Sannyのおすすめバーチャルワールドニュース : 2022年9月 Sanny Reports For Virtual Japan(Archive)
Sanny Yoshikawa が、New World Notesのなかから、毎月おすすめのバーチャルワールドニュースを日本語で紹介します。Sanny Yoshikawa covers the monthly virtual world highlights from New World Notes for virtual Japan.
☆noteにはアーカイブを掲載しています。最新版はこちら。
エリザベス女王の訃報に、Second Life のロンドンは弔問客で溢れかえった
エリザベス女王の訃報が世界中に広がる中、バーチャルワールドSecond Lifeの弔問客は、イギリスの首都をテーマにした広大な島、London Cityに集結しました。訃報のニュースが流れた当日は人が多すぎて、まるで霧でぼやけているような状態だったようです。
下のスクリーンショットでは、緑の点で表されている世界中のユーザーが町の広場に集まり、英国旗が半旗に下げられている様子が見られます。そして、オーディオストリームは通常のブリティッシュポップから、地味なピアノとパンパイプの曲に変更されていました。チャットでは女王の死を悼む言葉や祈りの言葉が流れています。
「音楽を流しています。この曲がふさわしいといいのですが。私は女王陛下に献杯します!」と、Londonの運営を手伝っている人が話していました。
このような偶発的な追悼式は、現実で重大なニュースが起こったときに、SLユーザーがニュースと関連のある場所に集まってチャットをすることで始まります。(例えば、パリがテロ攻撃を受けた後、バーチャルワールド内のエッフェル塔に弔問客が集まりました。)
また、SLのなかではよくあることですが、Second Lifeにふさわしく、到着した弔問客には、バットマンのヘルメットをかぶったスーパーマン、感情のある犬、人型の狐(ややこしい)、それにさまざまなスーパーモデルも含まれています。多くは英国のユーザーでしたが、国外からも弔問客が訪れていました。
ある人は「ドイツからお悔やみ申し上げます」と言っていました。
天使とドラゴンの隣に立っていた、騎士の鎧を身につけた人は「スイスでも、通常の番組はキャンセルされました。」「とても現実だとは思えない。」と言いました。
VRChatのヒント:トップ・エクスプローラーが推薦する5つの素晴らしいワールド
創造的で可能性のあるVRChatのコミュニティに興奮しながらも、何万もあるワールドのどこを訪れるか悩んでいる人にとって、Bradleeは最高のTwitterアカウントです。
「自分の探検をTwitterで共有することにしたのは、この世界をほかの人に見てもらいたい、そして、できれば訪れてほしい、もしくは探検してみたいと思ってもらいたいからです。」とBradleeさんは話してくれました。(VRC名:Bradlee101)
彼のTwitterは、VRChatの旅の写真でいっぱいです。Wagnerは、Bradleeさんにお勧めのワールドを5つ聞きました。VRChatで直接テレポートできるリンクと、このプラットフォームを探索するためのヒントも紹介しています。
The Abandoned City by Sournetic
「このワールドの作者は、ワールド制作とアニメーションに膨大な力をつぎ込みました。Questとの互換性もあり、誰もがこの素晴らしい世界を楽しむことができます。」
ORGANISM by DrMorro
「このマップの終わりは、異世界のような雰囲気で、それまでのストーリーを考えさせられました。本当に作者は、この世界の中にある色々なものについての物語を語ろうとしているように感じました。また友達を連れて行って、感想を聞いてみたいです。」Bradleeさんがツイートしたほかの写真
CN's Ballpit and Lo-Fi by cnlohr
「私が楽しんでいるワールドで、まだ行ったことない人を連れて行くのも好きな場所です。その名の通り、アバターと連動するボールピットなのですが、そこでふざけるのがとにかく楽しいんです。ボールの重力を調整したり、アバターとボールの発光を音楽と連動させるオーディオリンク機能もあります。バカバカしくて好きな世界です。」
A Promise In December by Apathy
「リラックスできる音楽とサウンドエフェクトが素敵な、とても平和なワールドです。ここに座って音楽を聴きながら、空から降ってくる雪の粒を眺めているだけで、いつも私は楽しめます。」
Climbing Trials - Rapunzel by Fionna
「私にとって、本当に楽しいクライミングマップです。時間をつぶしたいときによく行くワールドの1つです。また、クライミングのシステムで苦労している人たちを助けるのも好きです。この場所では、ほかの人を助けることで、本当に良い友達ができました。」
Bradleeさんは、時間をかけてVRChatのコミュニティラボ(VRCビューアのオプション)を見ることで、新しく面白そうなワールドを見つけているそうです。
詳しくは…
VRChat Tips: Five Amazing Worlds To Visit Recommended By A Top Explorer
メッシュ時代以前にバーチャルワールドを歩いていた素晴らしいアバター
New World Notes Classicsのアーカイブ(右下の欄)に最近追加されたのは、2007年のTasrill Sieyesさんへのインタビュー記事です。Tasrillさんは、デュシャンの「階段を降りる裸体」をSecond Lifeのアバターにすることについて話してくれました。
詳しくはここから。そして、この素晴らしいパワードスーツの作者へのインタビューもご覧ください。2012年頃にメッシュやメッシュで強化されたアバターが登場する前に制作されたこの作品は、Second Lifeアバターがいかに多様で革新的であったかを物語っています。
そのクリエイティブなコミュニティのほとんどは、超リアルな人間アバターの大規模なメッシュボディ・エコノミーによって影が薄くなってしまい、Linden Lab側が大規模なマーケティング活動を行わない限り、メッシュ以前のレベルでオリジナリティを取り戻す方法はないように思われます。表情をトラッキングする技術の登場が、その一助となるかもしれません。
詳しくは…
Monday Memory: Before Mesh, Amazing Avatars Walked The Virtual World
Second Life のコミュニティが作った列車システムは全長15マイル(24㎞)以上--この地図を持って乗りに行こう
この素晴らしい地図は、Rydia Lacombe さんが作成したSecond Lifeメインランドを横断する鉄道システムの路線図です。(高解像度版はここをクリック。マーケットプレイスで無料配布もされています。)この鉄道はユーザーコミュニティによって制作されており、路線図も2021年度版から更新されています。現実の多くの鉄道システムよりも長くて複雑に見えるでしょうか? そのとおりです。--Rydiaさんによれば、SLRRは、スコットランドの主要都市の鉄道よりも長い距離を走っているそうです。
この鉄道には、いつでも誰でも乗ることができます。--ただ列車を手に入れ(無料で手に入れられるものもあります)、それを線路にドラッグすれば、レールにピタッとくっつくので、すぐに出発できます。
「地図を描くのが好きなんです」と、Rydiaさんはにっこりしながら話します。「小学生のころは、普通じゃないと言われたこともありました。でも、それがいいのだと思います。」
そしてRydia さんには、もっと大きな動機もあります。
「Seceond Lifeのメインランドは、ゲーム界でも非常にユニークなプロジェクトで、プロモーションする価値があります。鉄道が移動のために使われなくなっても、メインランドの組織や地価などに影響を与え続けているのです。その点にも注目するべきでしょう。」
Rydia さんは、路線をあまり気にせずに、自分で自由に探検することを勧めています。また、Redditのスレッドに、より詳細なヒントを投稿しています。
最後に、Passengers of SLのグループを見つけて参加することをお勧めします。
Shopify、ミックスドリアリティやAIを活用したファッションを実験中
これは楽しくて印象的なデモです。オンラインEコマースサイトShopifyは、アパレルで使用するAI画像生成の試作を行っています (ツイートをしているRuss Maschmeyer さんは、テック企業のAR/VR部門のトップです)。
このデモは、Sergey Galkinさんとのコラボレーションで制作されたもので、GalkinさんのTwitterスレッドのなかにその制作方法が説明されています。「試作はSnapchat Lens Studioで作成し、Adobe After Effectsで後処理を行いました。画像はDalle2で生成されています。」
このデモンストレーションは現実世界の服のためのものですが、バーチャルワールドのアプリケーションとしても使えそうです(こんな変わったTシャツを、現実で買う人とアバターのアウトフィットとして買う人と、どちらが多いのかという話でもあります)。服のスタイルやフィット感、素材そのものを調整できるようになれば、次のステップに進むのは明らかでしょう。
詳しくは…
Watch: Shopify Experimenting With Mixed Reality, AI-Powered Fashion
Second Lifeの操り人形プロジェクトで遊ぶ方法 -- ハードコア向け!
Linden Lab は最近、ウェブカメラやモーションキャプチャ機器を通して Second Life のアバターをリアルタイムにコントロールすることを可能にする操り人形プロジェクトを発表しました。
このプロジェクトはまだアルファ版ですが、驚くなかれ筋金入りのSLユーザーたちは、すでにセットアップしているのです。その中にはJudas Shuffleさんも含まれています。彼は最近、自分でセットアップするための非常に詳細な手順をブログに投稿しました。クリックする前の注意として、これは、まだ未発表のプロジェクトに関するものであり、ある程度の技術的な知識(または非常に忍耐強いこと)が必要です -- 試す場合は、このページをよく読んでください。
「バーチャルワールドのなかで誰かに微笑みかけて、相手が微笑み返してくれたことが、とてもうれしい体験でした。」とJudasさんは説明します。「もしこれがうまく機能すれば、人々の距離を縮めることができるでしょう。」
最終バージョンは、できるだけ(接続すればすぐ使える)プラグアンドプレイであるべきですが「現在のリリースは、コーダーにそれで何ができるかを見てもらうためのものです。操り人形プロジェクトは、ノウハウさえあれば、何にでも接続できるということだと思います。」
そう、ウェブカムだけでなく、何にでもです。実際、JudasさんはSLユーザーのChaser ZaksさんがBlenderでPuppetry viewerを動かしている動画を送ってくれました。
そして、Second Lifeクリエイターのための主要な3DモデリングツールであるBlenderとすでに接続されているならば、どんなクレイジーなことが間もなく起こるか分かるでしょう。Blenderとの接続についてはこちらをご覧ください。
詳しくは…
How To Play With Second Life's Puppetry Project -- If You're Hardcore!
VRChat探検家が撮影した美しい世界 -- しかし、最も人気のある場所は、あなたを驚かせるかもしれません
Neomanceさんもまた、素晴らしいVRChatの探検家です。VRChatにあるたくさんのワールドを探索し、お気に入りの写真を撮っては、Twitterにキラキラした滝のように投稿しています。
最初は、様々な人たちと交流するためにVRChatを始めたNeomanceさんでした。しかし、ほかの多くの人たちとは異なり、この2年間、プラットフォームの探検を積極的に行ったり、ユーザーが制作したワールドを深く観察したりしながら、プロのように撮影することを学びました。(その結果、VRChatでの写真撮影の仕事をいくつか得ることもできたそうです。)
ここでは、Neomanceさんが撮影した最近のお気に入りの5つの世界を紹介します。ツイートには作者のクレジットと、自分で訪れるための情報が含まれています。
Abrepear
suishogu
Ecology
Forest Magic Shop
Floating Delight
VRChatを少しでも体験したことがあれば、とても人気があり、よく訪問されているワールドの多くが、必ずしも最も美しいとは限らないことにお気づきでしょう(その逆も然り)。実際、ここに挙げた5つのワールドの中で、一番人気のあるワールドは、あなたを驚かせるかもしれません。
「景観のよいワールドは、通常、リリースされて数日程度では、長くプレイヤーを引き留めることはできません。」と、Neomanceさんは教えてくれました。「そのリストの中で現在アクティブなプレイヤーがいる唯一のワールドはFloating Delight です。ここは休息と睡眠がテーマでQuestに対応しています。」
Wagnerも経験があると言いますが、VRChatのワールドには、現実で寝るためにログインしている人がたくさんいるのです。これらの静かで平和なワールド(よく、ワールドの説明に「Sleep」と書かれている場所)では、ボイスチャットで楽しそうにいびきをかいているのが聞こえます。
Neomanceさんは、バーチャルフォトを始めるにあたって、現実の訓練は一切受けず、試行錯誤を繰り返しながら独学で学んだといいます。そして、これからVRChatを始めるフォトグラファーへ、次のようにアドバイスをしています。
「ゼロから学ぶプロセスを楽しみましょう。魔法のようにすぐに上手くなっても面白くないですからね。」
すべての写真の著作権はNeomanceさんにあります。
Fortnite Creativeを通じて変身した人たちを描いたパワフルなYouTubeシリーズ
「Created in Fortnite」はEpic Gamesが配信する実に美しく感動的なYouTubeシリーズです。そこではFortnite Creativeのビルダーとなったことで人生を変えた多様な人々のミニドキュメンタリーが公開されています。上の動画は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの「I have a dream」演説へのトリビュートをFortniteで制作したGQuanoeさんを取り上げています。
EpicのGrace Lind Hubbellさんは、Victory Picturesと共同でこの作品を制作しましたが、彼女がこの世界に入ったのはTeen Second Lifeがきっかけです。彼女のアバター名はLucky Figtreeで、当時はGlobal KidsやRelay for LifeといったSLベースの体験に携わっていました。そして現在、彼女はEpic Gamesのために大規模な予算のプロダクションをリードしています。つまり、メタバースによって変貌を遂げた人々のドキュメンタリーシリーズが、メタバースによって変貌を遂げた人の助けを借りて語られているのです。
*YouTubeの自動翻訳機能で日本語字幕が設定できます。
詳しくは…
Watch: Powerful YouTube Series On People Transformed Through Fortnite Creative
Second Lifeの小さな宇宙空間でVFXを使わずに作られた驚くべき映像
新星クリエイターVrutegaさん(SLスポットライトのプロフィールはこちら)による、この短く実験的でありながら非常にクールなマシニマは、After Effectsやその他のポストプロダクションプラットフォームで作られたように見えますが、実はすべてSecond Lifeで収録されたものなのです。
「すべてインワールドで撮影しました」と彼は教えてくれました。「VFXは一切使用していません。インタラクティブなスカイボックスを使い、私が持っていたDarkStar Pocketのアイテムの色合いに合わせてWindLightを変更しました。」
オーディオ効果は後から追加されています。Vrutegaさんは、サウンドライブラリから様々なサウンドをレイヤーし、宇宙的な雰囲気を作り上げました。サウンドデザインにはAdobe Premiere ProとAdobe Auditionが使用されています。
Vrutegaさんは「ほとんどのマシニマメーカーはオーディオ効果を軽視していますが、私はオーディオ効果が実際のビジュアルと同じくらい重要だと考えています。」とコメントしています。
DarkStar Pocketについては、クリエイターのDeadBoyさんが詳しい情報を提供しています。
画像と動画の著作権はVrutegaさんにあります。
詳しくは…
This Amazing Machinima Of A Tiny Cosmic Void Was Made With No VFX -- Because You Can Actually Get A Tiny Cosmic Void In Second Life
ニール・スティーヴンスン、自らバーチャルワールドの「THEEE Metaverse」を制作中
ニール・スティーヴンスンが共同設立したMetaverse-as-a-Service(MaaS)の※スタートアップLamina1は、彼らが構築しているプラットフォームについて、より詳細なホワイトペーパーを公開しました--Discordに参加すると入手できます。
※Metaverse-as-a-Service(MaaS)とは、メタバースが作れるWEBサービスのこと
核となる発表は、ニール・スティーヴンスン自身が仮想世界を作っているということです。
メタバースが、90年代の小説『スノウ・クラッシュ』に登場する架空の構想に過ぎないと思っていた人は驚くかもしれませんが、ニール・スティーヴンスンの、その後の著書やキャリアは、ずっとそこで積み上げられていたのです。先日のロングインタビューで、彼の小説がLamina1にどのような影響を与えたかを尋ねたとき、彼はこう話してくれました。
「『スノウ・クラッシュ』を書いた後、この本を読んだテック業界の人たちと知り合いになり、『Habitat』のようなプロジェクトに取り組んでいました。そこで彼らは、自分のコンピューターを乗っ取られないようにするにはどうすればいいかという問題に関心を持ち、そのような制御された実行環境を作る方法として暗号化ソリューションに注目し始めたんです。」
Lumina1のホワイトペーパーでは、Web3の技術(ブロックチェーン、暗号など)とどのように統合するかを深く掘り下げています。仮想世界/メタバース開発者向けに、Lamina1が準備中の技術を簡単に紹介します。
クラウドとハイブリッドのレンダリングサービス
ローカルデバイスの処理能力に依存することなく、フォトリアリスティックなシーンを提供するピクセルストリーミングによるクラウドレンダリング
UnityとUnrealのSDK
ゲーム、没入型世界、デジタルツイン、シミュレーション、その他のコンテンツにLamina1を簡単に統合するため、機能豊富なソフトウェア開発キット(SDK)を作成
開発者以外に向けた、簡単な制作ツール
コードの知識が必要なく、カジュアルでセレンディピティな交流を促進する制作ツール
ブラウザベースのオプション
ブロックチェーンのUXを押し進めるブラウザとウォレットの技術を装備していく。アバター、オブジェクト、シーンの3Dコンテンツをウォレットで直接レンダリングすること(静止画や動画のサムネイルだけでなく)ができるようになる。
詳しくは…
BREAKING: Neal Stephenson Himself Is Making His Own Virtual World Called... THEE Metaverse
NWNのWagnerが、ニール・スティーヴンスンにインタビューをしました。
「ニール・スティーヴンスン、Lamina1でメタバースを作る:『スノウ・クラッシュ』『クリプトノミコン』の著者が語る、今がビジョンを実現するための時である理由」
Neal Stephenson On Making The Metaverse With Lamina1: The Snow Crash / Cryptonomicon Author Tells Me Why The Time Is Now To Make His Vision Real
Wall Street JournalがSecond Lifeに関する4部構成のポッドキャストシリーズを開始!
Wall Street JournalがSecond Lifeの創設についてポッドキャストで放送しています。
Spotifyのストリーミング、またはWSJのページではポッドキャストを聴くこととパート1の文字起こしを読むことができます。また、Apple Podcastsでも聴くことができます。
詳しくは…
Listen: Wall Street Journal Launches Epic Four Part Series On Second Life!
来月のおすすめバーチャルワールドニュースもお楽しみに!
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