『ご自宅寄席』応援アイテムSTICKIT導入のお知らせ

 『ご自宅寄席』主催者でございます。

 突然のお知らせになってしまい恐縮ですが、次回『ご自宅寄席』の桂宮治様の独演会で“『ご自宅寄席』応援アイテムSTICKIT”を販売させていただきます。
 ZAIKO独自の機能“STICKIT”はカスタマイズ式のデジタルスタンプで、配信中に応援アイテムとして使用することができます。通常の木戸銭+投げ銭を各会の演者様へのご出演料としてお渡しし、“STICKIT”の売り上げを私がこの企画を少しでも長く続けるための報酬として、そして宣伝ビジュアルをご担当くださった新宅和音様への謝礼として頂戴します。
 当初はこのシステムを利用するつもりはなかったのですが、私も全くの無収入となると体も心も持たないので、宮治様ご本人に許可をいただいた上で販売いたします。
 複雑で迂遠な収益方法となってしまい、かえって混乱を招いてしまうかもしれませんが、要はこの世に存在するかどうかわからない「『ご自宅寄席』を支援したい」というお客様にお買い求めいただければと考えております。

 果たしてそこまでする必要があるのか、ご出演者と話し合った上で通常の収益から妥当な金額を貰えば良いのではないかと関係者も含めて何度も話し合いましたが、ごく一部のお客様から(☆大多数のお客様は本当に! 本当に!! 本当に!!! あたたかく!!!! 優しく!!!!! 励ましのお言葉をくださる方々ばかりなので野暮な詮索はしないでくださいね!!!!!! 絶対ですよ☆)「利益配分はどうなっているのか」と詰問された際に足が竦んでしまいました。
 私は現在耐え忍んでいる様々なお席亭さんのように実績があるわけでもなく、ライターとして輝かしい歴史を持っているわけでもありません。この極限の状況でどこの馬の骨ともわからない人間が唐突に「無観客配信演芸会の主催者です」と名乗り始めたことを訝しむのも、ご自身がお支払いになったお金がどれほどご贔屓に渡るのか不安に思われるのも至極当然です。
 ですが、なんと言いますか、あえて例えるならば、仮に私が喫茶店の店員だったとして、ブレンドを注文した全く初対面のお客様に「これ1杯の原価はいくらで、あなたにはどれくらいの儲けがあるのですか?」と訊ねられるような、そういう種類の困惑がありました。そこには混じり気のない真水のような疑念しか存在しないことは頭では理解できていても、感情の歩幅が揃いませんでした。“STICKIT”の導入に至ったのにはそういう経緯があります。

 あまりネガティブなことを申し上げるとお客様やご出演者にご迷惑をおかけしてしまうので本心を明らかにするのを躊躇していたのですが、有難いことに『ご自宅寄席』をきっかけに「自分もやりたい」と申し出た方が複数いるという話を耳にしたため(本当かな……)、長い目で見ればこの選択が正しいのかもしれないと思い立ち、こうしてつらつら書き連ねるまでに至りました。
 私の観測範囲だけでも、今この瞬間にも数多のイベントスペースが来たる配信戦国時代に備えて相応の機材と人材を急ピッチで確保しています。これから様々な方々が配信に挑む未来が予想されますが、一歩外に出るだけで我が身を危険に晒すこの最中に「自分がやります!」と手を挙げる方々に悪人なんていないと思っています。

 ですので、例え食いしばる歯がぼろぼろになっても、光芒すら届かないほどの闇の中で瞠目していたとしても、もう少しだけ“見知らぬ誰か”のことを信じていただけませんか? 私たちは大丈夫です。文化に携わる人と場所を守るためならいくらでも動きます。これを機に演芸を1人でも多くの方に知っていただけるならなんでもやります。心細くならなくて大丈夫です。

 最後に、こんな記事を書いておいて辻褄が合わないかもしれませんが、なるべく通常の木戸銭や投げ銭にお金使ってください!!!!!! 『ご自宅寄席』開催に際してお声がけさせていただいたご出演者は、自粛なんてさておいて私がどうしても聴きたかった演者さんばかりです!!!!!!! 不躾で非礼極まりないお願いをご快諾してくださった聖人君子のような方々です!!!!!!!! 私のことは二の次三の次四の次で構いませんので何は無くとも皆さんを!!!!!!!!! “STICKIT”の購入は「うんこ召し上がれ」くらいの感覚でいいので、はい!!!!!!!!!!

 おやすみなさい(あとnoteの各記事でも投げ銭を受け付けております)。


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