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(ショート翻訳)ローリングストーン紙「あなたのNFTには実際にはまったく価値がない」

業界研究者らの新たなレポートでことが判明!かつては誇大宣伝されていた暗号資産の95パーセントの評価額はどん底まで落ちている。(表題画像:10月22日に中国・香港で開催されたデジタルアートフェアエクスペリエンス2022で、「Bored Ape Yacht Club」として知られるNFT(非代替トークン)アートワークの写真を撮る来場者。クレジット MIGUEL CANDELA/ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES)

(今日は世界的に有名なインタビュー紙「ローリングストーン」からNFTの価値がどん底まで落ちているというお話を翻訳しつつ紹介します。翻訳の正確さについては原文を参照してください。)

研究者チームが解析したのは、インターネット上で「退屈なお猿さん」の漫画を売り買いする人々をあまり見かけなくなった理由を説明する数字です。かつては暗号通貨とデジタルアートの革命として誇示されたNFT(代替不可能なトークン)は、実はほとんど価値がなくなったのです 。
2023年9月20日 執筆者 MILES KLEE

死んだ NFT: NFT 市場の進化する風景」と第された新しいレポートは、金融とブロックチェーン技術の専門家コミュニティである dappGambl から発表されたのです。 著者によると「73,257件のNFTコレクションを分析して、69,795件の時価総額がゼロ イーサリウム(ETH, ビットコインに次いで2番目に人気のある暗号通貨)であることが分かりました。 これはNFT の 95% が今日では実際問題として 1円も得られないことを意味します。2021 年の熱狂的な強気市場のさなか、取引高が 170 億ドルに達した資産が壮大な暴落です。調査によると、約 2,300 万人の投資家がこれらのトークンを所有していると推定しています。 実用性も価値もありません。

さらに、供給はNFTの需要を大幅に上回っています。 調査に含まれたコレクションのうち、完全な所有権を主張できるのはわずか 21 パーセントであり、コレクションの 5 つのうち約 4 つが売れ残っていることになります。 報告書は、バイヤーの目が肥えてきていることから、「明確な使用事例、説得力のある物語、真の芸術的価値を欠いたプロジェクトは、注目を集めて販売することがますます困難になっている」と指摘しています。

NFT投機の全盛期は、暗号通貨で数百万ドル相当で販売された個々の作品が見出しとなって注目を集めていましたが、現在ではそこまで法外な価格が付けられているものはほとんどありません。 6,000 ドル以上で出品されているものは 1% 未満で、最も高価なコレクションでも大部分の価格は 5 ドルから 100 ドルの間です。 「トップ」コレクションのほぼ 5 分の 1 は最低価格がゼロです。 「より高価なNFTの中でもそのような価格は『具体的な実需要とは何ら関係なく』設定される可能性があり、売り手の希望的観測を反映し、NFTのわずかな固有価値に対する投資家の見方を歪める可能性がある」と報告書は指摘しています。

dappGamblの研究者らは「2021年から2022年のようなNFTブームは決して見られないかもしれないが、生き残るために進化することでこれらの資産は全滅はまぬがれる可能性がある」と結論付けています。 例えば特別なイベントにアクセスするためのパスとして、あるいはビデオ ゲームで購入および交換できる仮想アイテムとして特定の機能を与えることができます。

でも、これではおそらくNFTの最大の欠点、つまり人気がピークに達するにつれて大きな論争となった環境への影響には対処できないでしょう。 NFT(代替不可能なトークン)は、エネルギーを必要とするプロセスであるブロックチェーン上でミントされ、二酸化炭素排出量が大きいコンピューター装置で「マイニング」された暗号通貨によって動いている「マーケットプレイス」で売買されます。 しかしトークンのミントだけでもコストがかかります。 「死んだNFT」報告書では、調査によって特定された「明らかな所有者や市場シェアのない」約20万台のNFTコレクションが引き起こした二酸化炭素の排出量は、2,048軒の住宅または3,531台の自動車からの年間生産量に相当する二酸化炭素排出に等しいと結論づけています。

NFTが人気商品だったとき、愛好家は環境への影響についてあまり心配しませんでした。 そして、もし彼らがささやかな復活を遂げれば、気候への懸念は再び脇に追いやられる可能性が高いでしょう。 次の誇大広告サイクルがくるならそのような懸念は邪魔になるわけですから。

以上が翻訳になります。
筆者の知人の話ですが、NFTでホテルに三泊泊まることのできるクーポンを購入。いざ利用しようとしたところ、肝心のNFTが直前になってインターネット上のインターフェイスに表示されずクーポンに交換できる期限が終了。NFTの発行会社とホテルを巻き込んで、一ヶ月以上のやりとりを経た結果、とうとうホテル側がクーポンを自分たちで再発行して宿泊手続きを行う事態まで発展したそうです。
NFT自体には期限のついた利用に関しては、その性質上変更は困難。技術的に解決するのは不可能だというのが結論だった模様です。

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