独りの目覚め

(2016/4/21 記載した文を転載。振り返り用)
⚠️R18+
⚠️DARK SOULSⅢの 多分な妄想を含んだ二次創作です

カロル君の旅立ちのはじまり。
記憶が徐々に薄れていくことは 救い なのかなぁ。。








暖かい

「●●●…」

……応えてくれない

(どうして…?)

目を擦り身体を起き上がらせると、手元に青白く光る何かがあった

「これが、暖かいのか…」

(それじゃあ●●●は…?)

「どこ? 何処にいるんだ…?」

あれ?

(俺は誰を探してるんだ…?)

棺の脇に生える木の枝の向こう 谷間の冷たく湿った空気 

「寂しい…」

なんて寂しいんだろう

何もいない 誰もいない…

「おれ、は?」

おれはどうしてこんなところにいる?

「どうして…… !?」

…息が詰まる

身体が固まって、訳もなく自分の肩を搔き抱く

冷や汗が止まらない

震えながらも漸く頭が追いついてきた

そうだ、おれは…

「俺は、死んだんだったな」

でも、

「●●●と死ねたんなら、よかった…」

寂しくなかった 一緒に死ねたのだから

「そっか… 一緒に埋葬してくれたのか」

しかも死後も一緒にいられたのだ…嬉しい

嬉しいのに、なんで…なんで?なんでっ

「なんで俺だけ目覚めてるんだ…?」

漸くわかった この青白い光は●●●だ

●●●だけ眠れて おれは目覚めた

「……」

●●●を抱え込む

(あぁ… 暖かい)

「さびしい…」

(どうして俺だけ?)

「独り、きり…」

寂しい さびしい

「…この青白いのは何だろう…? 暖かいな」

まるで、ずっと一緒に居てくれた人のぬくもりの様な

「えっと… ここは何処なんだろうな…」

暖かい光を大事にしまい、なんと無しに歩き始めた

「うわぁ… 綺麗だな…」

少し進んだ先に 山並みが一望できる丘があった

「なぁ! すごく綺麗だぞ!……」

(……?)

俺は今、誰に呼びかけようとしたんだ?

「誰もいない…」

俺は一人なのに

「寂しいな…」

つい口を突いてしまう

「独りは、さびしい」

ーーーーーーーーーー

「灰の方、主なきソウルをお持ちください…」

ここに着くまでに何度か俺の中に入ってきたもの、あれがソウルか

そして今なら解る この青白い光はソウルだ

「あの人の…」

もう誰かも分からない でもずっと一緒に居てくれた 大切な人

その人が漸く眠れた姿

(本当は、このまま眠らせてあげた方がいいんだろうな…)

でも俺は、寂しがり屋の仕方ないヤツだから…

「頼むから…こんなになった俺とも最期まで一緒にいてくれ」

(きっと一緒になったって 独りが寂しいのは変わらないんだろうけどさ…)

諦めを囁く自分の声を 聞かないフリして 光を自分に押し込んだ

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