こんなことって

実は昨年の夏、宝くじに当選していた。

ふとスマホで預金口座をチェックすると、見覚えのない桁数の金額が表示されている。
そこそこ混んでいる電車内で「え゛っ…」という声が漏れた。何かの間違いではないかと思い震える手で画面をスクロールしていくと、宝くじの表記を見つけた。
そこでふと気が付く。毎月1500円自動購入していた宝くじが、たまたま当選していたのだった。
暫くの間は、こんなことって本当にあるんだ…とあっけにとられていた。何日か経った頃にようやく冷静になった。そこそこな額の入金だったため、間違いではないかと何回も口座を確認し、すぐに一つの使い道を思いついた。奨学金の返済だ。急いでスマホで一括返済の手続きを取り、予定より何年も早く完済することが出来た。

しかしながら、お金の知識に疎い私は使い道を考えあぐねている。投資やら何やらと考えてみてはいるものの、結局何もできずじまいだ。
一生遊んで暮らせる額でもないし、使い込んでいたらあっという間に泡銭と化してしまうのは目に見えている。自分なりに本を読んで勉強中ではあるものの、なかなか動き出せていない。

そんな中でも月々の宝くじ購入は継続している。こんな奇跡は二度とないと思っているが、世の中何が起きるかわからないものだ。
願掛けというか、変かもしれないが、私にとってはお守りのような存在になっている。