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地方競馬で協賛レースを出したお話

本記事は 謎解きクラスタによる謎以外の Advent Calendar 2022用に書かれた記事です。

協賛レース、流行ってる?

謎界隈の方だと、このところ「地方競馬の協賛レース」という単語を耳にした人が少なくないんじゃないでしょうか。ニチョ謎さんのなげっぱの看板犬である「おかみ」ちゃんの誕生日を祝うレースや、ナゾガクの3年ぶりの復活を祝うレースなど、立て続けにいくつかの協賛レースが開催されました。


謎界隈以外でも、競馬好きなアイドルさんの誕生日のお祝いだったり、同僚の結婚祝いに、なんていうレースもあるみたいです。

ここ数年、目にする頻度が急に上がってきた気がします。

協賛レースって何?

実は、地方競馬の協賛レースについては、このアドベントカレンダーの主催、うじをさんが昨年一度書かれてます。そちらを既に読まれた方には、以下、情報がダブっている箇所多数だと思いますが、ご容赦下さい。



そもそも、競馬の協賛レースって何?という方に、簡単にご説明を。

競馬場では、日々様々なレースが行われている訳ですが、各レースには事前に賞金が設定されていて、出走する馬や騎手は良い順位に入る事で、それを獲得します。

協賛レースでは協賛者が所定の金額を協賛金として供出し、その一部が賞金に上積みされる事で、レースに出場する馬や騎手に還元されます。
一方で、協賛者は何が得られるかというと、競馬場ごとに多少異なるのですが、個人だと
・レースの命名権
・レース当日の有料席使用権
・優勝馬・騎手との記念撮影(これは現在中止している所が多いです)
なんかが定番です。

より高額な協賛金が必要になる法人だと
・競馬場でのプロモーション活動の機会(サンプルやビラを配れる)
などが、これに加わってきます。

…とまあ、各競馬場の説明を読むとこんな感じなんですが、世は一億総配信者時代。当然、各地方の競馬場もレースの様子をネット配信しています。
競馬場では、実況と解説の方が全てのレースについて、事前予想や振り返りなどを語っている音声が流れている訳ですが、協賛レースの場合、それに加えてレース名と同時に事前に送っておいた協賛コメントを読み上げてくれます。この音声はレース映像の配信にも流されているので、競馬場に行かずとも、全国各地で視聴可能です。<注1>
お祝いの気持ちを綴ったコメントを、読むことのプロである実況アナウンサーの聞き取りやすい声で読んでもらえるのは、思った以上に特別感があって嬉しいものです。もはやこの中継映像が、協賛のリターンのメインと言っても良いかも知れません。

レース名は勝ち馬投票券や競馬新聞、Web上の出走表(参加する馬の名前と枠順が書かれた一覧)にも掲載されます。予想誌などにもちゃんと載りますから、それらを買って記念に取っておく、なんて事もできます。
細かいところだと、出走表に出ている過去5レースの戦績の所にもレース名が載ります。なので、そのレースに出走した馬たちは、その後5レースは、そのレースの名前を背負って走ってくれることになります。

<注1>
中央競馬もつい最近、レース中継配信の無料化を発表しました。これまでは有料番組だったんですが、これも世の波ってやつでしょうか。


協賛レースの出し方

とまあ、色々とお楽しみ要素の多い地方競馬の協賛レース。やってみたい、と思ったらどうすればよいの?という点について、自分の場合に沿ってご説明します。

日程&競馬場

どういうテーマで協賛するかにも依るのですが、私の場合は「御坂しのぐ」さんというアイドル/ヴォーカリストの誕生日のお祝い(いわゆる生誕委員の一員でした)の一環としてだったので、誕生日当日(8月26日)に実施される事が条件でした。
8月というと、暑さを避けるためにレースの開催自体が少な目ですし、コロナ禍の下、個人協賛レースの受付を中止している競馬場もあるため、日程によってはほとんど選択肢が無かったりします。2022年の8月26日もあまり選択の余地はなくて(このことが、とある事態を引き起こすのですが、それは後ほど)、岐阜の笠松競馬場が候補となりました。

以下は笠松競馬場における手順となります。

例:12/13現在の笠松競馬場の協賛受付状況

協賛レースの受付状況は上の図のようなカレンダーでWeb公開されています。オレンジは受付終了、青は受付中です。おおよそ3カ月くらい前から申し込み可能で、最終締切りは1カ月前。協賛レースに割り当てられる枠は厳密なものではないようですが、過去の開催状況をみていると1~4レースが個人協賛、5~6レースが法人協賛に割り当てられる事が多いようです。

というわけで、枠が埋まってしまわないよう、3カ月前になると早々に申しこみをしました。

レース名と協賛コメント

ある意味協賛レースの一番の肝となるのが、このレース名です。先にも書いた通り、様々な媒体で掲載してもらえますし、中継でも何度も口にしてもらえます。
出走表に掲載する都合もあってか、笠松競馬場の場合は「15文字以内」という制約があります。今回は、御坂しのぐさんの誕生日のお祝いなので「祝 御坂しのぐ生誕 ぐみこ記念」として申し込みました。(「ぐみこ」は御坂さんの愛称です)
※後日、申し込みを受け付けた旨の電話連絡が来るのですが、そこで「空白は仕様上使えない」と言われ、その場で係の方と相談して、空白を中点に置き換えることで決着しました。

一方の協賛コメントは、特に字数制限なども無いので自由に書けます。とはいえ、あまり長くしても印象は良くないでしょうから、想いのたけをぶつけるにしても、ほどほどにしておきましょう。

日程、レース名、協賛コメントが決まれば、あとは協賛口数を決めて申込書を作成し、受付窓口へ郵送して申し込み完了です。

審査とその後

申し込みが受け付けられると、その後申請は競馬場の運営会議の審査にかけられるそうです。「そうです」と他人事なのは、こちらですることが特段なくて、単に結果を聞かされるだけだからなのですが、要はレース名が公序良俗に反してないかとか、諸々の権利関係はクリアになっているかというチェックをしている模様。

審査に通ると、その旨の連絡があり、期日までに協賛金を振り込めば協賛レースの実施確定です。

ただ、この時点では何番目のレースになるのか等はまだ未定です。確定するのは、開催日の1週間ほど前に行われるレース編成会議の後になります。

「ぐみこ記念」の場合も、26日の開催日からほぼ1週間前、20日に情報が解禁されました。発表されたプログラムでは「ぐみこ記念」は第2レース。発走は11:25です。

実は、これは思いのほか早い時間帯でした。7月や8月初頭の笠松競馬場のレース編成を見ていても、協賛レースは3~4レース辺りに配置されている事が多かったのです。
8/26は金曜日だったのですが、笠松競馬場の金曜日のレースには通常の中継とは別に、タレントさんをMCに置いた副音声チャンネルでの解説、中継が行われています。この番組が11:30~なので、3レース以降であればこちらでも取り上げてもらえたのですが、それは叶わずでした。残念。

が、なぜにそんな早い時間帯に?と思って当日のレース一覧をみてみると…

どうやらこの日の笠松競馬場では、協賛レースが6つも設定されていたのでした。先に「選択肢がなかった」と書きましたが、まさにそのために同日に協賛レースを出そうとしていた方々が、皆、笠松競馬場を選ぶことになったのでしょう。普段はせいぜい2つ3つの協賛レースが、枠いっぱいに設定された結果、「ぐみこ記念」は第2レースという早い時間に。
それに気づいた瞬間、早々に申し込んでおいて良かったーと、胸をなでおろしたのでした。

開催2日前には、最終的な出走馬や枠順も決まります。
ここからは、競馬の分かる方は過去戦歴や血統をみて吟味して、私のような素人は馬名の印象とか枠の数字だとかで、どの馬に掛けるかを考えるお楽しみタイムです。あーでもない、こーでもないと言いつつ、レース当日を迎えます。

レース当日の過ごし方(笠松競馬場の場合)

レースの様子はネット中継されるので、もちろん全国各地で視聴できるのですが、せっかくの初協賛レースですし、これは生観戦するしかないだろうと、岐阜まで行ってきました。

名古屋から名鉄に乗り換えて小一時間。

正門

風情のある入場門をくぐると、すぐ脇には伝説の名馬オグリキャップの像が立っています。

オグリキャップの像 先日ウマ娘のイベントも行われていたらしい


コースの方を見渡すと、なかなか牧歌的なロケーションで、スタンドも可愛くこじんまりとした感じ。

のどかな風景。周囲には建物が見えません
上に見えているガラス窓は有料席

コースのかなりそばまで観客が近づけるので、レースの際には大迫力で馬たちを見ることができます。

目の前がゴールライン

協賛者には、有料席の利用権が与えられると書きましたが、その様子がこちら。8月のお昼どきなので、外は相当暑いのですが、空調の効いた室内で勝馬投票券の購入から観戦まで全て済みます。快適。

涼しく観戦
全体がコンパクトなので、有料席からでもこの迫力

そしていよいよレースです。
パドックを歩くお馬さん達をふむふむと眺めていると、順番にゲートの方への導かれていきます。その間に実況アナウンサーからレースの紹介が入りました。

協賛コメントを読んでくれるのは予定通りなんですが、レースの告知ツイートから関連情報を拾ってくれていたようで、当日夜の生誕イベントの事まで!!これはめちゃくちゃ嬉しかったです。

レース本番の様子はこちらになります。

レースの結果は、7頭中6番人気の馬が勝って、単勝でも29倍がついていたので、かなり荒れたレースと言って良いんじゃないかと思いますが、そのせいもあってか予想は見事に全滅。
勝ったトーアマリアンヌ号を讃えつつ、折角なので現地グルメの味噌串カツを頂いて帰って来ました。

串カツを、味噌おでんのつゆに豪快に突っ込んで渡してくれる味噌串カツ
帰りの名古屋駅新幹線ホームで頂いたきしめん

初めての地方競馬訪問でしたが、アットホームな感じがなんとも楽しかったです。

まとめと感想

今回、初めて地方競馬の協賛レースなるものに手を染めてみての感想は以下の通り。
・手続きは結構簡単。これであちこちの媒体に載せてもらえるのはオトク
・ネット中継万歳。全国各地の人と同じイベントで盛り上がれる
・現地も楽しい。有料席でゆったり遊べる
・直前の告知活動大事。追加コメントつけてもらえると満足度爆上がり
・夏場は早めに申し込みを。集中すると枠が無くなることも

競馬場によって協賛金額も異なるため、コスパを議論するのは難しいのですが、いくつものメディアにレース名が掲載されるのと、ネット中継があるおかげでどこに居ても楽しめるイベントになるのは、かなりお得感あります。これはもっと軽率に利用してもよいのではないかと思いました。
お祝いごと以外でも、同窓会開催記念とか色々使い道もありそうですから、皆さん、気軽に協賛レース出しましょう!!

で、「御坂しのぐ」さんって誰?

今回、協賛したレースは「祝・御坂しのぐ生誕・ぐみこ記念」だった訳ですが、最後に「御坂しのぐ」さんについて少しだけ。

私のフォロワーさんならご存じかと思いますが、「御坂しのぐ」さんとは、かれこれ5年間、私が推し続けているアイドル / ヴォーカリストです。

御坂しのぐさん

謎界隈との繋がりというと、某S社の公式アイドルだったパズルガールズの後継グループ「ラストクエスチョン」に、2017年11月から2021年6月まで約3年半、在籍していらっしゃいました。今は「エルレナム」というバンドのヴォーカルとソロシンガーの二刀流で活動されています。

容姿が美しいのはもちろんなのですが、個人的な推しポイントは、何よりもその歌声です。主音以外にも、すごく多くの音が同時に鳴っているように聞こえる、複雑で中身の詰まった声と言えば良いでしょうか。その複雑さ故に発生する声色の変化と合わせて、ずっと聴き入ってしまう魅力的な歌を聴衆に届けてくれます。

御坂さんの歌の魅力がこれでもかと盛り込まれたソロ曲「エピローグの涙」がYouTubeにて公開中です。少しでも気になった方は、是非、一度聴いてみて下さい。(よかったら高評価、チャンネル登録も是非お願いします!)

こちらの御坂しのぐチャンネルでは、心地よい彼女の声で軽快なトークが聞ける「ぐみこのおまけ」も配信されています。そちらも是非ご一聴下さい。

そして彼女のもう一つの舞台、バンド「エルレナム」の初MV「connect!」も、同じくYouTubeにあがっています。チャペルをバックに真っ白な衣装に身を包んだ御坂さんの美しさとその歌声をご堪能下さい。


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