ワールド・エンド

1247号室の重い扉は、鍵を捻りながらじゃないと開かない。
しばらくそれに気付かずに、難儀しながら扉を開ける。薄暗い部屋、すえた匂い。

粗末な寝床に腰掛けて、煙草に火を着け、煙をくゆらせた。
アルコール漬けの頭でぼんやりと眺めるテレビは、知らない国の言葉を垂れ流しているような感じがして、なんだか妙に居心地が悪かった。

煙草を揉み消すと、携帯電話を取り出し、電話をかける。
満足にコールも鳴らないまま電話は繋がり、事務的で、それでいて努めて明るい男の声が、電話越しに響いた。
「お電話ありがとうございます」
男は僕にいくつかの問いを投げ掛ける。俺は問われるがままそれに答える。
答えなんて持ち合わせていないのに。

「それでは、伺わせて頂きます。お待ち下さい」
ああ。何だっていいから早くしてくれ。
急に惨めな気持ちになって、膝を抱える。
時間の進みはとても緩やかで、このまま朝がこないような気さえした。

それならそれで構わないかもしれない。
そんな思いをよそに、腕に巻いた時計は着実に時を刻んでいく。
何に使うのかさえわからないくらい、不必要に沢山ついた時計のボタンのどれかを押せば、この空虚な時間は止まるのだろうか。
そんな事を考えていると、ノックの音が響いた。


扉を開くと、女が立っていた。
20代前半くらいだろうか。オフィスから抜け出してきたような装いで、こちらを向いて微笑んでいる。
少しだけ疲れたような目元をしていたが、それを差し引いても美しい女だった。

「こんばんは」
柔らかな声で女が言った。
「ああ、こんばんは」
女に釣られるように、柔らかに答えようとしたが、その返事は自分で解るくらいぎこちなかった。

女は微笑みを崩さないまま、部屋の中へとすべりこんでくる。
「失礼しますね」
そう言って、ぶら下げていた荷物を床に置くと、女はそのままベッドに座り込んだ。
女の右隣に座ると、どこかで嗅いだような香水の匂いがする。
思い出したくない事を思い出しそうで、煙草の箱に手を伸ばした。
「煙草、吸ってもいいですか」
「どうぞ」
女はまた微笑むと、携帯電話を取り出して、どこかへと電話を掛けはじめた。

「着きました、ええ」
ここに来てから初めて聞くような事務的な調子で、女は電話に向かって喋っている。
それを聞きながら、僕は財布を手に取り、幾らかの金を取り出す。
電話を終えた女にそれを渡す。女の声は柔らかさを取り戻していた。
「確かに。ありがとうございます」
煙草を咥えながら、軽く頷きそれに応える。
会釈をした女の揺れる髪が、煙草の煙を掻き消して、香水の匂いを僕の鼻に運んだ。
なんだかいたたまれなくなり、流れ続けていたテレビに目をやりながら煙を吐き出す。

突然、女の手が僕の腕を掴んだ。
「時計、変わってますね」
「変な形でしょう。昔流行ったみたいなんですけど。時代遅れの安物です」
もう少し気の効いた返答をすればいいのに、理屈っぽい性分がそれを許さなかった。
時代遅れのそれは、ただ静かに時間を刻み続けていた。

「似合ってます、可愛いですし」
女はそう言いながら、その手を僕の腕から膝に移す。どきりとして、煙草を灰皿に押し付ける。
女はまた微笑み、立ち上がると、再び僕の腕を掴んだ。
「行きましょうか」
促され、僕も立ち上がる。安物のベッドが軋み、衣擦れの音が響く。
するり、するりと服を脱いで、一糸纏わぬ姿になった女がはにかみながら言う。
「そんなに見られるとちょっと恥ずかしいです」
真っ当に、一人の人間として見られているような気がして、なんだか嬉しかった。

あとめっちゃエロかった。多分Dカップくらいなんだけど、めちゃくちゃ好きな感じの乳のあれだった。
もうめんどくさいんで普通に書いていいですか。
デリヘル呼んだんですよ。それだけなんです。

もう本当に後ろ指を指して欲しいんですけど、デリヘルを呼びました。
90分で呼びました。フリーで。
これはもう個人的には完全に冒険で、なんだか僕は少しおかしかったのかもしれません。
人生を投げ捨てるような気分の時ってあるじゃないですか。
鬱屈とした溜まってるものを投げ捨てて、吐き出したかったんです。

そしたらクソ当たりを引きました。リピート確定だなと思うくらいには可愛かったしエロかったです。
すごい細かい事なんですけど、ブラウスを脱ぐときにボタンを下から外すタイプの子だったんですよね。
僕はブラウスを脱ぐときは下からボタンを外してほしいんですよ。
恥じらい感が出るじゃないですか。わからないですけど。

あと、これも細かいんですけど、乳首を舐める時に、舌先だけを動かすんじゃなくて首全体を用いて舐めてくるタイプの子だったんですよね。
伝わりますかね。
僕は乳首を舐められる時は首全体を用いて舐められたいんですよ。
なんか舐めてます感が出るじゃないですか。わからないですけど。


そういう細かいところが結構よくて、結論としてはすごくよかったです。

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