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肌の鎮静

●修復と明日への備え

夜になり、私たちが家路につき、生命体が休むときも、肌は休みません。

 まず、昼間防御のために活動し、ダメージを受けた細胞や酵素たちを癒してやらねばなりません。肌自らの力で、炎症を鎮め、DNAダメージを修復し、色素沈着を防ぎ、細胞の過酸化を防ぎ、元に戻らない異常事態が発生した皮膚細胞には死の宣告(アポトーシス:細胞の自殺といわれています)をします。

 癒しの終わった肌は活力を回復し明日に備えます。
 私たち生命体が深い眠りについているとき、肌は活性化します。
 夜中の10時ごろから4時ごろ、表皮細胞は一成に細胞を分化させます。
 皮膚全体が新生され、代謝が行われます。
 必要な酵素がどんどん生産され、NMF(転々保湿成分)が真皮層から水の供給を受け、水玉のようになって角質へ昇っていき、角質内に水分をたっぷり蓄えます。

●排泄機能

 さらに重要な「活性機能」は肌自らの「排泄機能」です。
 体内60兆個の細胞はすべて代謝物質(廃物、廃液、廃ガス)を血液中に排出し、腎臓でこして体外へ排泄しています。
 しかし、肌の不要物質は血液の中に出すのではなく、自らの代謝機能で排出します。
 基底層で分化されたケラチン細胞は有棘層から顆粒層を経て、約14日で角質層に到達します。
 角質層では角質間細胞によってしっかりつなぎ止められ、約14日間滞留したあと、角質上層部に存在している蛋白分解酵素に分解され、垢となってはがれ落ちていくのです。
 この一連のケラチンの動きが28日周期ターンオーバーです。
 このターンオーバーによるエスカレータに乗ってメラニンや皮膚内不要物質が上へ上へと送り出されてきます。

 さらにここで、強力な排泄推進条件が整備されています。これがイオンポンプです。
 角質表面が弱酸性、プラスイオンに覆われ、マイナスイオンに帯電している体内の蛋白や脂質による構成物質、例えばメラニンや過酸化脂質をイオン吸着させてスムースに角質外に排出させます。

 肌は私たち体内の細胞の中で最も生まれ変わりの早い、常に新鮮さを保っている器官です。
 皮膚はいつも過酷な外の環境からダメージを受けるため、その日の内に鎮静し、新生、活性化して、明日へ備える必要があるからです。
 シミ、小じわ、深いしわ、くすみ、皮膚酸化、角質肥厚、乾燥、アトピー、老化・・・。 肌の上に発生するトラブルはすべて皮膚機能の衰えから生じます。
 夜に肌の鎮静・活性機能に衰えが生じると当然、昼間の肌のバリア機能にも衰えが生じます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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