【短編小説】女達は嘘がうますぎて、男達は常に平和である。
「低レベルの相手に対して、同じ土俵に立ったら負けだよ。『これはモルモットだ』とかさ、自分とは違う生き物だって認識して、距離を保たないと」
そう言うと、先輩は背を向けてパソコンに作業を戻した。
彼はいつもそう。合理的かつ、発する言葉も態度も、相手によってカメレオンのように変えている。
なのでトラブルも少なく、周りから慕われすぎず、かつ良い仲間には恵まれていて、生きていて楽しそうだ。
「あくまで、差別ではなく区別。これ、生きるための処世術」
過去にも言われた。ラップかよ……