リレー小説 note15 『Relation』#9
この物語は、空音さん主催のリレー小説企画への参加作品です。
長くなったので、分割してあります。
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件の事件の後。第一線を退いた父親の後を追いかける事にして1年目。
タケシは独力で人工知性を生み出すことに成功した。
ただし、表向きは、あくまで人工知能として公表された。
あまり話題性のないニュースとして、それは直ぐに風化していった。
「と言うことにはしてるけどさ、父さんにも内緒なのか?」
「そうね。もう少し内緒にしていても良いんじゃない?基本、嘘のつけない人だし」
「それについては、全くの同意見だけどさ」
笑いながら話す二人の様子は、以前と全く変わらないものだ。
「しかし・・・必死に駆けつけてみれば、『またね』だからな」
苦笑しながら、作業するタケシの前、2面目のモニターの片隅で動作するウィンドウ。
「しょうがないじゃない。一番差し障り無く、全部をまとめるには、ああでもしないといけなかったんだから」
そう言って、膨れっ面をする冬顔の姿があった。
一体どうやって?
そう、『冬顔は全てに繋がる』のだ。
過去にも、未来にも。
どこへでも。
だから――――冬顔は、まだここに居るのだ。
タケシと、一緒に。
いつまでも。
そう、いつまでも。
― fin ―
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