カラン Stage7 Lesson108

おっと! いつの間にか落ちて3週間ほど経ってるorz
やるやる詐欺を平にお詫び m(_ _;)m
「108」煩悩を突破して先に進もう!

この課では、(A)副詞hardly(B)時・条件を表す副詞節では未来形でなく現在形を用いること、(C)接続詞unless、をメインに学びます。


●1)副詞hardly とhard の違い。

テキストで出てくる例文は「He works hard.」「He hardly works.」で、この意味の違いは問題ないと思います。

前者が「一生懸命に(働く)」、後者は「ほとんど(働か)ない」ですね。

これは良いのですが、「どうしてこうなった?」という点と、「hardly の文中での位置」については探究が必要です。

★まず、「どうしてこうなった?」ですが、

hard(形容詞)=① 硬い、難しい(ex. hard metal / It's hard to do ~)
       =② 一生懸命な(ex. a hard worker)

というように大雑把に分けて考えてみます。(辞書を見ると、他にも細かい意味がたくさんあるのですが、いずれも上の2つの意味からの派生として解決できそうでした。)

で、これの副詞が歴史的変遷のなかで分化していき、

① 硬い、難しい の副詞=「硬く(~する)」は意味としておかしいのでこの副詞は無しとして、「難しく」➡「ほとんど~ない」と否定的意味が強められた語として「hardly」
② 一生懸命な  の副詞=「一生懸命に」、こちらを形容詞と同じ語のままでhard が受け持つ

言語学的に言えば「弁別」を容易にするために、わざわざ狭い意味を割り当てられた語が誕生、といった感じでしょうか。

調べてみると、19世紀まではhardly も②の副詞として使われていたらしいのですが、その後は分化したようです。

※この点について、野原氏という方の「副詞の歴史的変遷」なる学術論文風PDFを発見して閲覧した次第ですが、検索結果データには雑誌名や年代などが欠落しており不明です。なので「確定情報」として断言できないもどかしさが残っておりますが、他のソースでも同様の認識がありましたの確度は高いはずです。


★そして、この弁別は語の後ろに「-ly」が付くだけでなく、文中の位置でも違いを見せます。

hardly は(否定的に)修飾する語の直前に来ます。

そしてこれは、似たような語barely とscarcely とも同じです。以下も一緒に憶えておきましょう。

SYNONYM STUDY FOR HARDLY
1. Hardly, barely, scarcely imply a narrow margin by which performance was, is, or will be achieved. Hardly, though often interchangeable with scarcely and barely, usually emphasizes the idea of the difficulty involved: We could hardly endure the winter. Barely emphasizes the narrowness of the margin of safety, “only just and no more”: We barely succeeded. Scarcely implies a very narrow margin, below satisfactory performance: He can scarcely read.

簡単に言えば、barely は「なんとか~できた」等とポジティブな意味合いを持ち得るのに対し、hardly は「非常に困難」とネガティブ、scarcely はさらに余裕がなく、程度が低いといった意味合いで使われます。

◇◇◇

…と、ここまで説明してきて、卓袱台返しの大ドンデン表現が一つあります。映画のタイトルにもなってる「Die Hard」ですね。「一生懸命、死ぬ」ではありません(爆笑)。「なかなか死なない(奴)」ですね。

語の順番としても、「Hardly Die」ないし「(A man who) hardly dies.」てな感じになるはずが、これも無視。困った人です!


困ったさんついでに、受験英語で「あ~、やったなぁ!」という表現も思い出しておきましょう。

hardly ... when [before] ~「~するかしないうちに」(←「ほとんど~し終わらないうちに、~した」が直訳的)

上のDictionary.comさんには「We had hardly reached the lake when it started raining.」とあります。Hardly~ と文を開始したら倒置形になります。実際に手で書いて、記憶を呼び覚ましましょう!!


●2)時・条件を表す副詞節では未来形でなく現在形を用いる

これも受験英語では出てくるところですね。正確に言えば、「時・条件を表す副詞節で未来のことを想定して言う時には、未来形でなく現在形を用いる」なのですが、長いな~!!

で、これも「なんでやねん?」て疑問になりますよね。ググると面白い記事がいくつか出てきますが、私は以下が示唆的だと思いました。


なんとなくフランス語の「接続法」に近いな、と思っていたところです。英語だと、このような想像上の話には「should + 原形」➡省略で原形だけになる、というパターンがあり、今回はその原形の部分が現在形に移行したのでは…と推測します。

ただし、諸説あるようですので、反論がありましたら是非お願いします♪


●3)小ネタ。

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著者は「英会話教授法のプロ」ではありません。しかし日本の大学院+カナダUBC院修了に加え、ビジネスでの英語活用経験も豊富です。旅行雑誌編集者や再生可能エネルギー調査(ケニア他)。TOEIC(L/R)一発受験で960点(2015)。 2017年から約3年間、某オンライン英会話サービスにて営業+技術部門マネージャとして勤務し、学校でのカラン導入多数。学校での英会話教育にも問題意識を持って執筆していきます。 2021年4月、約700レッスンの後にStage12修了!

ロンドン発の英会話教授法「Callan Method」を中心に、”英語で英語を教わる”ダイレクトメソッドの攻略法を綴ります。 関係各社の著…

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