見出し画像

絵のはなし

小学生のとき、図工の授業で木の絵を描くことになった

たしか『木とわたしたち』的なお題で、緑化活動ポスターを描きましょう!みたいな感じだった

学校の敷地内にあるお好きな木を写生しましょう!

…そう聞いた瞬間にわたしはもう、どの木を描こうか決めていた

モミの木です

細かい葉っぱは細筆を根本から押し当てて表現してみよう
そのモミの木の周りに、世界各国の子どもたちが手を繋いで輪になってる感じで描こう

…描く前から完成図(理想)は固まっておりました

実際やってみるとめちゃくちゃめんどくさい
そして全然うまくできない

理想のビジョンに対して、自分の技術が全く追い付いていなかったのです

『…筆が良くない』

とりあえず筆のせいにしてみた
あの時の筆さん、ごめんなさい

ここから別の木に描き直して軌道修正をはかるのも難しそうだったので、とりあえずそのまま進めることにして、一旦、『木とわたしたち』の『わたしたち』の部分に取り掛かろうと思った

人々を描くのめんどくせえ〜
輪になってる人々を平面にどうやって描けばいいんだろう

…また難関にぶち当たり、だいぶ中途半端な状態でその日の図工の時間は終わった

次の図工の時間

わたしは自分の絵を見て愕然とした

まだ何も描いていない紙の余白部分、余白というか残りの人々をこれから描こうと思ってた部分、そこになんと、勝手に謎の小さな木が描き足されていた

しかも絵の具で

消せない

しかも絶妙な位置

え…まじでなに

それは図工の先生のしわざ(?)だった

他にも何人か、描き足されてる子がいた

普通生徒の作品に、勝手に描き足します?
しかも消せない絵の具で…
100歩譲って鉛筆ならわかる

その瞬間、わたしのこの絵に対する情熱とモチベーションは一気に下がった

絶妙すぎる場所に消せない微妙な絵を描きたしやがって…なんの意図があってこんなことを…(チッ

いろいろ考えてその小さな木の下に植木鉢を描いて、適当にお水をあげてる女の子を描いといた

それを見た先生にはなんか知らんけど怒られた

アドバイスとして描き足したんだったらどういう意図があったか言え

エスパーじゃないんだから知らんがな

小学4年生のわたしには難解すぎてよくわからなかったので無視した

やる気もなくなりつつやっとこさ完成した絵

情熱も何もなく、ただ完成させなきゃいけなかったから、適当に仕上げた絵

その絵は県の緑化コンクールで入賞した

どなたかあの時なんで図工の先生がキレてたかわかる方いませんか


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?