見出し画像

夫、いきなり人生変わる。

それは去年のクリスマス前、夫にかかってきたお友達からの電話で始まった
家族てんやわんや、クリスマスどころじゃねーぞ!!なストーリー。

*** かんかんの夫は何してる人なの? ***

夫の仕事を特に公言する機会もなかったが、
地方公務員の補佐的なポジションでシステムエンジニアをしている。

「補佐」という立場の人は結構いて、
地方公務員試験という「試験」には合格したものの点数がいい人から席を獲得していくために、
残念ながら地方公務員の椅子には座れなかった人たちである。

そんなお気の毒にもあぶれた人たちのリスト、
つまり「補欠リスト」的なものが作成されるらしいのだが、
お役所の手が足りないときにそこから呼ばれて契約社員的に働くことができる。

夫はそのリストの上位にいたため(いわばギリ公務員席を逃しただいぶお気の毒な人)
何かと途切れず地方公務員補佐として働き続ける人生だった。


*** クリスマス前に鳴ったお友達からの1本の電話 ***

そんな夫はちょうど12月22日に1つの契約が終了し、
毎度のこと、「次呼ばれるのはいつかなぁ〜」と
その日も呑気に朝のコーヒーを啜っていた。
(よっ!スペイン人!!楽天家!!明日は明日の風が吹く!!!ケセラセラーーー♪)

そんな普通すぎる朝、いきなり夫のスマホが鳴った。
どうせまた何かの勧誘だろーよと気にも留めていなかったが、夫が

「へっ!?」

と言った後、今度はもっと面白い顔でもう1回

「へっ!?!」

と言ってそわそわしだした。
友達からの電話のようだった。
ただそれは不幸な電話じゃないことだけはすぐにわかった。
なぜなら口角が上がっていたからだ。
だけどなんか今まで見たこともない奇妙な角度で上がっていた。
イタズラを企んでいる時の顔とちょっと似ていた。笑
「確認するわ!!」と言って夫はわりとすぐに友達の電話を切った途端、

「受かったっぽい。」

とだけ、わりと小さい声であの変な角度の口角のまま言った。
妻には何も伝わってこない!何に受かったんだ!!!
なんなら薄気味悪いぞ!!!!


*** 受けたことすら忘れていた試験 ***

春頃だったでしょうか...
職場の仲間界隈から何かの公務員試験に誘われて夫は出かけてった。

「とりあえず受けとくだけ受けとくー。宝くじ買うみたいなw」

そして出かけたかと思ったらまあまあありえないぐらい早く帰ってきて、

「解答用紙は埋めてきた!!!(キリッ」

とまぁそんな調子で受けた試験、クリスマス前にはとっくに忘れていたようだ。
本人が忘れているものを、わたしが覚えていることなんて更にない!


*** まぐれの合格 ***

その日の友達からの電話の第一声はこうだったらしい。

「おまえ、リストにのってるぞ。」

そう、夫は受けたことすら忘れていたやっつけ試験に受かり、
更に席をも獲得していた!!!笑

そりゃ「へっ!?!」ともなるでしょうよ。

妻も更なる「へっ!?!?!?」のまましばらく放置されていたが、
すぐに説明を求めた。


*** 地方公務員補佐からの大どんでん返し ***

結論から言うと、
夫は「国家公務員試験」の席をいきなり獲得した。
来年50歳にしていきなりにもほどがある!!!!!


結婚して17年。
夫は一生地方公務員補佐として定年まで働き続け、
わたしたち家族はもうここセビリアで一生暮らすつもりだった。
なんなら家を購入しようと物件探しまで本気でしていた。

わたしは幼少のころから転勤族な家庭で育ったので、
20年近くも同じ地に住むことなんてまずなかった。
なので、歳も歳だし、

「嗚呼、セビリアが終のすみかってやつになるんだなぁ...」

と感慨深くしっぽりしながら物件を探していた。
ここはちょうどいい感じの地方都市で観光地。
賑やかで都会的な部分もありながら、古き良きスペインもしっかり残っている。
そんな心地の良い土地で、老後の暮らし方なんかもふんわり考え始めたりもしていた。
ちょっと気が早いけど、
その地に家を買うってなるとそこまで思いを巡らせるのも不自然ではない。
いろいろとわたしなりに腹を括っていたのだ。(家買ってなくてよかったよ!)


*** 都会へ ***

まぐれギリ合格の夫の勤務先は、
どうやら自動的に「マドリード」になるようだ。

マドリードはスペインの「首都」である。
いわばいきなり「東京さ行くだ!!」である。

いろいろいきなりが過ぎる!!!!!!
夫はいわばセビリアから出たことがない田舎もんなので
未知な世界が待っている、ちょっと不安もあったりするのかもしれない。

わたしに関しては、
結婚前はマドリードに1年ほど住んで豪遊wしていたので
大きな不安はない。お友達もいる。

ただ息子の学校やらの諸手続きはめんどくさいし、
初転校を経験する息子のケアもある程度必要かもしれないが、
その辺のことはまた思うことや綴りたいことがあるので
別に記事を書いていこうと思う。


*** 人生はケセラセラ ***

長くなってしまったが、
50歳手前にしてこんな大どんでん返し人生が待ってるパターンが
身近に起こったことも非常に感慨深いし、
わたしの人生もそれなりに大きく変わるでしょう。
勝手にゆるっと老後を考え始めていたけど、
やはり気が早すぎたようだ。笑

人生なにが起こるか、本当にわからない...。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?