Iceman♡愛すまん -ver.1 POWER SCALE-
恥ずかしいタイトルだからってそんな遠慮なさらずに。
Iceman連載第一回は、Icemanのデビューから初期、1stアルバムについておさらいしよう。
Icemanのメンバー
皆様御存知だと思いますが、3人です。いちおう、最初から最後までこのメンバーは変わりません。
浅倉大介(key) 大ちゃん
黒田倫弘(vo) いちばん若い
伊藤賢一(g) いちばん背が高い
黒田、通称クロリンは、それまでのDAファミリーの面々とは趣を異にする無骨で男らしい一面が。賢ちゃんは端正な見た目とうらはらに、マイペースでやや不思議なボケを持ち味とする。
デビュー〜1st アルバム
デビューは1996年7月。accessが沈黙して、1年ちょっとしてからのデビューですね。
DARK HALF ~TOUCH YOUR DARKNESS というのがデビューシングルでして、ジャケ写を見ればデデンとセンターがDA、いかにも浅倉大介の新ユニットでござい、という雰囲気。だけど決して大介ありきだけのユニットではなくて、ふたりのキャラも当初からしっかり押し出されていた。
マジで新人?と言いたくなるような、ひょうひょうとした賢ちゃんと、まだ折れそうな青さ硬さが残るが、歌うと切れるナイフ感を醸し出してくるクロリン。
見栄えがよすぎてキャーキャー♡という雰囲気で迎えられた感があるけども、曲はガチで流行る前のドラムンベースだったり、なかなか攻めたデビューシングルだった。
2枚めのシングルが BREATHLESS NIGHT SLIDER。通称ブレスラ。ビビるほど低い声で大介がコーラスしていたり、PVもサイバーでめちゃくちゃクール路線。デビューシングルのかっこよさをしっかり踏襲している。
3枚めのシングルは Edge of the season。切なげなメロディ、黒田のボーカルも感情表現の幅が広がって"らしさ"を少しずつ出してくる。攻めのハイスピードだけじゃないIcemanを見せつけた名曲。
このへんまでのIcemanは、かっこよくクールに攻めながらも、あくまでデジポップ路線も忘れない、比較的聴きやすい仕上がりだ。
デビューから半年ちょい、3rdシングルとほぼ同じ時期に、1枚めのアルバム POWER SCALE がリリースされる。
Icemanのイメージは人によって違うと思うけど、フリーター・ブルースやNartic Boyなどのポップな黒田節もしっかりとそのレパートリーにある。黒田の生々しい歌詞を携えたチューンも、Icemanの重要な一部だ。
Icemanは、新人二人+DAのユニットだ。ちゃんとここに、新人を入れた意味がある。きれいでカッコいいモノ以外を切り捨てた、DAの思いのままに動く出来上がったユニットではないことを再確認しておきたい。
そしてIMが、このアルバムがおもしろいのは、恋するフリーター(働け)だろうが、夜中にチャリで彼女に会いに行っちゃう物語(寝ろ)だろうが、当然しっかりとIcemanのハイクオリティなデジタルサウンドの洗礼を受けているところ。黒田の人間的でやや必死な叫びにDAの遊び心が応える、そんな関係性がすでに見える。
伊藤曲も同様で、これまでのDAサウンドにはなかったロックでギターソロぶいんぶいん風味、20年たっても不思議な歌詞、独特のボーカルスタイル、いやそもそも伊藤が歌うんかいっていう楽しさ、そういう懐の深さが軽やかで小気味いいじゃないか。
キャーキャー♡の女子高生にも遠慮しない堂々たるマニアックさ。
新人ならではのトライと、包み込みさらに刺激するDAのバランスの楽しさ。
そして期待通りの正面切ったカッコよさ。
Icemanはただものじゃねー、と見せつけるのみならず、それまでのDA worksのどれとも違うことを証明した。全曲むちゃくちゃに濃い、その時できるものをギュッと詰めました的デビューアルバム。まじで遠慮がない。
聴き始めたら一曲目から引き込まれ、デビューしたての青い鮮烈さがいやでも突き刺さり、音もメロディも曲調も世界観もバラエティ豊かすぎて、ジェットコースターのごとく、めくるめいてしまう。文字通り、3人のPOWERを隠そうともしない。
POWER SCALE そのこころは…
始まったばかりのIcemanの、有機的な魅力を存分に楽しむアルバム。
さて次回は俺も大好き、2枚めのアルバムのお話です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?