シン・〇〇 なお話

シン仮面ライダーを観てきました。

観た直後に、筆者の推し、御坂しのぐさんがVo.を務めるバンド「エルレナム」のライブがあり、そこでリーダーのTAiKiさんとひとしきりシン・〇〇談義をしてました。(御坂さんは未鑑賞なので、そちらには聞こえないように)

以下、ネタバレありですが、ネタバレに入るまでのスペースで宣伝です。

推しの歌声が最高にオススメな「エルレナム」
再生回数が3万を越えてまだ伸びている最新MV「ブルームーン」は、国内外問わず好評で、海外からのコメントも多数寄せられてます。是非、ご視聴、高評価、チャンネル登録を!!

そして直近の次のライブは2023/4/19(水)、新宿SAMURAIpre.「うてばひびく」です。出番は20:10~、来場予約はこちらから

予習用動画も貼っておきます。是非一緒にフロアで、御坂さんの歌声に酔いしれましょう!!
https://youtu.be/I6pWbHcS6jQ

以上、ネタバレ回避スペースでした。

自分の中での評価は、「シンウルトラマンよりこっちの方が好き」でした。
TAiKIさんは逆で、画作りの部分を含め昭和ライダーの庵野監督流焼き直し度が高すぎるとおっしゃっていて、さすが表現者目線だなぁと思って聞いてたんですが、じゃあ、なんで自分は逆の評価なんだろうと、その後つらつらと考えてました。


突然ですが、自分の映画の好みとして「災害もののパニックムービーが好き」というのがあります。自己分析での後付けなので、そんなことを考えながら観ている訳ではないのですが、おそらく理由は「研究者、技術者、職人さんといった、職業人が活躍するから」 
想定を超えた規模の災害という難題を”人智”で克服していく様子に、職業人のプライドが感じられてワクワクするんですよね。

このワクワクを、非常に強く感じられたのが「シン・ゴジラ」でした。怪獣映画とみせかけての会議室劇。災害としてゴジラを現代日本に置いた時に、今ある技術とリソースをどう使えば、これを克服できるのかをひたすら愚直にシミュレーションし続ける展開は、見ていて胸が躍りました。

一方で、「シン・仮面ライダー」や「シン・ウルトラマン」などのヒーローものと言われるジャンルでは、ヒーローの超人的な能力はオーバーテクノロジーとして最初に与えられています。2作品でもそれを使いこなすための研究は作品中に描写されていましたが、力の源泉はあくまで与えられたもの。この構図は、もう一つのシン作品である「シン・エヴァンゲリオン」にも通じます。

シン・エヴァでは、使徒と呼ばれる生体兵器がどこからかやってくるけれど、それに対抗できるのは使途を転用したかのような、人型汎用決戦兵器のみ。

この似た構図の3作の中で、「シン・仮面ライダー」と「シン・エヴァンゲリオン」はさらに似た設定や物語構造を有しています。
・主人公は自分の意志でヒーローになったわけではない
・主人公の大きすぎる力に対する怖れと戦うことへの忌避感
・ヒーローに守られるのではなく、前に出て戦うヒロイン
・ラスボスの動機は、肉親の死を消化しきれていないこと
・ラスボスは、自分の苦しみの解決が全人類の幸福と一致すると信じているが、一方で肉親に止めてもらいたがってる

エヴァンゲリオンは最初のTVシリーズの放映時に、庵野監督のカウンセリングセッションを吐き出したようなもの、と言われたりもしましたが、表現することで昇華させた内なる声という側面は、間違いなくあったと思います。前述のような共通点と併せて、同様な「頭の中身を映像化した」感覚を「シン・仮面ライダー」から受ける所が、個人的に刺さったポイントなのかなぁと言うのが、現時点での自己解釈です。
(あ、筆者はそもそもエヴァ好きです。特にTV版)

じゃあ、「シン・ゴジラ」の話を何故最初に書いたのさ、と読んでいる方は思われると思うのですが、そこは残る「シン・ウルトラマン」に。

「シン・ウルトラマン」の主人公はあくまで宇宙の秩序を保つための外星人で、力の行使に対して躊躇はありません。敵の動機もビジネスだったり規則だったりと、全くもってドライです。意志や感情が絡む訳ではない所が自然災害寄りで、パニックムービー成分を感じます。

巻き込まれて存亡の危機に立たされる人類は、当然、”人智”を結集して抵抗します。終盤、ウルトラマンも万能ではない事が分かった後に、最終的に辿り着いた答えは「ウルトラマンとの共闘」。

あらゆる分野の知見とリソースを結集して困難を乗り越える団体戦の熱い展開はやはりパニックムービーに近い文脈で、その骨組みとして透けて見えるのは「シン・ゴジラ」のように感じました。

じゃあ、大好きなパニックムービーじゃん、と自分でも思うのですが、恐らくオーバーテクノロジーが与えられてしまっている所に、引っ掛かりがあって、ほんのりモヤっとしてしまっているのでしょう。ただただ好みですが、パニックムービーは”人智”だけで困難を乗り越えて欲しいという希望が自分の中にあるように、今回ツラツラ考えていて気づきました。

と言うわけで、自分の中では「シン・ゴジラ」好きなら「シン・ウルトラマン」、「シン・エヴァ」好きなら「シン・仮面ライダー」がオススメ!という結論になりました。まあ、どちらも面白いので、両方観るのが正解だと思いますけどね!
(ここまでの議論が台無し)

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