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ゼアス!ゼアス!異色のウルトラ四半世紀

今年はウルトラマンシリーズ生誕55周年並びにティガ、ダイナ、ガイアから連なる平成ウルトラ3部作が25周年の節目を迎える記念すべき年。平成ウルトラに至っては放映当時未就学児の自分。毎週土曜日の夕方、固唾を呑んでウルトラマンを応援していた時代から四半世紀の時が経過するのをしみじみ感じてしまうこの頃…。
そんなティガが始まる直前に一人のウルトラヒーローが登場したのです。
その名もウルトラマンゼアス!
個人的には、ビデオや絵本でその活躍に親しんだ思い入れ深きウルトラマン。ウルトラヒーロー史上後ろから沿ったトサカ、顔まで全身真っ赤なボディが斬新なスタイルでありますが、元は出光興産とのタイアップで生み出されたヒーロー。テレビではゼアスが登場するCMが流れたり、ガソリンスタンド前を通るればゼアスが写し出された広告が掲げられたりと宣伝面でも精力的に活躍していたのです。

というわけで本題へ…

去る9月25日、京都みなみ会館にて超大怪獣大特撮大全集上映会へ。
毎月特撮映画の名作を大スクリーンで鑑賞する夢のようなイベントが贈る、今回のラインナップは…「ウルトラマンゼアス」の1作目と「新世紀劇場版ウルトラマン伝説」「新世紀2003ウルトラマン伝説」のバラエティー色満載のウルトラ3本立て!

本編前にウルトラシリーズ55周年PVや円谷イマジネーションのCMなどテレビやイベントで見かける宣伝ムービーを12分程上映。
本格的に海外進出をした円谷プロの今後のメディア展開に期待です…!


『新世紀劇場版ウルトラマン伝説』

ウルトラ28大ヒーローが大集結!
ウルトラマン大好き親子のボクとパパ(明らかにコウダ隊員!)がブラウン管を越えてウルトラの世界へ大冒険。
冒頭からProject DMM.の「空想少年」と主題歌メドレーに乗せて、歴代ウルトラヒーローの激闘名場面の数々が画面を飾るが、デジタル化が定着した今に見返すとノイズの荒いリマスター前の画質が更に懐かしさ引き立たせていて、再放送や総集編ビデオをかじりついて見ていた頃の記憶まで沸々と甦ってくる…!(怪獣のチョイスもなかなかのマイナーで、実際当時この映画でザラガスやシグナリオンを知った身です…。)
本作の目玉と言えるウルトラマンエクササイズは一見してシュールだが、ヒーローが並び立つ光景は壮観で、リズムに合わせて体を踊らせるウルトラマンというのも不思議と魅了される。
振り付けにスペシウム光線やバルタン星人のハサミ等が象られていてかなり工夫が凝らされているのも面白い。


『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』

上記前作に続く2作目は、ダンスを全面に推したザ・エンターテイメントムービー。伝説の戦士ウルトラマンキング30万歳の生誕を祝福すべく、ヒーローと怪獣がレッツダンスバトル!
轟くDJサウンドにミラーボールで照らされたステージの下で繰り広げるダンス衣装を纏ったウルトラマンや宇宙人のキレッキレなヒップホップダンスは圧巻で、まるで映画鑑賞というよりもある種のパフォーマンスショーを見ているようなライブ感が漂う。
パーティーに集まった怪獣たちの群衆も盛りだくさんで、中でもベムラーは本作で絵コンテとして参加している なかの★陽さんがスーツアクターを担当されたとか!?(実際エンドロールのテロップで絶叫していた若者(?)がおられた…。)

踊りと大集合で満ち溢れたウルトラマン伝説2作品。
いずれも劇場版コスモスと併映のロードショー以来の鑑賞だったが、まさか令和の世でしかも当時のプリントでウルトラマンエクササイズを再び見る日が訪れようとは思いもよらなかったな…!(汗)

『ウルトラマンゼアス』

初の劇場オリジナルにして平成3部作の橋渡しとしての礎を築いた歴史的ウルトラ映画。
各地で相次ぐ金塊消失事件。それは全ての美しいものを奪おうと企むベンゼン星人の仕業だった。対するは地球をキレイにする為にZ95星より派遣されたウルトラマンゼアス。地球では朝日勝人として日々修行に励んでいるが、新米ヒーロー&見習い店員兼隊員がゆえにドジを踏み倒し隊長2人にいびられてばかり…。果たしてそんな彼に地球を救えるのか…!?

…というウルトラ史上一線を画した本作は、全編通してコメディ路線を突っ走らせており、コント感全開のとんねるずの芝居も相まって、これでもかと遊び心が際立っている…。
肝心の主役ウルトラマンは修行中の身で極度の潔癖症を患っている上、変身アイテムが電動歯ブラシである斬新な設定に当時としてはかなりナンセンスなヒーロー像ではなかっただろうかとつくづく思う。(しかしながら変身シーンは印象的で、幼少時代に洗面所で歯ブラシを構えてはゼアスの変身ポーズを真似ておりました…。)

落ちこぼれだけど、失敗を重ねながら愛する人の支えもあって、敵にも負けず汚れにも負けず、恐れていた潔癖症をも乗り越えて一人前のウルトラ戦士へと成長するゼアスの奮闘は笑いと共に心を熱くさせてくる。
テレビでティガが活躍している裏で、スクリーンから明るく勇気を与えてくれた赤い勇姿のカッコ良さは四半世紀を経ても変わらない…!

25周年おめでとう、ウルトラマンゼアス!💫


そんなこんなでウルトラ楽しく盛り上がった超大怪獣上映会。
次回は初登場「ミカドロイド」、東宝変身人間シリーズ第3作「電送人間」の太平洋戦争の惨劇で産み出された兵器人間怒涛の2本立て!
秋風に乗って、ジンラ號と中丸須藤兵長がみなみ会館のスクリーンに襲来!✨
更に1日目は「ミカドロイド」の監督であり、G3ガメラ等数々のクリーチャーを手掛けた造形家、原口智生さんによるリモートトークショーを開催。ジンラ號誕生秘話が実に楽しみです…!


おまけ
「スペシュシュラ光線の発射はご遠慮ください」

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