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藤原忍の足

先週末のリーグワンディビジョン1にて、物議を呼ぶトライがあった。
スピアーズ対レッドハリケーンズの後半7分。レッドハリケーンズの自陣ゴールラインを背にしたマイボールスクラムでのシーン。スクラムからパスアウトされるスピアーズの藤原忍が足を出す。

文字ではなかなか伝わらないプレーも映像で見れば一目瞭然でしょう。予測していなかったプレーに両チームのほとんどの選手は動きを止めて、唯一反応した6トゥパがこぼれ球を拾い、トライが認められました。
天理大時代から続く、藤原忍らしいプレーで
「ぽいなあ」
と感じるそれ。賛否両論あるようですが、解説の藤島大さんが言うように
「ダメだっていうならルールを変えるしかない」
が正しい見解です。昔は球出しでフェイントを掛けてディフェンスのオフサイドを誘うなんてプレーも認められていましたが、それも今はルールでやらないように縛っているんです。

紳士のスポーツとしていかがなものか
って意見もありますが、スポーツにおける不文律(空気読め)は新規顧客獲得においては害悪でしかないわけです。気に入らないと思うのはいいけど、押し付けるのはムラ化の第一歩。何度もいいいますが、ダメなんだったらルールを変えないと。ただ、藤原忍が日本代表を見据えた上で、このプレーが代表ヘッドコーチにどういった印象を与えるかは未知数ですが。

関西ラグビー協会のお仕事で、関西学生代表のインタビューをさせてもらったのが2018年。まだ2年生の春です。

U20日本代表でも活躍し、4年時には天理大学初の原動力に。スピアーズに入団後は1年目から試合に出場し注目されました。ある日突然うまくなる選手というよりも、ずっとうまい人がプレーするカテゴリがあがるたびにドンドンレベルを上げて。代表選手として申し分ない成長曲線です。

4年時の関西学院大学戦 提供:関西ラグビーフットボール協会

あとはチームに欠かせない存在であると信頼を勝ち取ることができるのか。年齢別カテゴリではそれができても、最上位カテゴリには年の違うプレーヤーが大勢いて。その中で信頼されなかったという選手はたくさんいました。
ファン目線として、藤原が信頼を勝ち得る姿を見ていくことも楽しみの一つです。

現状の日本のSHを編集長前田の勝手な目線で上位から並べると
流大(サンゴリアス)
齋藤直人(サンゴリアス)
茂野海人(ヴェルブリッツ)
の3人までが現日本代表。
その後に
小山大輝(ワイルドナイツ)
内田啓介(ワイルドナイツ)
中嶋大希(スティーラーズ)
湯本睦(シャイニングアークス)
と続くでしょうか。
この「その後に」のなかに藤原が入れば代表に選ばれやすく、本人も周囲もそこを当面目指しているはず。

次の日本代表の試合は6月。例年の流れでは4月の後半くらいにスコッド(候補)が発表されるでしょうか。その中に藤原忍が入るか否か。ここから1ヶ月の試合がさらに意味を持ってきます。

選ばれたら、取材に行きたいなぁ。

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