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きれいな彼

でねくんのエオルゼアでのさいしょの友だち ユニコンさんとの出逢いのお話。。と、オマケです。 二次創作です







北の森の外れの方。。 傷ついた幻獣がいるから、森になにかする前に癒やしに行ってあげて欲しいと エ・スミ様に言われた。

そこは森というにはあまりに荒れて寂しくて、少し北のクルザスの 冷たい風が遮るもの無く吹き込んでいた。

そんな場所の、地割れの崖の上にその子は居た。

ぐったりと四肢を広げ、身体は起こせていない。。

とても辛そうで。。だのに 知らないぼくが近づいても、暴れる事はなかった。

。。穏やかな子なのだろうか。争うのがイヤで、だからこんなところまで 故郷から離れて逃げてきたのだろうか。。

怖がらせないように そっと近づく。

静かに祈りを込める。  どうかどうか、治りますように。。

「…ケアル」

。。一呼吸ののち、蹄が土に立つ音が響いた。

地を鳴らし、脚を確かめたあと。。 ぼくの方をじっと見つめる。

「治せてよかった。。 さぁ、 どこへでも 好きなところへお行き」

笑顔で送り出すつもりだったが。。  なぜかこちらに近寄ってくる。

「。。?? どうしたの?お山はあっちだよ??」

北の方を指さし、身振りをするも 彼は離れてくどころかぼくのバッグの中からなにかを見つけたようだ。。

「。。。笛?」

口渡しをされ、見つめられる。。

コレを吹け、 ということなのだろうか。。

。。とおく 高く響き渡る音が鳴った。

彼は耳をそば立て。。 それを覚えたのだろうか。。 鼻先で笛を何度か押し、 この笛でまた呼んでくれ。。 と そう言っているように、感じた。


。。癒し助けることは、ぼくにとっては当たり前で。

手を差し伸べても、襲い掛かられなければ良い方で。。

この世界の人は ありがとう、と 応えてくれることが多いけれど。。

律儀に恩返しをされたのは初めてだった。


そのあとエ・スミ様に相談したら おそらく背に乗せてあげるから、その笛で呼んで。。という意味だったらしい。

「随分気に入られたものですね。」

そう微笑まれて、 ぼくはあまりその意図が分からなかった。


まだチョコボの乗り方も知らないぼくが彼の背に乗るのも。。  出身から暑い場所は苦手だろうかと、砂漠とかで呼んでいいか悩んだのも。。  けっきょく、乗せたいといってくれて何処でも彼を呼んでしまうようになるのも。。  また少し先のお話。







「きみはほんとに きれぃだねぇ…」

たてがみを優しく撫でると プルゥルル…とうれしそうに返事をしてくれた

「ふふっ 。。きれぃきれぃ…… 」

つい顔を埋めながら 呟いてしまう

「またいっぱぃ。。 いろんなところに行こぅ」

プル……と返事してくれた

「うん 。。* ふふふ…」

うれしぃなぁ。。 と トコトコ…となる蹄の音が いっしょに遠くへ溶けていった。



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