格闘ゲームを考えます。格闘ゲームにおける基本の勝利条件は相手の体力を0にすること、でした。相手の体力を減らすためには相手に攻撃を当ててダメージを与える必要がありますね。まずはここから考えます。ダメージを与えているわけですから勝ちに近づいているので有利状況。ダメージを受けていると不利状況です。

有利不利1

次にガードについて考えます。ガードには「崩し」がありますね。ガードは崩されるリスクがある以上、崩されてダメージを受けることがあります。相手の崩しをしのぎ切れば基本的に五分状況に戻ります。以上から有利不利状況は次のようになります。(今回は有利側の無理な崩しや固めによる『確定反撃のある攻撃をガードさせる』攻守反転のケースは考えないものとします)

有利不利2

徐々に細かくしていきます。続いては有利状況にフォーカスして考えます。相手にダメージを与えると、相手は基本的にダウンします。ダウンした後動ける状態に戻るためには受け身を取る必要があります。受け身は完全無敵であるものの、その動作時間は一定であり動く方向もある程度限定されます。有利側は相手に受け身という予測可能な行動を取らせていると考えてください。予測ができる以上、こちらは攻撃を重ねるなどして有利状況を維持することができます。

有利不利3

ここで一つ目の攻め継続が出てきましたね。ダメージを取ってダウンさせ、受け身後に攻撃を重ねるなどして攻撃をガードさせる。崩れたらまたダウンさせて…とループ性のある流れができています。これが一番単純な攻め継続です。まずはこの流れを覚えましょう。実際この状況に持ち込めばほぼ勝てますし、この状況に持っていくためにプレイヤーは色々な策を講じます。

ラインを学ぶ

ラインとは、格闘ゲームにおいて自分が自由に動ける陣地を概念化したものです。キャラのリーチ差などで変動するもの、基本的に自分と相手の中間に存在するとされています。画面中央時と画面端の時のラインの画像は次のようになります。

ライン1

ライン2

見てもらうと分かるように、画面端の相手は自由に動ける範囲が狭いですね。格闘ゲームにおいてはこの自分と相手の行動範囲を決めるためのラインの押し引きが常に行われています。例えば…

ラインを押し上げる行動
・前進する、前ジャンプする
・突進技を使う
・コンボを決めて相手を運ぶ
・攻撃をガードさせてノックバックさせる

ラインを下げる行動
・バックステップをする
・後ろ歩き、後ろジャンプする

このような形でラインの押し引きが行われます。そして、ラインを下げる=ラインを消費する行動には基本的に見返りが存在します。代表的なのはバックステップに無敵が付いていることでしょう。また後ろに下がることで相手の牽制技を空振りさせるなど、相手との距離を広げる行動はラインを消費します。ラインを自ら下げて技を置くことで相手の無理な前進を咎める低リスクな攻めを展開できるのもその一例といえます。

まとめると、次のようになります。

・ラインは自分と相手の間に存在する仮想線を基準として、自分が自由に動ける陣地を表したもの。
・ラインを押し上げると相手を画面端に追い込むことができる。
・ラインを自ら下げる行動にはリターンが存在する。

これを理解していれば十分です。

格闘ゲームのトレードオフ

トレードオフは「彼方立てれば此方が立たぬ」というような、一方を得るために片方を犠牲にするようなことをいいます。格闘ゲームにおいてはこのトレードオフが多く発生します。BBTAGにおける主なトレードオフを見ていきましょう。「何かを消費することで何かを得る」の視点が分かりやすいため、その表記で見ていきます。といってもシンプルで、BBTAGにおいては基本的に3つのリソースを消費して、何らかの効果を得ています。

スキルゲージを消費する
・ディストーションスキルを使う→大きなダメージを与える、無敵を活かして割り込んで攻守逆転させるなど
・リジェクトガードを使う→不利状況を軽減する
・エクストラスキルを使う→ダメージを多く与える、五分状況を有利にするなど

クロスゲージを消費する
・アクティブパートナースキルを使う→ガードを継続させる、崩しの状況を作る
・クロスコンボを使う→ダメージを多く与える、崩しの状況を作る、有利状況を作る
・クロスバーストを使う→受けるダメージを軽減する

ラインを消費する
前節で述べた通りです。

また、この3つのリソースには相互作用があります。クロスゲージを消費してコンボを伸ばすことで相手を運ぶ=ラインを押し上げたり、ラインを消費して安全な攻めを展開し時間を稼ぐことでクロスゲージを回復させたりなどです。どれも最終的にはダメージに還元されますが、このようなリソースのやり取りが存在することを覚えておいてください。

有利状況を維持するということ

ループ性のあるダウン→起き攻め→固め→崩し→ダウンの攻め継続とは別に、次の状況を維持することが、攻め継続できているといえます。

・ラインを十分に押し上げている
・相手の動きに対応できる行動がとれる(=様子見できる)状態である

以上の2つです。ラインを押し上げて相手の行動の選択肢を狭め、狭まった相手の行動に対してそれの答えをぶつければ、相手は状況を脱出する手段をまた考える必要があるからです。相手が画面端にいるとき=ラインを最大限押し上げているとき、相手が最も取りたい行動は「ラインを回復させる=画面端から脱出する」ことのはずです。またこの時、有利状況にある自分が目標としたいのは「ラインを維持する=相手の画面端から逃がさない」ことですね。以上からわかるように、この時ラインの持つ価値は非常に大きくなります。スキルゲージ、クロスゲージを消費してでも(少しだけラインを消費することもあります)ラインを維持したい場面になります。

例を挙げましょう。番長こと鳴上悠はA連、B連の拘束力が高く、相手をガードさせ続けることが得意なキャラクターです。ただし、いくら得意と言っても固めには終わりが来る=画面端に止めにくくなります。そこで…

攻め継続1

クロスゲージを消費してパートナーを呼んで固めを継続したり…

攻め継続2

スキルゲージを消費して相手の行動を牽制したり…

攻め継続3

ラインを回復しようという行動に引っ掛かるように少しラインを消費して迎撃の準備をしたりします。なんとなくイメージが掴めたでしょうか?(これら3つを合わせた動画は下のツイートになります。最後の置きJBミスしてるのはゴメンナサイ…)

中には画面端を維持しない方が動きやすいキャラも居ますし、強力な崩しの手段である挟み込み連携は画面端ではほぼ成立しません。しかしこの相手の行動を制限でき、それに付随して相手の行動が読みやすくなるのは画面端の大きな利点です。まずは相手を画面端へ持っていくこと。次にその画面端を維持するために動くこと。これが有利状況をキープする基本になります。

まとめ

格闘ゲームのフレームワークを考えた時に出てきた攻め継続は次の図のようなものでした。

有利不利4

このパターンは考えてみれば当たり前のことです。このような流れを意識して攻め方を考えるとぐっと勝ちやすくなります。自分の使用するタッグではどのような攻め方があって、どのようにしてループ性のある攻めを展開できるか、考えてみてください。

次にラインとリソース管理に触れたうえで画面端を維持する攻め継続を説明しました。正直、画面には表れにくい考え方ですし、意識すると情報量の多さに混乱するかもしれません。しかし格ゲーの上手い人はこの辺りの管理がしっかりしている印象があります。筆者もちゃんとできていない部分でもありますので、一緒に頑張りましょう。

おわりに

長い記事になってしまいましたが、とりあえず攻め継続について解説しました。ラインを絡めた考え方は意識しないと抜け落ちてしまうことが多いのでまずはループ性のある攻めを構築することから考えると良いかもしれません。筆者も勉強します…!

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