access ELECTRIC NIGHT 2024 祝・完走☆

毎回ツアーは初日の感想をnoteにまとめることにしているが、去年のEN2023に続き、ツアーが終わっての感想を今春EN2024も残しておく。なんかもう、ツアーよすぎて言わないと収まんない感じなの~ やだ~わかる~


踊りたいやつとライブ見たいやつ両方まとめてかかってこいな漢・AXS

今年はとにかく踊らせるアレンジ群が最強で(毎年だけど)ライブハウスというよりクラブのような様相を呈した。踊って気持ちいいこととライブで聴かせることとの両立って、実はそう簡単ではないことのように思うが、AXSはそれをやっておしまいになる。それによって、踊ってたいけど見てたい、という、踊ることを愛するヲタクとして耐え難いアンビバレンツな魂がとりわけ刺激される春であった。

本編ラストのダンスMixなど、ヒロの天井知らずの激しい煽りに会場全部が毎度トランス状態となり、めくるめく照明に脳を焼かれながらあ~こりゃ極楽じゃ昇天じゃ~ワシは今日ここでもうしぬぞ~と踊りまくっているけども、目だけはランランと要塞でキッスを投げては食うDAやステージを縦横無尽に走るKXのDAを追ってしまっている。

全部忘れて今だけに集中したいけどそうはできない、だってそこにAXSがいるから。あ~全部最高だし全部踊りたいし全部覚えてたいのに~、手足と目と脳が絶対的に足りない。

本当に気持ちよかったんだよなぁ、特に後半 Knockあたりからの流れ、もう怒涛のダンスタイムすぎて、ライブに来たっていうよりクラブに来たようなもんだよ(2回目)。と思いっきり踊る楽しさをくれつつも、前半はちゃんといわゆるライブっぽい曲も詰め込まれているバランスがとてもいい。

踊りにも来ているけどAXSのライブを見に来ている、両方の欲求が超絶クオリティで満たされる2時間。匠の技過ぎます。あ~気持ちよかった。

よく知る曲たちの裏の顔

この春の新アレンジもいくつかあったが、特にEVERY TIME YOUとCrack Boyに言及しないわけにいくまい。

EVERY TIME YOUちゃん、レディになる

EVERYのほうはもう30年ずっと、キュルンキュルンのポップでキュート、THE 一期のかわいいAXS☆王座に鎮座し続ける安定のアイドル曲だったわけだが、ここにマイナーコードをぶつけることでまさかの大人化。ロングヘアなびかせてオフィス街を闊歩する、おしゃれも仕事も恋も大好きっ!な夢見るがんばりガール(リップカラーは元気なオレンジレッド)、令和にしてついにシンプルで上質な煌めくドレスが似合う、押しも押されぬレディになる。

昔の曲を今のAXSがやると、当然曲の世界の登場人物は若いままそれを大人が演じることになる。演劇の世界などで二十歳の役を50歳の役者が演じることはあまりなかろうが、AXSはそれをやってるわけで、しかも”50代だけど20代かのように成り切って演じる”のではなく、そのまま50代として20代の役を演ってる。そこがなんとも不思議でかわいい。

EVERY TIME YOUというAXS屈指のキャワイイ若さ爆発曲が、その本質は変わらぬままアレンジだけがしっかり大人になってるのだ。若い曲をそのまま若く演るのもいいと思うけど、中身は変えぬまま今のAXSに似合う素敵な服に着替えることを選んだ。そんな変わらなさと変わったところのミックスが、最高にAXSぽくていいアレンジだった。

スパンコールのようにキラキラと光が輝くステージで懐かしいステップを踏むAXS、大人の服に着替えたけれど変わらない笑顔の二人がそこにいる、なんと尊いのだ。好きほんま好き。

Crack Boyくん、闇堕ちする

Crackについては、とにかく180度真逆を行く別人格の曲になりすぎてて度肝抜かれた。DAの、自分が作った曲の世界観を完全フラットにして再構築できる特異能力爆発しすぎ。Crack Boyのヒューマノイドがアングラで猥雑な路地裏に入り込んだような、影のない世界に生み出されたはずの存在に大いなる神DAが闇を与えた、そんな電気的夜アレンジ。

元々Crackはコンセプトアルバムに入っててもおかしくないような曲で、公式でも SILVER HEARTと対になる存在とされていたり、DAソロワークである robotsのDNAを受け継ぐといった意味でも特殊な立ち位置の曲で、だいぶと強固な世界観を持つ。そこをあえてぶっ壊してくるそのセンスがすごすぎるよ。もはや怖いよ。やっぱDAアンドロイド説あるわ。人間にできることではない。(断言)

オリジナルのどちらかというと軽やかで疾走感のある世界観を踏み飛ばして裏世界にぶち込まれたようなその曲は、なにも飾り立てるものを持たず、研ぎ澄まされたいくつかのヘヴィーな太い音色だけで彩られていて、イントロからして明らかな異彩を放つ。退廃的で粘度の高い闇にたゆたうように重いビートを楽しんでいると、DAがおもむろにバッキングをミュートし、ブレイクする。そのたびに世界は少しずつうごめき変化していき、サビでピークを迎えると同時に白い光を浴びたかと思うと、高々と手を掲げる二人のバックで時を止められた音の構造物たちはピクセルの粒子へと急激に姿を変えていく。

砂の城が流れていくように背後で崩れ去っていく音を従えた二人が本当に神々しくてですね。自分で世界を作って壊す神ってのはこういうことなのではないかと思った。静と動、闇と光、大介とヒロ、AXSとヲタク、この世のあらゆる二律背反をステージに閉じ込め圧倒的な音で制圧する、そこにあるのはただ、ひれ伏すものの幸福。

そしてこの Crack Boyは、DAが闇を操り世界を歪曲させて遊ぶお時間であると同時に、重低音と暗闇の中で囁くように自分のコーラスと戯れ続けるヒロがサビで強さと輝きを取り戻すスペクタクルでもあった。

DAが作り出す特濃レベルの闇サウンドを切り裂けるのは、やっぱりヒロという唯一無二の光しかおらんのよ。

バラードで世界は永遠に朝になった

今回のバラードはSTAY MY LOVE。まぁこれが、、本当によかった。

大介のピアノの強いタッチが、とても大介っぽくて好きだ。ホワッワ~ンとした音色を使わないのもあると思うけど、どんな優しいバラードでも少しとっかかりのある音と言おうか、しっかりと空気を揺らすあのDAのピアノの音が大好きで。DAは音でちゃんと語ってくれてる、そんな気がするのだ。今回のバラードも、それを堪能できる至高の時間だった。

DAは会場を見渡し、ときどき頷きながら音を続けていく。なにかを探すというより、確かめたくてじっと見つめているような。あまりにその表情が無垢で優しくて愛しくて、ここがエレナイの会場であることを毎度忘れてしまいそうになる。目に映る景色が過ぎ去っていくことがこれほど切ないバラードの時間は今までなかった。

そしてヒロの声が、初日からそうだったのかちょっと覚えてないんだけど、サビ最後のSTAY MY LOVEのところをかすれた声で終わらせるのがあまりに良すぎた。曲出だしの「白い」からしてももう、今のヒロのボーカルの究極形。あの3音だけで、優しくまろいミルクティーのような朝焼けの情景が浮かび上がってくる。

百年後にいないことはきっと誰もがわかっている。だけど今この曲を一緒に聴いている今だけは、それを永遠と呼んでしまってもかまわないのではないか。いつか終わってしまう永遠だとしても、心から愛した音と声に気持ちを預けていられる数分間の「永遠(とわ)」が、確かにそこにあった。


大介!!帰りに肩見せてジーンしてる
ヲタクおちょくるのやめ!!!!!!!!!!!!!!

まとめ

「踊れるエレナイ」原点回帰ののろしにふさわしく、踊れて笑えて本当に満足の2時間でした。アククラ貪欲なんで、踊れるだけじゃ飽きたらないし、やっぱなんていうんですか、耳も目も肥えてるって言いますかね、推してる推しがなんせやべえもんで。そんなうるせえヲタクをヘロヘロの骨抜きのグダグダにして毎回会場の外に笑顔でほりだしてくれるAXS、まじで最高に愛せる。

個人的には今年、超久しぶりに春の全通がかなったのだが、何度行っても毎回がどれも最高すぎて、まじでエレナイほど全通向きのツアーもないよな。「ライブは生き物」とは、「カレーは飲み物」ぐらい使い古された言葉かもしれないが、まさにエレナイが生き物というか、あの空間自体がひとつの大きな有機体になってた。音を飲み込んで声を響かせ、リズムを打ち鳴らし、音楽のパワーを原動力にして空間が生命を得たような。間違いなくAXS史上最強のトリップ感で、畏怖の念に近いものすら覚えた。

リアルタイムで無音さえも操るDAの超絶テク、反射神経、センス、そういうものがすべて積み重なって独特のうねるグルーヴとなり、会場を生き物たらしめている。もはや音が強いとか弾くのが上手とかそういう近視眼的なポイントで優勝してるのではなくて、もうまじで手を上げ息をし、鍵盤に指を触れさせるタイミングのひとつまでたぶんあの人は自然と音楽にできてしまう人で、DAが作る最高の音楽に愛されて最高のDAがそこにいるという、あるべくしてある奇跡をこのツアー中ずっと目の当たりにしてた気がする。

そして情熱と色気と、とてつもない眩しい明るさと、すべては見せねどもおそらく信じられないぐらいのストイックさで仕上げた肉体と歌を武器にしたヒロが、今持てる全てを出してくれていることが、ビンビンのビンに伝わってくる。

エレナイ2024、本当に本当に、この春、俺は幸せなヲタクであった。

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