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君が確かにくれた甘いもの

ああ、物凄いアイドルを好きになってしまった。6月23日、16:30過ぎ。私は「配信は終了しました」と文字の浮かぶ画面の前で放心状態になっていた。

Travis Japan・七五三掛龍也くんがアメリカ・ロサンゼルスで27歳の誕生日を迎える瞬間を生配信したインスタライブ。同じ時間を共有できて、しかも自担のお誕生日を迎える瞬間を一緒にお祝いできるなんて!という喜びを胸にリアルタイム視聴していた。日付が変わり、バースデーケーキが出てきて……お祝いムードは勿論のこと、彼の「アイドル」としての凄まじい振る舞いとホスピタリティに最後まで圧倒され続けていた。

本当にただただ凄かった。もう本当に凄かったんだけど、これを「凄かった」だけで終わらせるのは勿体ない。この感覚を自分の中できちんと整理して、言語化しておきたい。これは、しめちゃんのアイドルとしての勘の鋭さやバランス感覚について語る上で、後々外せない事項になるような気がするから。

さて、本題。一体何が「凄かった」のか。ざっくり言うと、完全に「こちら側」の気持ちを理解している人の作った「アイドルのお誕生日会」そのものだったから。しめちゃんのアイドルとしての肌感覚はずっとずっと信頼していたけれど、これは圧巻だった。プロアイドルの仕事ぶり。

しめちゃんのお誕生日をお祝いするインスタライブ、この日の主役はしめちゃん。メインの閲覧層はしめ担だけど、他のメンバーの担当さんも観ている。これについて主役であるしめちゃん自身がきっちりと理解しているんだな、と感じるような立ち居振る舞いだった。自分が主役であるというスタンスを徹頭徹尾貫きながらも、メンバー一人一人をピックアップしていく。そして、ファンやメンバーからのリクエストにどんどん応えていくサービス精神、ファンの「好き」を理解して一つ一つ丁寧に満たしていく様子。ホスピタリティの精神をひしひしと感じた。

自分が主役である、というスタンス。主役だからこそホストとして画面の向こう側の私たちが喜ぶことをたくさんしよう、というような意識が、ファンが喜ぶであろうツボを丁寧に押さえた言動やサービス精神の旺盛さにもつながっていたように感じる。賛成コンで大好評だった「White Love」のラストをイメージして、全員でハートを作ってスクショタイムをしよう!というアイデア。メンバーからのリクエストにも「めっちゃやらせるじゃん、まあいいけど」なんて言いながらどんどん応えていく。「キャラメルボイスで名前言って!」「低い声で七五三掛龍也ですって言って!」から始まり、可愛いポーズ5連発、コメントを切って更に5連発、全く同じものではなくバリエーションにも変化をつけて。ファンに向けた愛の囁きも照れず臆せずまっすぐに、「大富豪しようよ」から始まるメンバーから振られる面白セリフなんかも更にアレンジを加えつつ、お誕生日の飾りつけに使った大きな薔薇の風船を使った「Sexy Rose…」のくだりも全力でやっていく。宮近くんの「エンターテイナーだなあ」という言葉の通り。

特に圧倒されたのは、バースデーケーキを食べるパート。「自分以外のメンバーのファンもインスタライブを観ている」ということや「どのコンビにも必ず好きな人がいる」ということをきっちりと理解しての行動のように感じている。これを見たとき、しめちゃんは本気でファン全員の手を取りに行ったんだな、と思った。

宮近くんにチョコレートケーキを「あーん」して食べさせてもらい、もうひとつのカップケーキはげんげんに食べさせてもらう。そのときに鼻と口につけられたカップケーキのクリームは口だけ如恵留くんに拭ってもらい、お鼻にちょこんとピンクのクリームが乗った状態でスクショタイム。鼻のクリームはまちゅに拭いてもらい、うみちゃんには自分のケーキを「あーん」して食べさせる。その後「俺しめに何もやってない」と言ううみちゃんにはお姫様抱っこをしてもらう。閑也くんは不在だったけれど、しめちゃんが彼のメンバーカラーである黄色のストローでジュースを飲んでいたことは、おそらく意図してのことだと思っている。

メンバーを選ぶときの動きも5通り全て違っていて、それが各コンビのパブイメを反映させたんだろうなと、と感じて震えた。宮近くんはほっぺたを両手で包む。げんげんは顎を下から撫でる。如恵留くんは後頭部に手をやって引き寄せる。まちゅは上から頭ぽんぽん。うみちゃんのフォークを取ってケーキを食べさせる。この短時間で5通り、それぞれのコンビ「らしい」動きで各メンバーを選んでいく様子、プロの所業だった。

このバースデーケーキのパートからインスタライブ終了後暫く、Twitter上ではしめちゃん絡みの各コンビ界隈の方がひたすらに賑わっていた。過去、Travis Japanが表紙を飾ったViVi2020年12月号でメンバー全員に訊かれた「ぶっちゃけ需要を感じているペアを正直に!」という設問に対して「俺は誰と組んでも需要を生み出す自信がありますよ(笑)」と答えたしめちゃんのことを思い出した。

私にも推しコンビはあるけれど、それは私が21通りのうちの1つに特に強く心惹かれただけで、他に差をつけて欲しいわけでも、ましてや他を蔑ろにしてほしいわけでもない。だから、しめちゃんの、あくまでフラットに「全てに手を差し伸べていく」そのスタンスに救われていた。そして、しめちゃんが5人を一人一人ピックアップしていったことは、各コンビの界隈だけでなくそれぞれのメンバーの担当さんにも楽しんでいただけたんじゃないかな、と、思っている。

そして、いつもと変わらず、まっすぐ誠実に、自身の思いを言葉にしてくれたこと。ブログでも取材でもどんなときでも、いつだってしめちゃんは自身の思いをきちんと言葉にして伝えてくれるけれど、特に、お誕生日を迎える生配信のこの場で、その強い思いや明確な目標ををきちんと言葉にして、自身の肉声で伝えてくれたことは、より特別に感じている。

「抱負はね、いろんなやりたいことたくさんあるんだけど、7人でCD出したいです。皆の目標でもあるし、俺らのファンの皆の目標でもあるから」
「デビューしたいっていう目標はジャニーズ事務所に入ってから一回もブレずに変わってないから、やっぱりそれは叶えたいなって思う。それを叶えたからこそまた見えてくる目標っていうのもあると思うから、それを7人とファンの皆で共有出来たらいいな、と思います」
「これからも、長い人生、皆さんよろしくお願いします!」

そして、最後、つむじが見えるほど深々とお礼をした後、配信を切る直前まで、小声で「バイバイ!またね!またね!」と声を掛けてくれる。まるで私たちだけに語り掛けてくれているようで、たまらなく嬉しくてきゅんとした。

このアイドル力やホスピタリティの高さの根源はどこにあるんだろうか、と考えたときに、やっぱり「実感」なのかな、と思うなどしている。しめちゃんは、好きなアイドルグループがあるということ、その中に一人特別に好きな「担当」「推しメン」がいるということがどういうことか、その身をもって知っている。それは自身の「理想のアイドル像」に基づくものかもしれないし、アイドル人生における経験則による需要の察知能力の高さもあるだろうけれど、それに加えて、しめちゃん自身が実際にとあるボーイズグループのファンで、その中に「推しメン」がいる、リアルに「ファン」をやっているからこそ、ファン心理が理解できるんだろうな、と思う。アイドルでありながら、アイドルのファンでもあるしめちゃん。推しとお揃いの服を着たい、同じことをしたい、同じ犬種の犬を飼いたい、推しが白雪姫のコスプレをすれば自分も雑誌の企画で白雪姫のコスプレをしてしまう。そんな彼の「こちら側」っぽさを見るたびに、だからこそ「推し」にされて嬉しいことはどんなことか、ということが分かるんだろうな、だからこれだけ細やかにファン心理に寄り添えるんだろうな、と、常々感じている。

そして、「愛を与え、愛を抱きしめる」の言葉の通り、しめちゃんは自分自身に向けられた愛情を受け取ることに対して躊躇が無く、自身が大切にしている相手に対して常に等しく優しさや愛を行き渡らせて包み込む。特に今回のインスタライブは、画面の向こう側にいる私たちに対してたくさんの心を向けてくれていたことが手に取るように分かった。自分の誕生日のお祝い、日付を跨ぐ瞬間をファンと共有する。だからこそ、その時間を使って目いっぱいファンを楽しませる。そんな気持ちが伝わってくるお誕生日会だった。

アイドルとして、自分のファンのことを大切にすること、自分のファンのために自分のことを大切にすること、アイドルグループの中で一番好きなメンバーがいるということがどういうことか理解していること、どれもが大切なことだと思う。でも、どれを最優先にすべきか、ということはその時々の状況によって変わってくる。しめちゃんの振る舞いに対して「プロアイドルだ」と感じるのは、その時々の状況を察知して、それらに対して上手に優先順位を付しているからなんだろうな、と思う。

プロアイドル。しめちゃんの話をするときに、よく使う言葉。ただ、それが具体的にどのようなものを指すのか、言語化することは難しいな、といつも思う。ただ一つ言えることとしては、「私の理想を叶えてくれる」「私の思い通りになる」ということを指して「プロアイドル」と言うつもりはない、ということ。

でも、自分の気持ちもファンの気持ちもどちらも等しく大切にすること、皆に対して両手を広げ、ファンに対しては特別に心を傾け愛おしみ、グループ内で「一番好きな人がいる」ということがいかに特別かということを理解していることや、それが見える在り方に対しては、心からのリスペクトを込めて「プロアイドル」だと言いたい。

私がしめちゃんのことを「プロアイドル」と称したい所以は、このお誕生日会でのしめちゃんそのものだ。私はこれから彼のアイドル力の話をするときに、必ずこのときのインスタライブの話をするだろうと思う。

他にも、推しコンビの尊い案件だとか、+81でコレオを担当したときの裏話だとか、しめちゃんの可愛かったポイントだとか、あれこれたくさんあるけれど。まずは、このインスタライブでのしめちゃんの「凄い」と感じたことについて、何が凄かったのかきちんと言語化しておきたかった。だって、これは絶対に記録に残して後々語り継いでいかなければならない、と使命に燃えてしまうような、それぐらいプロアイドルの精神性に貫かれた「アイドルのお誕生日会」だったから。

これからも、しめちゃんのその精神性に敬意を表して「プロアイドル」と呼びたい。いや、呼ばせてください。

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