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『ファイアーエムブレム エンゲージ』クリア後感想(ネタバレ無し)

Nintendo Switchで2023年1月20日に発売された『ファイアーエムブレム エンゲージ』をクリアしました。
難易度はノーマル&クラシックで全員生存プレイです。

最後は有給も使った三連休でガッツリ遊んでました

ファイアーエムブレムは長い歴史を持つシリーズですが、僕のシリーズプレイ経験は極僅かでしかなく、その中でもしっかりクリアした作品といえば

紋章の謎 第一部(SFC)
封印の剣(GBA)
烈火の剣(GBA)
聖魔の光石(GBA)
覚醒(3DS)

くらいのもので、最後にプレイした覚醒からはなんと10年以上ぶりのファイアーエムブレムでした。
所謂"エムブレマー"と呼ぶには程遠いですね。

購入のキッカケも至極単純で、グラフィックが綺麗でキャラデザが好みだったから。
実際グラはめちゃくちゃ良くて、後述するMika Pikazo先生のデザインされたキャラクターの再現度も満点、魅力抜群だった訳ですが。

というか、まず戦闘アニメーションが進化し過ぎてて腰を抜かしましたね…。

このハイクオリティな3Dモデルと美麗なエフェクトで淀みなくヌルヌル動き、かつモーションも一つ一つがしっかりとカッコ良いのヤバくないですか????
凄いぞ任天堂。
凄いぞインテリジェントシステムズ。

一応ファイアーエムブレムの一般的なセオリーや基本システムは理解しているつもりだったし、久し振りにサクっと遊んでみるか!と軽い気持ちで始めたのですが、いい意味で真っ向から裏切られてしまいました。
連休最終日は久し振りにソシャゲのデイリーサボったくらいです

こうしてゲームの雑感を記事に纏めるのはかなり久し振りなのですが、インターネットの評判を見たり、または僕がプレイ中にTwitterで騒いでいるのを(うるせーなこいつ…)と思いながらも興味を持ってくれた人に向けて、少しでも参考になればな…という思いで書いていこうと思います。

※一応普段からこんな事している訳ではなく、この記事を書いているという事そのものが、それだけこの作品が僕にとって記憶に残るゲームになった…という訳なんですね。

因みに、「ファイアーエムブレム 手強いシミュレーション」とテーマ曲にもある通り、本作はユニット1人1人が生きたキャラクターであり、それらを将棋の駒のように移動させたり、攻撃させたりして戦う所謂シミュレーションRPGです。

……みたいな基本中の基本は流石にもうみんな知ってるでしょう。
スマブラにも出過ぎなくらい居るし

そういう体で話を進めていきます。


①楽し過ぎるバトルパート

今作のバトルマップは従来作品と比べて全体的にコンパクトに、それに伴いユニットの移動力が軒並み抑えられています。

騎馬やペガサス系でやっと移動力5
シリーズプレイヤーは面食らうかも(すぐに慣れますが)
胸が豊満だから鈍足とかそういう訳ではない

これにより敵部隊との接触までが早く、かつ以下で解説する『ブレイク』や『チェインアタック』、そして『エンゲージ技』の存在によりこちらから攻め込むメリットが格段に増しており、ゲームのテンポも非常に良くなっています。

『ブレイク』は攻撃をしかけた側が、シリーズお馴染みの3すくみ(剣→斧→槍→剣…のアレ)で有利な武器での攻撃をヒットさせると相手が武器を取り落とし、その次の反撃では無防備になってしまう状態です。
(記事の冒頭に貼り付けた動画でも、セリーヌの剣による攻撃で、斧を装備した敵がなんかパリーン!てなってましたよね。アレです)

これにより武器種の偏りを無くすだけでなく、高火力だが紙装甲・低回避のユニット等も積極的に攻撃していけます。
なんなら"ブレイクさせるためだけ"に攻撃するのも全然アリです。

例えばこの場面。通常であればセリーヌは2回目の攻撃で敵を倒し切る前に手痛い反撃を貰ってしまう可能性があるのだが、剣で敵をブレイクする事により、一方的に攻撃して倒す事が出来る。こういうのが最高に気持ちいい。

『チェインアタック』は特定の味方ユニットが自身の狙う相手と同じユニットを射程範囲に捉えていると、自身が攻撃を仕掛けた際に敵の最大HPの10%分の固定ダメージを与えてくれるというもの。
ユニット本来のステータスに依存しないので、チェインアタックへの参加条件を満たしたユニットが複数居れば、例え絶大な守りを持つユニット相手でも一気にHPを削る事が可能です。


『エンゲージ技』
は所謂超必殺技のようなもので、一気に反撃不能の大ダメージを与えたり、分身したり、魔法で広範囲を焼き払ったり、味方を再行動させたりと効果は様々。
使用回数は限られていますが、いずれも強力で"ちょっとしたズル"をしたい時に使えて、かなり爽快かつ快感です。

「スパロボの熱気バサラか???」と各所で評判の紋章士ベレト先生。エンゲージ技で味方のステータス強化に再行動、更にエンゲージ武器も優秀……とズルの極み。なんか原作のDLC武器も持参してるらしいっすよ。

さて、上記の『ブレイク』『チェインアタック』『エンゲージ技』は敵も普通に使ってきます。

例え手塩にかけて育成したユニットでも、ゴリ押し目的で軽率に敵陣へ投げ入れてしまえばたちまちブレイクされ、チェインアタックという名の数の暴力でじわじわ削られ、ボス級の相手にはエンゲージ技で返り討ちに合ってしまう危険がある訳です。

それらを防ぐためには、こちらから攻撃してチェインアタックに参加する敵を減らす、早々にボスをブレイクさせて無防備なところにエンゲージ技を叩き込むなど、常にちょっとした工夫でパズル感覚の攻略が楽しめます。

こう書くとなんかいちいち面倒くさそうだな…と思う方も居ると思いますが、敵の射程範囲を線で教えてくれたり、お互いの予測ダメージや最適な武器、ブレイクの有無を教えてくれたり、ユニットの行動を巻き戻す竜の時水晶があったりと、充実の便利機能や快適なUIのお陰でテンポの良いバトルにどっぷりと浸かる事が出来ます。
あと困ったらエンゲージ技ぶっぱすれば大抵なんとかなります。

②キャラクター×紋章士を考える楽しさ

本作の目玉として、過去作の英雄を『紋章士』として召喚し、装備(シンクロ)する事で特別な恩恵を受ける事が出来ます。

見た目完全にJOJOのスタンドですね…

例えば英雄王マルスとシンクロすれば速さのステータスや回避率が上昇し、また「エムブレム、エンゲージ!」の掛け声と共に3ターン限定で紋章士と合体して変身する『エンゲージ』中は、マルスならレイピアやファルシオン等、紋章士が原作で使用していた武器が使えるようになります。
また、マルスとのエンゲージ技『スターラッシュ』は反撃不能の5連続攻撃で、非常に強力です。

これらを利用して、例えばマルスを槍持ちのキャラクターとエンゲージさせて、苦手な斧の敵を剣でブレイクしたり、火力の高いキャラクターにエンゲージさせてスターラッシュでボスを瞬殺したりと、プレイヤーによって使い方は千差万別。

全てのキャラクターが全ての紋章士とシンクロ・エンゲージ可能なので、他のプレイヤーが誰に誰をシンクロさせているのか、そういった話を聞くだけでも楽しいです。

鉄板中の鉄板「アーマーナイト×シグルド」の組み合わせ。高速で敵陣に突っ込んでくる移動力10超えの要塞はシンプルに"暴力"でめちゃめちゃ笑いました。

また、紋章士からのスキル継承やシリーズお馴染みの"クラスチェンジ"、武器に紋章士の力を付与する"紋章刻印"等も含めると、キャラクターのカスタマイズは本当に無限大。
誇張抜きで自分だけの軍を育てていく楽しさが味わえます。

"手強いシミュレーション"といっても決してカツカツではなく、上記のキャラクターのカスタムやエンゲージも含めて、プレイヤーの数だけ無限の攻略法が存在する…そういうタイプの"手強い"バランスに仕上がっているのは本当に凄いな、と思います。

元々は斧を振るう『ベルセルク』クラスだったパネトネ
自身の固有スキル『戦の血』
スナイパークラスの固有スキル『集中』
シンクロした紋章士アイクの固有スキル『怒り』
そして紋章刻印でカスタマイズした武器『キラーボウ』
により、脅威の必殺率100%を誇るエースアタッカーに

こういうユニットでボスをめちゃくちゃに蹂躙してゲラゲラ笑うのも、このゲームの醍醐味の一つだと思っています。

③魅力的なキャラクター達

今作にも、過去作に負けず劣らず魅力的なキャラクター達が数多く登場します。
拠点でいつでも見返せる『仲間手帳』のプロフィールや、支援会話で覗かせる意外な一面から、キャラクターへの愛着は更に深まります。

以下、僕が特に印象に残っているキャラクターを何人かピックアップします。

「糸目の百合厨が固すぎる」と発売当初から話題騒然

ルイは王国に仕える執事兼騎士(アーマーナイト)であり、異様に守備が高く、また高い力と技による的確な攻撃で、毎度スーパー女尊男卑のキモオタ僕のプレイですら、結局クリアまでスタメンに居座るほどの強キャラ。

画像の通り飄々としながら「決して触らず近寄らず、女の子同士が仲良くしているのを見ているのが好き」と公言して憚らない彼ですが、なんと支援会話・絆会話によっては男同士のカップリングにも開眼します。お前無敵か???????

ただし主君であるセリーヌ王女を想う気持ちは厚く、彼女のためであれば自分でも気付かないほどの無茶をしてしまう場面も。
また趣味の賜物か観察眼に優れており、他人への細やかな気遣いが出来る男。
悩みを抱えた仲間の、良き相談役としとしての意外な一面も見せてくれます。

ギャグ要員かと思いきや、仲間の真剣な悩みや思いもどっしりと受け止めてくれる、正に軍の守護神。

わざとらしい嘘泣きなんかに負けない。神竜なので

オルテンシアは主人公の敵である邪竜の信仰国『イルシオン』の第二王女。
「自分こそが1番カワイイ」と自負しており、仲間となった後も、神竜である主人公にも臆せず度々モーションをかけてくるほど。うぅ…

ただし、そういったメスガキムーブは彼女自身の幼少期の体験による、確固たる信念から来るものであり、熾烈な戦いや様々な立場の仲間との交流を重ねていくにつれて、外見だけでなく内面も、彼女が理想とする王女として相応しいものに成長していきます。

変な喋り方するデカパイエッチ衣装の暗殺者の女…

ユナカは序盤に仲間になるのですが、明らかに
「一見イロモノ枠の女が時折り見せる過酷な過去を感じさせる仕草からくるギャップ、好きだろオタクくん!!!!」というインテリジェントシステムズからの熱い全力投球を感じるキャラです。

普段は明るく陽気でありながら戦闘時は急に声が低くなったり(最高)、恐らく汚れ仕事をしていたであろう自身の経歴を執拗に隠したがったりと、心に闇を抱えているのはもう誰の目から見ても明らか。
そもそも初期クラスがシーフだし。

ただ、ユナカの支援会話はその心の闇との向き合い方が、支援相手のキャラクターによってかなり異なります。

無理に触れずに優しく見守る
2人で共に向き合い、克服する
お互い闇を曝け出し、同じ悩みを持つ同士となる

そのどれもがユナカにとって救いであり、彼女が前を向いて進む一歩となっていきます。

④ストーリーや紋章士等、その他諸々

まず、上記でさんざん"システムの一部"として紹介してきた紋章士ですが、メインストーリーでの扱いも非常に満足いくものでした。

"各国に受け継がれる強大な力のシンボル"だけではなく、1000年の眠りから目覚め、何も覚えていない主人公を導き、支えていくいわば『先輩』としての姿は、エムブレム歴が浅い僕でも胸が熱くなるものがあります。

窮地に陥り、絶対絶命の主人公を鼓舞するルキナとリン。
ルキナは絶望の未来から単身現代へ渡り運命を変え、
リンは謂れのない反逆者の汚名を着せられながらも、
最後まで戦い抜き唯一の肉親との再会を果たした。

上の画像も、プレイ中に「ここでルキナとリンなの、"分かってる"な〜〜〜!!!!」と唸ってしまいました。
特に『烈火の剣』と『覚醒』は数少ない僕のクリア済み作品なので、感動もひとしお。

うぉ……スリットの切れ込みがエグ過ぎる…………

リンは特にガッツリ遊んだ『烈火の剣』で、僕と共に冒険したかつての"相棒"。
そんな彼女が英雄の1人として令和のFEに登場するのは、なんとも感慨深い思いがあります。

それこそ歴戦のエムブレマーなら、これまで共に戦った"相棒"達が主人公を導いている訳で、僕なんかより余程クソデカ感情が生まれてしまうのでは…?と思ったりしています。

そうでなくとも、これをキッカケに未プレイの過去作に興味を持ったりする人も居るでしょう。
僕は風花雪月にちょっと興味があります。
ベレト先生イケメン過ぎだし、なによりあの優しくて面倒見の良さそうなディミトリくんが、どうして……

各紋章士ごとに外伝エピソードが存在しており、原作のアレンジBGMや再現マップと共に、1人1人をきちんと掘り下げてくれるのは本当に好印象でした。

メインストーリー自体も非常に面白く、先の気になる展開と絶妙なタイミングでしっかり叩き込んでくれるお約束と、どんでん返しの数々で大満足でした。

ただ色々なところで言われている通り、僕個人の感想としてもストーリーのエンジンがかかるのは中盤からで、特に序盤のスタルークの土下座辺りはこれ要る????となったのを覚えています。

↑明らかにストーリー面への"期待"を捨てているのが伺えるプレイ序盤当時のツイート。
これはな、みんなそうなるんや…

戦闘前のAVGパート?の見せ方にしても、3Dモデルでそのまま従来の紙芝居をやっている所為か、慣れるまではちょっとチープに見えてしまっていた感は否めません。

ただ、それらを差し引いて余りあるくらいにストーリーが熱く、面白かった。

記憶を失い空っぽだった主人公が母・ルミエルから家族への愛情と、紋章士達から平和への意志を受け継ぎ、仲間との絆を支えに、自身の過去を含めた数々の試練を乗り越え成長し、今度は自分自身が大切な人達に愛と平和への意志を託す側へとなっていく。

こう書くと簡潔ですが、ファイアーエムブレムは歴史あるゲームです。
そんな歴史あるゲームの歴代主人公(紋章士)達から託される意志はとても"重い"。

ストーリー終盤、意外性満点ながらもしっかりと熱い展開でシリーズお約束の"炎の紋章"要素を回収してくれるのですが、そこで上記のメッセージをひしひしと感じました。

思えば本作は『受け継いでいく・伝えていく』をテーマにしているんじゃないかな…と勝手に思っています。

ルミエルや紋章士から主人公へもそうですが、
本作のメインキャラクターであるアルフレッド・ディアマンド・アイビー・ミスティラは全員が王族であり、次期国王。
そんな彼らもストーリー上で大なり小なり、国王である父母から何かしらを"受け継いで"成長していきます。

オープニングテーマの「Emblem Engage!」のサビにも

繋げ炎 伝えよ愛を
あの旅路のように
彼の人のように

という歌詞がありますからね。

そもそも『ファイアーエムブレム エンゲージ』という作品自体、単に「売れるからお祭りゲーにしたろ!!!!」というスタンスではなく……いやなくもなさそうだし、どんどんそのスタンスでお祭りゲー作って欲しいんですが、ワンチャンプレイヤーの親子世代の交流も意識してるのかな…と思っていたりもします。

当時英雄王マルスと冒険した親御さんが、子供と一緒にエンゲージをプレイすれば当然聞かれると思うんですよね。

「そういえばマルスの出てくるファイアーエムブレム、やった事あるんだよね?なんかやたら強いし有名だけどなんで?スマブラでもデカい顔してるじゃん」
「あー実はマルス、原作だとそんなに強くなくてな…」

といった風に、プレイヤーも親から子へと『受け継いでいく・伝えていく』
こうした制作側の思惑もあるんじゃないかな。

みたいな……流石に美化が過ぎるかもだけど……。

ただ、そこを意識してか偶然なのか、
『バチバチにポーズキメる紋章士の登場シーン』
『掛け声と共に合体、変身する』
『初見でダッサwwwwとなるも聞いていく内に「エムブレム、エンゲージ!!!!!!!!」と叫びたくなるほどクセになる主題歌』
『四狗のアレ(ネタバレ自粛)』
『ラストステージのアレ(ネタバレ自粛)』
と、とにかくこう……

明らかに『特撮モノ』なんですよ(いい意味で)
ファイアーエムブレムエンゲージ、何もかもが……

もう日曜朝にアニメ化して光る!唸る!DXリベラシオンと紋章士の指輪セット!まで発売して全国のチビっ子達にあのポーズさせて欲しいなって思います。どうですか任天堂さん。

紋章士(もんしょうし)となったキミの、オリジナルの召喚呪文(しょうかんじゅもん)をかんがえて番組へおくろう!で黒歴史大増産。

案の定ボロが出たのか限界になってきたのか、話が纏まらなくなりそうなのでこの辺で〆ます。

最後にこれは嘘松扱いされても全く構わないんですが、今日お店のSwitchソフトコーナーで父親に連れられた小学校低学年くらいの男の子がおもむろに「あっファイアーエムブレムだ‼️」て叫んだので腰抜かしながら成層圏まで吹っ飛びました。

キミ、その年頃で絶対自分からってよりは…多分パパがやってるだろ、ファイアーエムブレムを。
スマブラで知った可能性もあるけど、エンゲージのパッケージ指さしてましたからね。

いつか親子で、一緒にエンゲージをプレイするのかな。
もしかしたらもう一緒にプレイしているのかな。

僕は両親共にテレビゲームに寛容ではない家庭で育ったので、そんな事を考えつつ週末の激務に勤しんでいました。いい時代になったもんです。

終わり

※2周目ハード・邪竜の章クリア後感想↓


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