見出し画像

人間に話しかけてみた

カフェインが足りなくなったので、観測所からコンビニに行きつつ、人間と対話を試みました。

私の家は玄関を開けた瞬間から目の前に首都高速道路がそびえるのですが、この景色のためだけにここに部屋を借りています。人間の作ったもののなかで、首都高速道路は9番目に好きです。

廊下から見える首都高 1968年撮影 ISO800

首都高の横を並走してすぐコンビニがあるのでとても助かります。

1人目 コンビニの人

レジに行くとマスクをした店員がいました。
空気からして、いかにも私はお金のためにここに立っているのですという考えがわかり、もはや口を開くことにも1銭の価値を欲していそうでしたので、ジェスチャーをつかって
「袋はすでに持っていますよ、そして箸は二膳必要ですよ」
と言いました。そして無事にモンエナ5本を購入するに至ります。
結局箸はもらえませんでした。私はくしゃくしゃの使用済みレジ袋を握ってピースをしたと思われたようです。SDGsと平和を表明できてうれしいです。

2人目 青果店の人

この街は首都高の真横に野ざらしの漬物が置いてあるような八百屋がある、そういう街です。
明治維新の頃、この地域は大砲を製造するための造兵廠があり、仕事が変われば住む場所も変わるということで、畑の形状をそのままに人間が街を同心円状に膨らませ続け、結果自転車しか通れないような曲がりくねった一方通行の量産につながったわけですが、その道の片隅に、緑のたぬき100円の八百屋があるのです。
とはいうものの、私も初めて入った道でしたので、ここにそんな店があるとは思いませんでした。店主さんが居たので
「ここはPayPayつかえますか?」
と尋ねると、手を振られて「むりよ」と回答がありました。
私は「またきます」と言った後に、何を売っているのか眺め店を2周したのち、帰路につきました。ぽたぽた焼きと餅だけの棚があり、良いなあと思いました。

3人目 区の人

家に帰ると廊下の開かずの扉の前で四苦八苦している人が居ました。
「そこになにがあるのですか?」
と尋ねると、
「ここはガスメータがあります」
と返されました。

(ゆ~びん局でガス代金を払う時代は、催促状のバーコードにPayPayが対応して終焉しました。なぜなら郵便局でガス代金を払うような人間は、郵便局に行かずに済むなら絶対に行かないような人間ですからね)

ついで
「なにをしているのですか?」
と尋ねると、
「電気が止まっていたので、住んでいるかどうかの確認です。ノーザンメトロポリス区の者です」
と返されました。突然自己紹介されたので、私も「ここに住んでいる者です」と自己紹介しました。今日始めて自分のことを話した気がします。
お仕事、おつかれさまです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?