架空惑星から見える太陽面通過を再現してみる
(この記事は2023年の別ブログからの転用です)
この記事は「架空惑星 Advent Calendar 2023」の1日目です。
そんなものないですけどね。
まずは自作の天体のデータベースから数値を拝借。
星系のデータ
こちらが私の創作している星系、VN 2122星系です。
21年2月2日に軌道を計算したので、VN(void_nemo)の2122。
アルファベットは実際のIAUの命名法通りです。
そういえば、もし恒星間航行によって駅のようなものが系外惑星に現れた場合、その場所の名前は「恒星名 + "星系"」だとわかりにくく、ちゃんと人が到達する惑星の名前が使われると思うんですよね、でも従来の語と混ざってはいけないので単に恒星の名前を書き換えるだけではだめなので、「惑星名 + ”周回星系”」でどうでしょう。
でもまあ東京駅が新宿に無いのに東京駅なのだから別にいいのか。
恒星名を記号ではなく早く固有名詞らしい名前にするべきですね。
ちなみにメインはVN 2122bという地球型惑星の創作です。
計算
では白露からみて内惑星aと恒星VN2122の見かけを計算します。
しました
白露の公転軌道の傾斜は0.011度で、aの傾斜は3.59度。今回はほぼ中心で太陽と交差するシーンを撮影するため、そのまま合計し3.579度とします。
こうした数値はランダムではなく簡単な物理演算を使っています。
三体で安定した軌道を作れるほど知識がないので(もしできる方がいたらご依頼したいです)、恒星と惑星のみの計算をそれぞれの惑星で行い、過度にそれぞれの惑星が干渉しないで安定する位置をさぐりました。
特定の日の計算、つまり食が起こる日付を見る場合は起点の位置を決めている必要がありますが、ちょっと計算コストがかかるので、単に2つが食をするタイミングを逆算しています。
AftereffectsでCGを作る。
恒星の表面可視光データはすでにありますのでそれを流用します。
aが52.0446個分、つまり191,222km進むのにかかる時間は、速度が126,666km/hなので1.5時間、1.5時間でVN2122は0.5度回転します。
これらの情報をAftereffects上で再現します。
こういう時AEのエクスプレッションであれば数値をそのまま計算して動いてくれて楽です(例えば”サイズ”にn/52.0446と書けばもう反映してくれますからね)。
白露は大気の厚みが地球の1.数倍ありますので大気による歪み、光量の変化を与え、恒星のマッピングは恒星の回転に合わせて動いています(GIFのループ時に少しわかりやすいかもしれません)
このポストエフェクトを作る段階が一番楽しいです。映像制作でも同じくです。
あとがき
架空世界創作というのは、インプットや内部処理が圧倒的な量なのに対し、表に出る作品としての密度は皆無に等しい創作形態です。
そこで試しにたった一つのGIFループの出力までに行った工程をまとめてみました。
ジェネレティブでもそうなんですが、アウトプットが例えば1pxのドットだったとしても、その間にある工程の面白さに感化されている人は多くいて、そういう人たちは潜在的にあちこちにアップされたあらゆる媒体の作者として居るような気がしています。
そんな方たちといつか巡り会えることを信じて、私一人でのこのアドカレ企画を始動、終了したいと思います。
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