あなたにチョコを・・・ <BonBon>
今回はしっとりな感じで・・・。
投げ銭なので、最後まで美味しく頂けます♪
伸ばして、広げて、まとめて。
部屋中に、甘い香りが広がっていく。
大理石の板の上、滑らかで深い、カカオ色が絶えず姿を変える。
バレンタインは、いつも俺がチョコをやってたな。
『普通、反対だよねー』
そう言って、笑って、嬉しそうに、口にして。
お前の好物は、ヘーゼルナッツクリームのボンボン。
毎年これで飽きないのか?と訊けば、お前は笑った。
『あなたの、このボンボンが好きなのよ』
そうか、と俺はお前の口に、ボンボンを放り込んで。
お前は、また、嬉しそうに笑って。
伸ばして、広げて、まとめて。
休むことなく、手早く、作業は続く。
優しく、想いを包み込むように、カカオ色が絶えず姿を変える。
ショコラティエなんてしてるから、いつも俺がチョコをやる方だった。
『今年は、反対だよー』
そう言って、笑って、嬉しそうに、お前。
差し出したのは、キスチョコ。
昔懐かしい、あのチープなチョコを、俺の口に放り込んで。
『あなたの、出発点の、このチョコも好きなのよ』
そうだな、と俺は口の中のチョコを味わう。
こんなチョコだが、あの頃はとても美味く感じ、大好きだった。
伸ばして、広げて、まとめて。
戻して、混ぜて、また出して、作業はまだ続く。
甘い、思い出が練り込まれるように、カカオ色が絶えず姿を変える。
バレンタインは、いつも俺がチョコをやってたな。
だから、今年も。
俺が作れる限り、ずっと。
・・・お前の墓前に。
と、言うわけで4本目。
前話とは、正反対な感じになりました。
まだ、書けるかな。
もうちょっと行って見ましょう。
という事で。今回も投げ銭で。
売り上げは、チョコ代にしますw
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