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日常におどろきとワクワクを届けるために〜畠井嘉隆さん〜

畠井嘉隆さんの事務所、Amaze Design Laboのオフィスには遊び心があります。かわいらしいカレンダーや色とりどりのレゴブロックに、ここがオフィス?と戸惑ってしまうほど。58歳と思えない畠井さんのポップさの秘訣を、池田が尋ねました。

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畠井嘉隆さんのプロフィール
京都府立大学農学部を卒業後、夜間の大学に通いながら大工や高校教員を務める。その後、積水ハウス(株)に入社し、30年勤めた後、2018年に退社。そして57歳になる2019年、「日常におどろきとワクワクを」を理念に、Amaze Design Laboというデザイン事務所を立ち上げ。

頭ではなく手で考える


―畠井さんは何のお仕事をされているんですか。

その質問が一番答えにくいんだけど、例えば、企業と新商品の企画をしたり、人材育成プログラムをデザインしたり、個人のブランディングや住まいのリフォームをしています。ある学校で「自分たちの学校を作ろう」っていう企画を、生徒だけじゃなくて先生とも一緒にするんですよ。先生も生徒もそれぞれ思いがあるし、対話しながらみんなでいい学校を作ろう、と。それを、レゴ®︎シリアスプレイ®︎っていう手法を使ってやります。

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―どうしてレゴブロックをツールにしてやろうと思ったんですか?
子供のときからおもちゃとしてレゴブロックが好きだったんですよ。積水ハウスにいるときに、商品開発をしていたんですけど、デザイン思考を活用して様々な課題解決した商品を開発しようと思うといろんなツールが欲しくなってきます。それでレゴブロックを使ってみようかな、と思って。レゴ®︎シリアスプレイ®︎っていうのは、頭ではなくて手で考える手法なんですよね。手でやると自分の思いが気づかないうちに表現されていく。それを言葉に変換しながら、本当にやりたいことを考えていくんです。

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「今しかできないことをやれ」


―畠井さんはどういう経緯で今のお仕事をされているんですか?

大学を卒業して、まず大工になりました。就職を考えた時に、自分は何がしたいんだろうと悩んで・・・原点に帰って、子供の頃にやりたかったことをやってみよう、と思ったんです。それで、大工するんだったら建築の勉強もしようと思って、昼間は大工の見習いをしながら、夜は大学の建築学科に通いました。でも、職人の世界は、大学卒業後からでは厳しいかなと感じたのと、棟梁に「大学出たんだったら、もっと人の役に立つ仕事もあるだろう」と言われたんです。それで1年ほどで大工を辞めて、次に子供の時にやりたかった仕事が学校の先生だったからしてみよう、と思ったんです。高校で物理と地学を教えてみたけど「教師も何か違うな」と思って辞めました。

2つ目の大学を卒業する時、設計事務所に行こうと思いながらも悩んで相談した先輩から「今しかできないことをやるのもありかも」って言われて「何かな?」と考えたら、「大学2つ目だけど新卒扱いだから、会社に入ってみるのもいいな」と思って。ちょうどその時、測量のアルバイトをしていた関係で、声をかけてもらった積水ハウス(株)に入社しました。

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80歳まで働く


―どうして積水ハウスを出て起業されたんですか。

僕80歳まで働くっていう目標があるんですよ。それを目標にすると、ずっと会社におったらあかんのですよ。今は定年が65歳、伸びても70歳。定年になってからあと10年どうしようって思ってもどうしようもないんで、80まで働こうと思ったら今何か始めないと動けないだろうなと思って。

―どうして80歳まで働こうと思っているんですか?
僕の父親が今年88歳で亡くなったんだけど、去年まで仕事や趣味の山登りをしてたんですよ。そんな父親のまわりに人が集まっている様子を見ていて「何か、いいなぁ」と思ったんです。ハーバード大学で、いろいろな境遇の人たちを対象に80年近くも追跡調査を今もやっていて、その人がどういう生き方をして、その人が幸せなのかを調べているのだけれども、幸せと感じている度合が高い人って、家族や友達の数じゃなく、良質な人間関係を持っている人らしいんですよ。人が集まってくるというのは、人間関係の質がいいからなんやろうなって。家でも仕事できるけど、いろんな人に集まって欲しいから、あえて事務所を借りることにしました。

―仮に働かなくていい世の中になったとしても、働きますか?
僕は働くねえ。仕事は事に仕えるって書く・・・つまり、対価(収入や出世など)を求めるから「仕事」をするのだと思っている。ところが、働くは人が動くって書く。仕事はしなくなるかも知れないけれど、働くと思う。僕は、人をワクワクさせるために働くかな。

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