Linux上で動作しているSteam版「DEAD OR ALIVE5 Last Round」をMODで大幅強化するには

電子書籍「ゲームMODの書」発売中

LinuxでSteam版「DEAD OR ALIVE5 Last Round」をMODで大幅に強化する方法をブログの方で公開しています。ここでは、ブログ記事をまとめておきます。


◇ゲームとMODの導入

UbuntuでSteam版Dead Or Alive 5の起動時に真っ白になってゲームが起動出来ない時の対処法

Linux版Steamでも、Protonを使ってWindowsゲームを遊ぶ事が出来ます。ゲームによっては、出来ない事もありますし、本来プレイ出来るのに起動出来ないといった事も起こります。
Steam版Dead Or Alive5を起動させた時に真っ白になってしまったという事は無いでしょうか?この時の対処法は、画像のように、プロパティのオプションに「PROTON_NO_ESYNC=1 PROTON_NO_FSYNC=1 %command%」を追加してからゲームを起動します。

ムービーを再生させたいので、カスタムProton「Proton GE」を使います。

Linux版Steamで、DEAD OR ALIVE 5 Last RoundのMODツール「Auto Link」と画質向上ツールのReShadeを使えるようにする方法

◎AutoLinkを導入する方法
Steam版DEAD OR ALIVE 5 Last Roundのキャラクターに、オリジナルの衣装を着せたり、ヌードにしたりするには、MODツール「Auto Link」を導入する必要があります。

◇Beach Paradiseの中に「Auto Link」が入っている
https://mega.nz/folder/NFhG2bpJ#yZyIiHvuiHcgn1knT9p6lw

◇NEXUSMODS(無料会員登録が必要)で入手
https://www.nexusmods.com/deadoralive5/mods/135?tab=files

1.Autolinkのフォルダを「~/.steam/steamapps/common/Dead or Alive 5 Last Round」の直下に配置します。更に、DInput8.dll・DInput8.iniも配置させます。ReShadeが必要な場合はd3d9.dllも配置してください。
DInput8.dllはAutolink・lnk_reshaffle本体、d3d9.dllはReShade本体となっています。

・DInput8.dll(Autolink本体)
・DInput8.ini(Autolink設定)
・devenum.dll(Beach Paradaise8.301本体。link_shuffleが使えるようになる)
・modsフォルダ(BP8.301の3Dモデルが入っている)
・mod.config(link_shuffleなどでswapしたBP8.02同梱3Dモデルを読み込む為の設定ファイル)

2.端末でwinecfgで、d3d9.dllとDInput8.dllを読み込めるようにします。winecfgのLibrariesで「d3d9」「dinput8」を追加する。dinput8は、「native,built」に設定しないとゲームが落ちるので注意。


$ winecfg WINEPREFIX=~/.steam/steam/steamapps/compatdata/311730/pfx

UbuntuのリポジトリにあるSteamをインストールすると、Steam関連のファイル群は./steam直下に置かれます。Valve公式サイトで公開されている物を使うと、./local/share/Steam以下に置かれてしまうので、個人的にはUbuntuリポジトリにあるSteamをインストールする事をオススメします。

winecfgが起動しないケースがあるので、「~/.steam/steam/steamapps/compatdata/311730/pfx」の直下にある「user.reg」の「[Software\Wine\DllOverrides]」という項目に以下を追記しても大丈夫です。

"dinput8"="native,builtin"

3.ゲームを起動すると、タイトル画面の右下にAuto Linkの文字が出ていれば、Auto Linkが使えます。

4.有志によるMODを導入する時は、Autolinkのフォルダの中にキャラクター別のフォルダを作って入れていく。「01」フォルダは、1番目の衣装のインナーの項目で選択が可能になります。好きな衣装の番号に合わせて適宜フォルダを作っていきます。

5.ゲームを起動して、キャラクター選択画面でキャラクターを選択すると、髪型やインナーなどを変更出来る項目が出てくるので、インナーの項目を選んで、導入した好きなスキンを選べば、変更出来ます。

◎ReShadeを導入する方法
ReShadeは、画質向上をしたり、色味を変更したり、アンチエイリアスをかけたりする事が出来るツールです。Linux版Steamでも、このReShadeを使う事は可能ですが、相応に負荷(特にGPU)がかかるので、動作が重くなるなら使わなくても良いでしょう。

◯ReShade公式サイト
https://reshade.me/

DOA5の場合、この公式サイトのReShadeでは動かなかったので、NEXUSMODS(無料会員登録必要)にある物を使いました。

◯DOA5 Arcade ReShade
https://www.nexusmods.com/deadoralive5/mods/20

◯d3dcompiler_47.dll
https://lutris.net/files/tools/dll/d3dcompiler_47.dll

ダウンロードして、解凍したファイルで必要になるのは、d3d9.dll・ReShade.ini・DOA5 Arcade ReShade.iniです。これらをゲームフォルダ直下に置きます。また、d3dcompiler_47.dllも同じようにゲームフォルダに置いてください。

◯ReShade FX shaders
https://github.com/crosire/reshade-shaders

シェーダは、ReShade FX shadersを使います。これもダウンロードして解凍をしたら、reshade-shaders-masterをゲームフォルダに設置します。

端末でwinecfgで、d3d9.dllを読み込めるようにします。winecfgのLibrariesで「d3d9」を追加し、「native,built」に設定します。d3dcompiler_47.dllは、winecfgのライブラリタブで「d3dcompiler_47」を追加し、「native」に設定します。これで、ReShadeを使えるようになっています。


$ WINEPREFIX=~/.steam/steam/steamapps/compatdata/311730/pfx winecfg

自分のオリジナルのプリセットを使いたい場合は、ReShade.iniのCurrentPresetPathでパスを変更してください。例えば、customReShade_settings.iniをゲームフォルダに作ったとすると、以下のように設定すると良いでしょう。


CurrentPresetPath=.\customReShade_settings.ini

Beach Paradaise 8.301とDOA5LR VU Mod(Uncensored version)を統合してSteam版「DEAD OR ALIVE 5 Last Round」を大幅に強化する

Steam版「DEAD OR ALIVE 5 Last Round」にBeach Paradaise 8.20とDOA5LR VU Modの2つの大型MODを併用する事で、様々な要素を大幅に強化する事が出来ます。VU MODを導入する事でReShadeを使わなくて済み、ゲームの動作が重くならなくなります。

◇Beach Paradaise 8.301
DOA5 LRで一番有名なMOD
https://twitter.com/holden_mcclure
https://mega.nz/folder/NFhG2bpJ#yZyIiHvuiHcgn1knT9p6lw
[特長]

  • ReShadeを使ったポストプロセッシングによる高画質化(アンチエイジング・フォグ・被写界深度などの設定)

  • ヌードモデル・胸が大きく揺れる水着モデルの収録

  • 一部モデルは、ダメージの蓄積で衣装が取れる(勝利画面・負け画面・戦闘時に落下するシーンの後・戦闘時など)

  • 収録されているモデルは水に濡れたり、ダウンしたりすると日焼けをする

  • 既存モデルの一部でDOAXVVのキャラを再現している

  • ウェットタイプのヌードモデルが追加されている

  • コーエーテクモ公式で販売されている「Tropical Paradise Costume & Movie Set」( https://store.steampowered.com/app/358142/Tropical_Paradise_Costume__Movie_Set/?l=japanese )を導入している場合は、ポールダンスやシャワーシーンなどのムービーを再生可能

◇DOA5LR VU Mod
テクスチャーを超高解像度の物に変更されており、ライティングや物理演算やマテリアルなどを大幅に変更する事で、ReShadeなどのポストプロセッシングインジェクターを使わずに高解像度化を実現しているのは凄いです。ReShadeを使わずに済むので、ゲームの動作が鈍くなりにくくなります。デフォルト版とDLC対応版、オプションで18R版が公開されています。

https://www.nexusmods.com/deadoralive5/mods/228

[特長]

  • 全キャラと全ステージと全DLCに高画質テクスチャが適用されている

  • ライティング・マテリアル・フォグなどが調整されているので、ReShade無しで高画質化が可能

  • Uncensored版に収録されている女性キャラは、服が濡れるとかなり透けるようになっている

  • Uncensored版に収録されている女性キャラは、乳首がちゃんと再現されている

  • 全キャラに汗や水で肌が濡れる表現が感じられるテクスチャ処理が施されている

  • 表情や一部モーションが調整・変更されている

  • ステージの物理演算の変更でダイナミックさが増している

◇Beach Paradaise 8.301とVU MODを統合する
1.Steam版DOA5 LRのフォルダにBeach Paradaiseの「Dead or Alive 5 Last Round」フォルダを上書きする
2.mods2フォルダを作成して、その中にVU MODのmodsフォルダの中身を入れる
3.VU MOD付属のmod.configの「mods」の部分をテキストエディタでまとめて「mods2」に変換する
4.BPのmod.configをベースに、VU Modの.swap部分をBPのmod.configに記載されている.swap部分よりも先に追記してmod.configを統合します。これで、lnk_reshuffleでBPとVU MODを同時に使えるようになります。また、BPやVU MOD以外にAutolinkで導入するタイプのMODを併用する事も出来ます。
VU MODのカスタム衣装はアイコンに反映されていないので、lnk_reshuffleで新規に追加していきます。カスタム衣装は、それほど必要というわけでもないので、この作業は飛ばしても構いません。

5.ReShadeを使わないようにするには、d3d9.dllをDOA5 LAフォルダから外しておきます。

◇DOA5 LR config
DOA5 LR本体のconfig設定は以下の通りです。
影 : 4096x4096
アンチエイリアス : SSAAx4
グラフィックボードを搭載しているPCであれば、これを基本にしてください。Radeon RX 460ぐらいのグラボでも大丈夫です。
解像度はマシンの性能に合わせて変更します。

PC版DOA5 LRには、FXAAとSSAAの2種類のアンチエイリアス処理が用意されています。FXAAはポストプロセス的にアンチエイリアスをかける事ができ、 それぞれのピクセルとその周辺ピクセルの輝度の差の情報を元にしてエッジの推測を行い、斜め部分のジャギーを軽減する手法です。動作が軽いですが、どうしてもボヤける傾向が強いです。
SSAAは、ピクセルを2個から8個のサブピクセルに分割して、各サブピクセルで色を計算して得た結果を混ぜ合わせて色を平均化する事で滑らかさを出しています。x4であれば、4分割して計算しているという事になり、より高画質になってFXAAのようなぼやけるといった弱点が無いのが強みです。高画質を目指すなら、グラボの性能が許す限り、SSAA x4がオススメです。Radeon RX 460のようにローエンドグラボでも出来ているので、それ以上の性能を持つグラボであれば問題がありません。

◇おまけ

Linux上でDOA5 LRのMOD制作を行う為の環境

ReShadeの代わりにLinux版Steamで使えるポストプロセッシングインジェクター「vkBasalt」

PC版Dead Or Alive 5 Last RoundのTeam Ninjaロゴムービーを好きなムービーに差し替えると格好良い


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?