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光さす未来へ

日本時間にして2022年9月29日の午前6時頃、ジャニーズJr.情報局からTravis Japanの全世界メジャーデビュー決定に関する報告メールが届いた。第一報を受けてから数日、何度も何度も反芻しては自分の心の中にある思いの手触りを確認して、新たに出てくる情報や本人たちの言葉を噛みしめてはじわじわと実感が強まるような、友達と話すごとに嬉しさが込み上げてきて泣いてしまうような、そんな感覚でいる。

私がTravis Japanの担当になる前にJr.担だったのは前の担当のJr.時代で、彼の最初のデビューを以てJr.担を卒業した。その頃私はまだ子供だったけれど、当時はユニットは流動的で解体・選抜も当たり前だったこともあり(そして自担は最初選抜でデビューをしたこともあり)、子供ながらにJr.を担当することに対して「楽しいだけじゃない」という感情を抱いていた。だから、Travis Japanに出会い、急速に彼らの魅力に惹かれていった2019年1月、Travis Japanと七五三掛龍也くんが好きで好きでたまらない、という思いを抱えながらも、自分がJr.担としてやっていけるのかどうか分からず、暫くの間葛藤していた。そして、それから約3ヶ月後、七五三掛担になりたい、トラジャ担になりたい、という気持ちが抑えきれなくなり、先のことは分からないし楽しいだけではないことは分かっているけれど、それでも今のこの「好き」の気持ちを大切にしたい、という思いで「担当」を名乗ることを決意した。

それから3年半、数えきれないほどの嬉しいことや楽しいことがあった。でも、それと同じくらい苦しいこともあった。ファンである私がこのような感覚なら、彼らの感じているものはもっともっと色濃く強いものなんだろうと思う。彼らがどれだけスキルや人気をつけても、Jr.である以上その地盤は不安定であることに変わりはなく、Travis JapanがTravis Japanのまま未来に向かう保証はない。それが怖くてたまらなかった。だから、この3年半、短い期間ではあるものの、Travis JapanがTravis Japanのままでいられる未来が欲しい、その一心で手を動かし心を尽くしてきた。

そして、この3年半、私は確実に自担である七五三掛龍也くんに手を引かれ導かれ勇気づけられてここまで来たと自負している。8.8のドーム公演、ステージで涙を流す如恵留くんの肩を抱き、まるでメンチを切るように極上のアイドルスマイルを決めるしめちゃんの姿が大映しになる。その後のSummer Paradise2019でデビューの意志を口にし、それから何度も何度も、どんな状況でも臆せず力強く「デビューしようね」と口に出すしめちゃんの姿を見るたびに勇気づけられてきた。だからこの3年半、毎年全く異なるプレッシャーでへろへろになりながらも大賞だって頑張れたんだと思ってる。

ジャニーズ初の全世界配信デビュー。米・キャピトル・レコードとの契約。レーベルメイトはケイティ・ペリー、「上を向いて歩こう(SUKIYAKI)」をリリースしたレーベルでもある(ちなみに私はAGTセミファイナルの前日にTravis Japanが「上を向いて歩こう」を歌う夢を見ていて(2022.9.22「秋の日に願いをかけながら」)参照)さすがに予知夢を見たかと思った)。1ヶ月後にはTravis Japanがメジャーデビューする。早朝から情報が局メや局動画、公式SNSやWSから流れてくる。寝起きの頭でぼんやりと噛みしめながらも、いろいろなことがまるで夢のようでふわふわとしていた。その後、彼らのブログを読んだり、友人たちから来た連絡に返信したり、TwitterのTLを眺めたり、翌朝コンビニでスポーツ新聞を手に取ったり、友達とリモートで祝杯をあげたり、そんなことをしていくうちに心の中にある感情は少しずつ「夢見心地」から「実感」へと変化していた。そして、その「実感」の重みが更に大きく増したのは、10月1日のインスタライブを観た後だった。

局動画を撮る、と言われトラジャハウスに大人たちが来て、動画でデビューを知らされたときに、しめ松松が崩れ落ちて嬉し泣きをしていたときの話。宮近くんは当時のしめちゃんの様子を「松松は嬉し泣きだと分かるけど、しめは嬉し泣きしてるけど表情が悲しそうで、しめの泣くときってこんな悲しそうな顔するんだと思った」「本当に大丈夫?何かあった?と訊いたら「めっちゃうれしい~~……」って」と語り、松倉くんは「あんな極限のしめ初めて見た」と話していた。

そして、その極限状態で泣くしめちゃんにハンカチを貸した如恵留くん。そのハンカチはしめちゃんから松松に渡った後再度しめちゃんに戻り、最後には3人の涙でひたひたになっていたという。8.8のステージ上や虎者初演時の大千穐楽、直近ではAGTの予選時。嬉しいとき、悔しいとき、感極まったとき、どちらかが涙する日にはどちらかがそばにいて、ときには肩を抱き、ときには隣で微笑み、そうやって今までずっとやってきたんだな、と折々に感じていたけれど、デビュー告知を受けたときも、やっぱりそうだった。極限状態で泣くしめちゃんにハンカチを貸す如恵留くん、想像するとまるで8.8の裏返しのようで。そして、そのひたひたのハンカチをきれいに洗ってきれいに畳んで3日後に如恵留くんに返したしめちゃんの話を含め、二人の12年以上の歩みや、二人が正真正銘「Eternal buddy」として「これから」を共に歩み続ける未来が来ることに思いを馳せていた。

そして「あんな極限のしめ初めて見た」「しめの泣くときってこんな悲しそうな顔するんだ」と言われるほどに、しめちゃんが普段、皆の前ではフラットに気丈に感情を自分の中できちんと整理して「しめちゃん」でいたんだな、ということを改めて感じていた。そして、その「しめちゃん」でいる堰が切れてしまうほどに嬉しかったんだな、と思った。そして、どんなときも強く「みんなでデビューしようね」と口にしてくれていたしめちゃんのことを思い出しながら、こうして素直に感情を爆発させて涙を流すことができる嬉しいことがあり、ともに涙を流せる仲間がいてよかった、と思っていた。

Travis Japanのデビューの形は、今までのデビュー組の先輩方とは大きく異なる。ふと思うと、私の担当は誰も開拓者のようだ。例えば、私の前の担当が8年間もの間デビュー組のグループを2グループ兼任していたことも初めての試みで、それは全世界配信デビューだって然りで。彼だからできる、彼らだからできる、をやっていく人たちだから、自分たちだけの道、道なき道を切り拓きながら進む人たちだから好きになったんだろうな、と、改めて思う。

先輩方とはまた違う道を歩むからこそ、現時点では分からないことや知らないことばかりで、嬉しさと同時に少しの怖さを覚えることも無くはない。でも、私は、Travis JapanがこれからもTravis Japanでいられる保証が得られる、彼らの未来を共に歩める、7人でスタートラインに立つことができることが何よりも嬉しい。

改めて、Travis Japan、全世界メジャーデビュー決定おめでとう。結成から10年、現体制になって5年、私が担当し始めてからの3年半を思っても、山あり谷ありだったことだと思います。その中でも夢を諦めず、前に進み続けてくれてありがとう。7人それぞれが迎える岐路のたびに「アイドル」の道を選び続けてくれたことで「今」に繋がった、その尊さを何度も噛みしめています。メジャーデビューのチャンスを掴み取れたこと、皆の音源やパフォーマンスが全世界に届くことが、皆が夢を叶えたことが、とても嬉しい。嬉しくてたまらない。考えては毎回胸の奥から熱いものが込み上げてきては泣いてしまいそうになるほどに。

皆の進んでいく道を、これからも共に歩んでいきたい。そして、共にいろいろな世界を見たい。Travis JapanがこれからもTravis Japanでいられる未来が来ることが嬉しい。「これまで」にひとつピリオドを打って、新たなステージに進むTravis Japanの「これから」を共に歩めることが嬉しい。自分の心の中にあるあらゆる「嬉しい」の手触りを一つ一つ確かめながら、想いを巡らす。彼らの未来が、光あふれる素晴らしいものになりますように。彼らにたくさんの嬉しいことや良いことが絶え間なく降り注ぎますように。輝く未来を、最高の瞬間を共に迎えられる「これから」を、楽しみにしています。