吉良上野介も駄目なんだって

ある在宅勤務の日に、会議の予定もないしチャットで全部解決してしまうので誰とも話さないで終わるな、社会との関わりゼロの日になるなと思って(別にいいのだが)、昼休みに気になっていた近所の沖縄そば屋に行ってきた。
外観的に入りづらいし、外からでも常連さんっぽい声が聞こえてくるので勇気が要ったのだが、結果的にめっちゃ好きな感じの軟骨ソーキが載った沖縄そばを食べられたので行って良かったと思う。


小さい店で、他の客は常連っぽいおじいさん一人におばあさん三人のグループ。習い事のお仲間っぽい。
沖縄そばが出てくるまでぼーっと待っていたのだが、お客さんの会話が聞こえてきて気になってしまった。

おじいさんが「同じクラスの〇〇さんは漬物が全部苦手なんだって。『ナントカづけ』って付くやつは全部。だから吉良上野介も駄目なんだって」とジョークを言っておばあさん達にモテていた。
なんだかその人達の妙に陽気な雰囲気が青春って感じで、一人ですっぴん、部屋着みたいな格好で黙って待っている自分がだんだん店の壁のしみと同化していくような気がした。一人で食事に行くことはよくあるのだが、「ぼっち」という言葉を久しぶりに思い出した。

軟骨ソーキそばは美味しかったから良いのだが。

帰り際におばあちゃんの一人に「来てくれてありがとねえ、若い人がいると元気が貰える気がするわ。私達みんな80代なのよ。また来てね。」と言われ、丁重に店から送り出された。

そうか、元気を貰われていたのか。


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