ちょうせんはうけてたつ。
ならざきさんの「ものかきさんにちょうせんじょう。」。
受けて立ちました。
お題、スルーしちゃったけど良かったのかな?(汗
「姉者ー!殺った、殺ったよ!」
首に掛けた手拭いで顔の返り血を拭う私に、さっきまで隣で抱えた大鉈を物欲しそうに齧っていた末弟の声が、梢の上から突然、元気良く降ってきた。
「ほぅ?どれ――」
飛び降りて来る末弟、隼人の抱えているモノに目をやれば、血に塗れた巨大な生首。そして見開かれた単眼が見える。
「ふむ、一つ目入道だな」
「一つ目入道!――ってなぁに?」
無邪気に私を見つめる末の弟に、私は笑う。
「あちらの言葉ではサイクロプス、だな」
「サイクロプス?!うそ?!やった!レアじゃん!!」
私の答えに、隼人は首を放り上げ、バンザイした。勢いが良すぎてふらついている。
「おい、転ぶなよ」
「うん!僕、父者に見せてくる!」
そう言って駆け去る背中を見送り、私は改めて足元のモノを見る。
そこに転がるのは、凶兆とされる猿頭蛇尾の巨大なキメラだ。
「さて、どうしたものか」
私は溜息と共に呟くと、空を仰ぎ、首の手拭いで嫌な汗を拭った。
改行、インデント分除き、400字。
和風ダークファンタジー風味。
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