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ワンダフル通信<2020.07.01>

「Sundayカミデの失いたくない話」

現在、幸運にも紛う事なき大人の時間を過ごしています。


どういう大人であるべきか。


これが日々のテーマであります。

若い頃は、素晴らしい大人をたくさん見ました。


特に、小指の無い人達です。

まず、小指と薬指も無かった僕のおじいちゃん。

口癖は、たかくんモーニングいこか!でした。日曜日の教会が終わると、おじいちゃんが教会の前で待っていて、そのまま手をつないで行きつけの喫茶店に向かいます。


おじいちゃんは、僕にはホットコーヒー以外は、選ばなくていいのだと言っていました。


人生のスマートさは、ホットコーヒーの飲み方で決まる。


そう言って、指の少ない手を器用に使ってホットコーヒーを飲んでいました。


椅子にはハットと杖を置き、胸のポケットには、いつもシガレットケースが入っていました。


僕が、ホットコーヒーに砂糖を入れ過ぎると、少し残念な顔をした後、いつも笑ってくれました。

帰りに、エアロビクススタジオの前を通る時はいつも、ガラス張りの向こうでダンスをする女性の人達を一瞥して、全員それぞれに可愛いと言うのが習慣でした。


僕がスポーツショップに飾られているスケートボードを見ていると、お父さんとお母さんに聞かないとあかんけど、とりあえず先に買っとこか。と言って子供用のスケートボードを買ってくれました。


今でもスケートボードが大好きです。

その後、10代になって小指の無いマスターに出会いました。その人は、僕が中学の終わり頃にはじめたBARのアルバイトのお店のマスターでした。


最初の面接は、僕が薬やシンナーをやっていないかどうかを、事細かくチェックして来ました。


お前、ちょっと瞳孔見せてみぃ。


そう言って、お医者さんのように両手で僕の顔を持って目を大きく開かせました。


よっしゃ、ごうか〜く。


僕はその日に、マスターにカクテルの作り方を習いました。


それから、マスターはたくさんの事を僕に教えてくれました。


ある日、義指をつけながら、こう言う事にはお前は絶対なるなよ!と不適な笑みを浮かべていました。

マスター、どうやったらそうなるんですか?

僕は、素朴な質問をしてみました。

まぁ、なんて言うか、守りたいもんが出来たっちゅうのは、ちょっとカッコつけ過ぎやなぁ。

その日の夜、〇〇組の〇〇さんがお店に訪れました。

おう、元気でやってるみたいやんけ。
俺も嬉しいわ。後で女の子ようけ来るから高い酒ぎょうさん用意せんかい。

〇〇組の〇〇さんは、そう言って奥の席に1人で座りました。

その時のマスターの3分半に及ぶ深いお辞儀は今でも鮮明に覚えています。


高校生の頃、喧嘩になった右翼団体の本部長も小指はありませんでした。小指が無くて力の入りにくい拳で、たくさん僕を殴って来ましたが、あまりにも軽いパンチだったので迷いましたが、思いっきり吹っ飛んで見たら、喜んでくれました。


俺もまだまだ若いもんには、負けてないなぁ〜と周りの構成員の人達に笑顔で言っていました。因みに歯も何本か無いのが見えました。

その後、本部長達が乗ってる車を見る度に電柱や、物陰に隠れる日々でした。


お陰で今でも、行く先々でどんな逃げ場があるかを考える良い習慣が残っています。

大学生の頃に、0円結婚式という事業をやり始めて、パーティー会場でイベントのようなブライダルを開いて、売り上げから多少パーセンテージをもらうと言う事をやっていました。


ある日、頼んでいたピアニストが来ないと言う状況があって、真ん中の兄から紹介されていた梅田のビルの最上階に事務所を持つ、美魔女社長に連絡しました。

もしもーし!カミデさんの弟?どしたん?

え?大変やん!わかった。至急、私が用意してあげるわ。任せて〜。

美魔女社長との電話を切った20分後、会場に現れたのは、どう見てもヤクザの風貌の小指の無いお兄さんでした。

ピアノお願い出来ますか?

はい、何なりと言ってください…

僕は、その人に白いワイシャツを用意しました。

とても、素晴らしい音を出すピアニストでした。小指の無い左手は、とても滑らかに低音を響かせていました。僕は、司会を進行しながら時に彼のピアノに気持ちを傾けていました。


どんな人生を送ってきたのか、たくさんの人に心を配るように丁寧に、時に大胆な旋律が印象的でした。

今でも、そんなピアノを弾こうと思ってライブに挑んでいます。


あの名もなき小指の無いピアニストのお兄さんが、もしかしたら、僕の生涯の先生なのかなと思っています。

本来、あったものを失うのはとても恐くて大変な事です。彼等は、それを乗り越えて懸命に生きる姿を見せつけてくれました。


そして現在も、そう言う人達に縁がある人生を送れているのは、本当に有難い事です。

そして、改めて何ひとつ失いなくないと思います。


身体も心も場所も人も、自分に関わる全てにいつまで囚われて拘って生きていたいです。

それが、大人を生きる事だと思います。


THIS IS LOVE

君をずっと照らすのは僕なのさ

Sundayカミデ

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俺なりのメロンパントースト。

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かつて僕が、4年間通った高校の食堂にはパン屋さんもありました。


ラーメンやカツ丼などを配膳されるエリアから少し離れた所に、何種類ものパンを売ってくれている、みんな大好きなパン屋さんでした。


しかも、ラグビー部の後輩で幼なじみのしんちゃんのお母さんが販売員としていつも僕に笑顔を振りまいてくれました。とても可愛い幼なじみのお母さんに会う為に、僕は高校に通ったと言っても過言ではありません。


時に、食堂で大乱闘を起こす僕に、いつも笑顔でご両親に心配かけたらダメ!と叱ってくれました。


そんな僕が必ず買うのが、サンライズと言う名前のカリカリのメロンパンです。幼なじみのお母さんの太陽のような笑顔を見て、口から流血しながら、サンライズを頬張ったのは今でも良い思い出です。

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カリカリサクサクなので、流血している口には少し痛みが走りましたが、それを忘れさせてくれるくらい砂糖がまぶされているので、結局とても甘い記憶になりました。

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そんな味です。

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<question>
彼女にふられてから本音を汲み取ろうとお金を払って占いやスピリチャルな依頼をしてしまいます。何を信じたら次に進めるのでしょうか。

<answer>
彼女の事をあきらめる。と言うのが人生で1番ロマンティックな行為です。自信をもって涙をこぼしてください。

<解説>
やはり、恋人にフラれると言うのは幾つになっても辛いものです。特に一生この人で間違いないと独りよがりで思っていたら尚更です。

そして恋愛の難しい所は、毎回毎回初めての経験になる所です。今までの人生経験や恋愛経験は何の役にも立たないので、毎回自分の脳を新しく改訂する必要があります。それが出来なくて、相手は笑顔でいてくれているのに甘えてしまったら、いずれ別れの日はやって来ます。


そして、フラれると何が悪かったのかの答え合わせも出来ないので、良くも悪くもあまり反省出来ません。もっとこうしておけば良かったと言うのは、大抵自分の思い込みで的外れな反省をしがちです。


しかし、恋人の事をフラれてからしっかりあきらめよう、忘れようとする時、僕達はとてもロマンティックに成長します。占いやスピリチュアルなものに頼るのも良いです。
自分を成長させようと必死なのですから。


でも、大切な事は既にロマンティックモードは始まっていると言う事です。自分を見つめ直して、改めて自分の周りにはどんな人達が居るのかを見つめる時です。

そして自分の周りの人達にロマンティックモードをお裾分けしてあげてください。恋人だった人を忘れようと必死でもがいている素晴らしい瞬間を見せてあげてください。
そうすると、何となく穏やかで愛のある空間が広がります。


それが、失恋した人だけが為せる恋のマジックです。


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7月になりました!
今月のお題は「ワンダフルボーイズの曲」
好きな曲、弾いてて気持ちいい曲、思い出のある曲など自由にセレクトしてもらいました!

林未来彦(Sax)「スローリースローリーナイト」
2013年の作品であり、アルバムタイトル曲でもあります。僕の記憶が確かであれば、ライブ未演奏です。が、この曲の間奏のサックスは自分でも特に気に入っております。
非日常の電車に揺られながら、車窓の景色が全く知らない世界になっていく感覚。窓の外を見ながら、「もしこの町に生まれていたら、今頃自分は何をしているんだろう?」そういうことを、よく思います。ゆっくりと流れるけれど、決して前の場所へ、後戻りすることができない今の状況とも似ていますが、そういったエネルギーを沸々と感じる一曲で、大好きな曲です。

ワンダフルボーイズ   2nd Album
「スローリースローリースローリーナイト」収録

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アツムワンダフル(G)「僕らの世界」
僕のソロの弾き語りでもよく歌っている曲です。
辛いこともなんだかんだあるけれど、これが僕らの世界だと言ってしまえる所に勇気が湧いてくる美しい歌だと思います。
間奏のギターソロが我ながら凄くいいです。新しい扉を開けて眩しくて見えない光の中に飛び込んでいくイメージです。

ワンダフルボーイズ Mini Album
「Music Music Music レボリューション!!!」収録

ニーハオ(B)「Lovestory」
この曲をライブで弾く時は本当に楽しく弾いています。高揚感が露わになってしまい、お客さんにもラブストーリー好きなんやな、と言われるくらいです。ワンダフルの曲の中でと絞らなくても、本当に好きな曲です。

ワンダフルボーイズ  Mini Album
「ラブリーラブリーラブストーリー」収録

番長(D)/子犬のちび
ワンダフルボーイズでは無くて、しゃかりき時代の曲だけど、一番好き。
今のサンデーが書く曲のような洗練された感じは無いが、だからこそ純粋に心に響く曲。

Sundayカミデ SoloAlbum「マイ・ネーム・イズ!!!」収録

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Sundayカミデ スケジュール
7/5(日)名古屋/パラダイスカフェ21 ※おかしなふたり ※SOLD OUT
7/7(火)大阪/CONPASS「SlowTimeCommunication 」※ソロ  ←NEW!!!
7/9(木)東京/吉祥寺 STAR PINE'S CAFE ※おかしなふたり ※SOLD OUT
7/13(月)東京/ニュー風知空知「TOKYO PRIMA」 ※ゲスト 永嶋 柊吾
7/23(木・祝)京都/SOLE CAFE ※ソロ
8/9(日)広島/ふらんす座 ※ソロ <人数限定&配信ライブ> ←NEW!!!
9/30(水)大阪/Music Club JANUS ※おかしなふたり ※振替公演

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<TOUR おかしなふたりに関して>
○マスクの着用を常時お願い致します。
○入場待機列は指定の位置にお並び頂きます。係員の指示に従ってお並びください。
○検温を実施致します。37.5℃以上の場合にはご入場をお断りさせていただきます。
○入場時消毒を実施致します。
○入場時に質問票をご記入頂きご提出頂きます。
合わせて身分証明書(免許証,健康保険証等の氏名を確認できるもの)をご提示ください。
○混雑を避ける為、係員の指示に従いご入場、ご退出お願いいたします
○定期的に換気を行います。

指示に従って頂けない場合はご退場をお願いする場合もございます。
大変恐れ入りますが、予めご了承ください。
ご協力の程よろしくお願い致します。

東京公演は生配信でもご覧いただけます↓↓

<RADIO>
毎週金曜日21:00~ 文化放送「芝浦音楽倉庫 -SHIBAURA MUSIC SHED-」
今週のゲストは春ねむりさんです!
感想やメーッセージお待ちしています!生電話コーナーへの質問なども大歓迎!
#金曜ピーポー を付けて呟いていただくが、番組のメールフォームよりお送りください。

<月曜プリマ>アーカイブ公開中!

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◎チケット予約受付中◎
メール:yoyaku@new-fu-chi-ku-chi.jp
公演名、日時、お名前、枚数、電話番号をご明記下さい

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<月1連載!!!>「番長の幸福論」
「DOKKIRI」«前編»

1969年に日本テレビで放送された番組「なんでもやりまショー」の1コーナー「どっきりカメラ」が日本におけるその元祖といわれる。
*Wikipediaより
風船・クラッカー・静電気・注射と並んで、この世で最も嫌いなコトバ"ドッキリ"。
何故あのような、極悪で非道で愚劣で劣悪で心ない企画が世界中で根付いてるのか意味が分からない。

「みんな着いたよー!」

アチャコさんの朗らかな声で目が覚めた。
寝ぼけながら外をみると"ゆの華"(スーパー銭湯)の看板が。
ハイエースに揺られる事8時間、活気漲る博多に到着したのだ。
同乗者はしゃかりきコロンブス(ワンダフルボーイズの前身バンド)に加え・アチャコさん・奇妙君。
注1:この頃のしゃかりきコロンブスのライブは、まだ皆に知られていない奇妙君とアチャコさんがゲストで入るスタイルでほとんど行われていた。

時間は朝の9時。会場への入り時間は14時なのでまだまだ余裕がある。
注2:何故こんなに早い時間に着いてるのかを説明すると、会場への入り時間はだいたい昼過ぎ~夕方が多いのだが、離れた場所でのライブは当日に出発すると、ギリギリ間に合わないとか、渋滞があれば間に合わないとかがあるため、念のため前日の終電で何処かに集合して早めに現地に向かう、バンドマンあるあるだ。

そして皆で温泉に入った後は、遠征ライブの醍醐味"自由時間"。

皆バラバラに銭湯を出て行ったが、僕と大野君と奇妙君の三人は、一直線に銭湯の御食事処にやってきた。
もちろんビールを飲む為に。
今ではほんとに考えられないが、この頃はライブ前に飲むと言うのが当たり前だったのだ。
大好きな"ハーフ&ハーフ"(一つのグラスに、普通のビールと黒ビールを入れて割るビールの飲み方の名前)を注文した。
このハーフ&ハーフだが、ハーフ&ハーフとか言っておきながら、別に半分づつ入っている訳では無い。
ビールを注ぐ人によって、だいぶと割合が違うのだ。
もちろん、自分の好みの割合もある。
ちなみ僕は、普通のビール6.5:黒ビール3.5くらいが好きだ。
カウンターでドキドキしながら待っていると、真っ黒のビールが到着した。

なるほど、黒ビールを多めに注ぐタイプの人か。。。
少し残念な気持ちになりながら、皆が待つ席に戻った。

三人で下らない話を3分ほどしていると、ジョッキが空になった。
やはり、風呂上がりはビールが進む。
そして急いで券売機でチケットを購入しカウンターに向かう。
ここの御食事処はセルフ方式で、食券を店員さんに渡して、カウンターで商品を受けとるタイプのお店なのだ。

番長:すいませーん!

店員さん:はぁーい!

さっきの若い店員さんだ。
ハーフ&ハーフのチケットを渡しながら

番長:すいません、黒少なめでお願いします!

店員さん:わかりました!


ドキドキしながらビールの到着を待つ。

店員さん:お待たせしましたー!
満面の笑顔で、ジョッキをカウンターに置いた。

みると、
まるでCMに出てくるような美しさだ。
黄金色に透き通った美しいビール。
ジョッキの回りに程よく付いた、シズル感抜群の水滴。
泡の分量も申し分無い。
どこをとっても非の打ち所のない注ぎ方だ。
輝いている。
これは絶対に旨いやつだ。
非常に素晴らしい。
ベストに近い一杯だ。
いつもならテンションマックスで一気に飲み干していただろう。

そう、いつもならだ。。。

でも、今日は違う。
今日だけは違う。
何故なら、僕は"ハーフ&ハーフ"を飲みたかったのだ。
確かに僕は言った。
言ったよ。
黒少なめと。
でも、、、、
そーいう事じゃねぇーーーよ!
これは、さすがに少な過ぎるでしょ。
この美しく透き通った黄金色のドリンクには、黒いやつほとんど居ないっしょ。
まぁ、百歩譲ってほんの少し黒ビールが入ってるかも知れない。
でも、それは最早ハーフ&ハーフではなくなってないですか?
僕は、白(普通のビール)と黒(黒ビール)のケミストリーを楽しみたいんですよ!!!

複雑な気持ちのまま、笑顔の店員さんに"ありがとう"とだけ伝え、そそくさと席に戻っていった。

また三人で下らない話を五分程していたら、グラスが空になった。

よし、次は大丈夫。

例の店員さんにチケットを渡す。

番長:あの、黒を少なめにして欲しいのですが、さっきのよりは多い感じでお願いしたいです!

店員さん:わかりました!


ふぅ、やっと飲みたいものが飲めるぞ。
ウキウキしながら待っていると、笑顔の店員さんが戻ってきた。

店員さん:お待たせしました!

カウンターに置かれたジョッキに目をやると。
そこには全ての闇を飲み込んでしまいそうな、漆黒のビールが鎮座していた。

おおい。
そーじゃねーよー
。。。。。。
極端かよっ!。。。
まぁいい。。

笑顔の店員さんに、会釈だけして、席に戻った。

またつまらない話を10分ほどしたら、グラスが空になった。

番長:よし。

意を決して席をたつ。
実は今度は完璧な作戦があるのだ。
ただ、この作戦成功率はそこまで高くない。
とにかく初めが肝心だ。
チケットを買って勢いよくカウンターに向かう。

番長:すいませーん!

店員さん:はぁーい!

番長:すいません!ビール自分で注いでもいいですか?

店員さん:え!?

驚く店員さん。
よし、狙い通りだ。
自分で注いでもいいですか?と聞いているが、実は相手の返事は待っていない。
何故なら、絶対にダメに決まってるからだ。
なので、困惑している今がチャンスなのだ。

番長:ちょっと入りまーす!

店員さん:。。。。。

事前に確認しておいた出入口から素早く中に入って、素早くジョッキを手に取る。
ジョッキの位置も確認済みだ。
そして素早くビールを注いだ。

まだ呆然とする店員さん。
よし、ここまでは成功だ。

後は、何か言われる前に出て行けば任務成功だ。

店員さん:あっ、あの~。。。

ヤバイ。
店員さんの思考が戻りつつある。

番長:あざっす!
遮るように元気に挨拶をし、急いで席まで戻る。

やった。
遂にやった。
美しいビールが目の前にある。
黒色でも、黄金色でもない。
深みのある琥珀色をした究極のビール。
今までの苦労を噛み締めながら、一口飲む。

あぁ、最高だ。

ベストオブハーフ&ハーフ。
リスクを背負った甲斐があった。。
この一杯は大切にゆっくり飲もう。
そう心に決めた。

そして、15分ほどしたらまた空になった。

いよいその時がやってきた。
最後の関門だ。
これをクリアしたら、今日1日の勝利が確定する。

最後のミッション。

作戦はこうだ。
チケットを買ってもカウンターには向かわずに、キッチンへ直接向かう。
そして、店員さんに見つかる前に、迅速に、かつビールと黒ビールをベストバランスで注ぐ。
ビールが完成したら、満面の笑みで店員さんにチケットを渡して、"ありがとう"と言う。
颯爽とその場を離れる。

この作戦で重要なのは、スピードと正確性、そして、何よりも屈託の無い満面の笑顔だ。
悪くはない!僕たちは当たり前の事をしてるんだよ!マイブラザー!と錯覚をさせる笑顔だ。


そして、見事に作戦ははまった。
店員さんとの心の距離は確実に縮まった。


そんな遊びをしながら、ワイワイ飲んでいると、思いの外時間が経っていた。
14時を過ぎた頃に大野君の携帯が鳴った。

大野君:はい!。。。。。はい。。。。。。。えっ、?。。。。はい。。わかりました。

大野君の顔色がおかしい。

番長:どうしたんすか?

大野君:アチャコさんから電話やってんけど、今から迎えに来るって。

番長:ありがたいっすね!でも、なんでそんなにテンション低いんすか?

大野君:サンデーさんが怒ってるらしい。。。。

番長:えっ!?


。。。。。«後編»につづく