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一時帰国時のマンスリーマンション利用

在外邦人の悩み、一時帰国時の滞在場所。
インバウンドの急増でホテルも民泊も値段がものすごく上がっているので、今度の一時帰国はいわゆるマンスリーマンションを契約しました。実は2018年にも利用を検討したことがあるのですが、その当時は審査手続きや鍵の受け渡しに来社が必要等、海外から抑えるには色々制約があり断念。ただ2024年の今回は在外邦人でも各段に契約しやすくなっていた他、物件の幅も大きく広がっていました。
と言うことで今回は納得感をもって契約できたので、マンスリーマンションとは?という点とその特徴をシェアしたいと思います。
(注:まだ滞在していません。今後滞在したらまた別記事にしようと思います)


そもそもマンスリーマンションとは?

マンスリーマンション、あるいはウィークリーマンションは、「中長期で宿泊を提供する」というホテル業と賃貸業の隙間産業です。この中長期での宿泊というのは現実的には複数の事業形態があり、事業会社がどの事業形態を取るかによって、建物の種類も監督省庁も遵守する法律も異なり、ビジネスモデルが根本的に異なります(参考:日本マンスリーマンション協会「マンスリーマンションについて」)。
大体の事業会社が次の2つの形態を取っています。

 ① 賃貸業において賃貸借契約を締結し部屋を提供している形態
 ② 旅館業にて利用者を宿泊させて部屋を提供している形態

在外邦人にとって馴染みのある「民泊」は、上記2形態には当てはまらず、また異なる第三の事業形態です。

 ③ 住宅宿泊事業にて利用者を宿泊させて部屋を提供している形態(いわゆる「民泊」)

先述のとおり①は契約などで制約があり、これまで一時帰国の在外邦人がお世話になるのは、現実的には②のタイプ、つまりホテルが提供する中長期の滞在プラン(ホテルの中長期滞在プランや東急ステイなど中期滞在向けブランド)か、③のタイプ、つまり民泊が中心でした。ただし、②は基本的にホテルや旅館のため、キッチンがない又は小さい、部屋が狭いなど、長期滞在には不便もある。価格も長期滞在だと高額になりがち。また③は、個人オーナーの場合の信頼性、自治体によっては連泊数の上限という課題もありました。ところが、コロナ禍を経て、あるいはインバウンド需要の取り込みもあり、①の事業モデルが拡張した結果、一時帰国者(在外邦人)でも使いやすくなってきたのかなと思います。
というわけで今回は①のタイプを契約しまして、この記事が対象としているのは①です。

マンスリーマンションに向いている人

次項で詳しく書きますが、①のタイプのマンスリーマンションには先述した事業形態の性質上、②や③にはない制約やデメリットもあります。このため、万人に合うわけではありません。向いているのは概ね下記の条件に当てはまる人です。

・同じ場所への滞在が概ね1ヶ月以上
・申し込み時点で日程が固まっており、日程変更の可能性が少ない
・ある程度土地勘があり周辺環境が想像できる
・物件情報から物件の状況を推測できる
・日本語でのやりとり、書類手続きに抵抗がない
・ある程度宿泊先の確保を待つことができる(物件数が豊富になるのは1ヶ月半前~)

これらに当てはまる場合には、①のタイプを是非検討されると良いかと思います。それ以外であれば、残念ながら現状はやはりまだまだ②③タイプが現実的な状況です。

マンスリーマンションの特徴

向いている方の裏返しですが、下記のような特徴があります。

(1) 滞在が短いと初期費用等の関係で殆ど価格優位性なし
(2) 予約変更の柔軟性がない
(3) 物件情報から物件の状況を推測する必要あり
(4) 基本問い合わせ対応
(5) 部屋探し時期は1ヶ月半前~

順に取り上げます。

(1) 滞在が短いと初期費用等の関係で殆ど価格優位性なし

基本的に中長期の契約を想定しているため、家賃相当額の他に初期費用として事務手数料や清掃費用等がかかるケースが殆どです。このため、滞在期間が短い場合には、諸費用を全て足して日割りで計算してみると意外と高くつくということもあるので、総額での計算が必須。
個人的な目安としては、1ヶ月~からだとかなり価格的に優位、2週間程度であれば細かく比較検討が必要という印象でした。

なおマンスリーマンションと言いつつ、物件の空き状況次第では大体のところは端数日も含めて契約できますので、契約が1ヶ月単位ということではありません。

(2) 予約変更やキャンセルの柔軟性がない

①の特徴は定期賃借契約を締結すること。このため、契約後に入退去日を変更したり、契約をキャンセルする場合の柔軟性がないケースが殆どです。解約料金は各社違うので、契約書の規定を確認する必要がありますが、キャンセルフリーのケースはほぼありませんので、柔軟な日程変更・解約を希望する場合には避けた方が無難です。

(3) 物件情報から物件の状況を推測する必要あり

最大の難点が、物件(部屋)ごとのユーザーの口コミを見ることができないこと。なので実際に暮らしてみてどうなのか、よくわかりません。

一定水準の設備や立地が担保されるホテルや旅館などと異なり、マンスリーマンションは企業の新規採用研修や単身赴任といったビジネス用途や、住宅改装時の仮住まいといった用途の他、通常の賃貸市場では住宅が借りられない方なども含め、様々な人々が様々な用途で利用します。このため、物件もターゲットやニーズに応じて様々、ピンキリ。物件によって滞在の快適性が決まるにも関わらず、賃貸契約という性質上入居してみて「やっぱりやめた」が殆ど不可能なため、寝られれば良いというケースはさておき、事前に個人で確認する必要があります。

まず判断の基準になるのは物件の情報。
賃貸契約という事業形態上、物件情報は細かく公開されていることが多いです。例えば繁華街なのか住宅エリアなのかといった周辺環境・近隣施設だけでなく、オフィスビルなのか住宅なのか、木造・軽量鉄骨等の建物構造、築年数やリフォーム状況、日当たり等。備品も要確認。日本で家探しをしたことがある方なら問題ないと思いますが、内見ができない分想像力が試されます(動画で内見ができる事業者もあります)。

写真は参考にはなりますが、いかようにもできますし、いつ時点の写真かもわからないので、写真だけで判断は危険。

もう1つ注意すべき点が運営会社です。
中には信頼性が判断できない企業もあります。マンスリーマンションでよくあるのは清掃が足りていないというトラブルなので、経営している事業会社に加え、運営状況は要確認。

(4) 基本問い合わせ対応

定期賃借契約を締結することもあり、ホテルや民泊のようにプラットフォームから予約して終わり、あとは当日、ではなく、物件もWebでフォームがあっても基本的には問い合わせ、回答を得て双方条件を確認後、契約締結、というステップを踏みます。必要提出書類もありますし、申込みから審査完了までタイムラグもあります。この手間を払える人向け。

ただし、契約は完全オンライン可、鍵の受け渡しも非対面が増えているので、問い合わせ対応さえ手間でなければ、在外邦人にもずいぶん門戸は開かれた感じがします(条件は各社違うので要確認)。

(5) 部屋探し時期は1ヶ月半前~

空き部屋は入居予定日の約1ヶ月半前~が一般的とのことで、その前に探すと物件数は多くなく、また受付をしていないこともありました。
私個人は事情があり早めに確定したかったことから、一時帰国4ヶ月前に物件探しを開始しましたが、当初コンタクトした2社には最低3ヶ月前でないと契約できないと言われ再仕切り直しで3ヶ月前に探し、その際に提案を受けた物件で契約しました。たまたま気に入る物件がありましたが、物件数が多いとは言えない状況でしたし、ネットで目星をつけていた物件はまだ案内可能時期前と言われました。というわけで3ヶ月前でも契約できないわけではありませんでしたが、キャンペーン料金の適用なども約1ヶ月半前~が一般的なので、その頃に探した方が候補が多いのだろうと思います。(今後帰国日程が近くなってきたら後学のために検索してみようと思っています)

以上、一時帰国時のマンスリーマンションの利用についてでした。仕方がないとはいえまだまだ在外からでは使いにくい面もあるので、今後もっと使いやすくなって欲しいものです。

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続き部分に実際に検討・コンタクトした企業について、それぞれの良かった点・悪かった点、実際にコンタクトした企業については個人の印象を書いておきます。なるべく客観的に書きましたが、私個人の感想ですし、フルオープンにして営業妨害ないしPRをしたいわけではないので、一応有料記事にします。

※滞在先は東京です。
※金銭を受け取ったPR記事ではありません。

記載:Sumyca、メトロレジデンス社、Unito、Hmlet、アットイン、ユニオンマンスリー

検討したマンスリーマンション事業者

6社比較検討し、うち3社にコンタクトしました。先にコンタクトをした3社(うち1社と契約)、検討した3社の順に記載します。

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