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人に合わせる・合わせない…どっち?

定時までにやること終えたのに、今帰ったら周りの人から怠惰だと思われそう。ほんとは、お酒嫌いだけど友達の手前、付き合いで飲まなきゃいけない。周りの人に合わせて、同じ行動をすることで評価をあげようとする心理…。

みーーーーーん、みーーーーん。
風呂の窓に引っ付いているこいつは、こうやって鳴き続けることが子孫繁栄や仲間を見つけるという、生きる目的のために必要な手段なのだろう。暑さで、一人なら絶対外に出ないけど、今日は大学時代の友達付き合いのためにカフェに行く。夜中にかいた汗を流すシャワーを浴びながら、また考えに耽る。

さっきのとは逆に、「人に合わせる必要なんてないよ」「我が道で生きていくのかっこいいよね」とかいう人いるけど、すげえ胡散臭い。全く誰とも合わせずに生きていけるわけないじゃん。世の中そんなに簡単じゃないんだよね。と思いながら奥歯で舌をちょっとだけ噛む。

体も心も冷めたことだし、準備していた紺色のロングワンピースに手をかける。私の中では、ド安定スタイル。通気性良し、かわいい、黒髪の私とも合う。あ、言っとくけど、魔女の宅急便のキキのよりはいいドレスだからね。カフェまでの道のりと、以下のような思考の道のりを設定する。

1)人に合わせるべき理由ってなんだろ。
2)合わせない人の考えにも立ってみよ。
3)結局バランスなんじゃない?

日焼け止めを塗って支度完了。小石や砂が挟まるのが嫌だから、サンダルははかない。スニーカーを履いてドアを開ける。むゎ、アッツイ…。でも邪念排除!暑さを忘れるべく、さっそく。

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1)人に合わせる事の良さ

人とか社会に合わせる、そんな場面をまずはイメージをすると、一番に思いつくのはやっぱり仕事場の人間関係かなあ。とりあえず入社と同時に同期と仲良くならないと取り残されるし、上司に好かれないといいお仕事もらえないし。

これを一般化すると、人に合わせることで、どうしてか人間関係が良くなるのね。答えやん。でもこれだけの浅い考察で終わったら、さすがに暑さにを思い出して、駅に着く前に、コンビニによってアイスを買ってしまいそうだから、なんで人に合わせたら人間関係が良く生きやすいのかを考える。・・・うん、簡単に思いつくだけでも2つくらい理由はありそうね。

A:ヒトは「同類」を本能的に好む
当然だが、ヒトも生存競争を勝ち残ってきた種である。わからないものとか、自分と似ていない人よりも自分と似ている見た目、生活を行うのほうが危険が少ないと判断する本能があると思う。移民の人を怖いと思ったり、影のように静かなクラスメイトに近づきずらかったり、オンラインの出会いが怖いと思う人がある程度いることもこれが理由なのでは。一緒に行動したり、よく話して人柄の知れている人は、ヒトが本能的に持つバリアが薄くなり、好まれやすい。一応誰か他の人もこんなこと考えるのかなと思って、途中で調べたけど、テキサス大学の准教授と同じこと言っててびっくり、ちなみに私はそこら辺の大卒OL(引用1)。

B:時間や頻度に比例して好感度は上がる
人間は鏡の自分に見慣れているため、写真を見るとなんだか思ってる自分の顔とは違う。私も鏡の自分のほうがかわいいって思うし。これは「Mere-exposure effect」って言われる現象ね。単純に見慣れたものほど、好きになることは心理学でも研究されている(引用2-4)。同様に、人に会う機会が多いほど、好印象にとられることもまあ経験的にも正しい気がするわ。

まだまだたくさんあるかもしれないけど、やっぱり人に合わせて、自分を見せる機会が多ければ多いほど、人に好かれるのはやっぱりありそう…。人に好かれるとなんでいいかって言ったら、旅行のお土産もらえたり、良い仕事もらったり、昇給のチャンスとかがもらいやすくなったり、いつの間にか恋愛に発展するなんてことも…きゃあ><

ヌルッ、ひぇっ、うえぇ…電車のつり革に前の人の手汗が。せっかく心躍りながら考えに耽っていたのに、現実に意識を戻される。あれ?でも上の理論でいうと、手汗も慣れたら別に嫌いではなくなるのかな?いやいや、ない。気持ち悪いけど、ハンカチでは拭かないのは私のポリシー。ハンカチが汚れるより手が汚れるほうがましだわ。またいらないこと考えてた、邪念排除(2回目)!とりあえず2)合わせない場合についても考えてみよ。

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2)合わせない人の視点に立ってみる

合わせないことのメリットはこんなとこかなぁ。

A:自分にとって最適な選択ができる。
皆が化粧しなくちゃいけないからと言って、化粧する必要ないよね。肌荒れしちゃうし、まぶたとかまつ毛に微粒子がはさまってる感覚がなんか気持ち悪いし。多分化粧だけじゃなく、これは仕事とかも、人の方法より自分に最も効率の良い方法があるだろうし、キッチンの棚のお皿は彼氏が何を言おうと絶対に重ねたくないっていうこだわりもそうね。自分が良いと思ってることが他人と違う時に、人に合わせてたら良さを損してしまう。

B:人に合わせてたら一番にはなれない。
学校で勉強しなさいって言われてきて、いくらしても上には上がいることはわかった。でもリンゴの皮をいかに長く紐のように向くことを極めれば、世界一になってギネスに載るかも?(あ、なんかやりたくなってきたわ)仕事も好かれるためにやってても、チャンスは回ってくるけど上司よりもいきなり上になることなんてそうそうないわ。起業なら初めからトップだけどね。私もOLは後何年でやめよっかな~。まあ一番になると社会的には評価されるし、自己評価も高そうなのはそうよね。

うーん、わかる。人に合わせないことにももちろんメリットはあるよね。

3)結局はバランスよね

まあどっちにもいいところがあるのはわかる。起業するしても同業者や顧客との人間関係を気にしないといけない限り、人に合わせる能力も役に立つし、いつも人に合わせてたら自分が良いと思ってることができなくなってしまうのも確か。会社の人に大食いって思われても私はお昼は必ずいっぱい食べたいし、女子にだけ合わせるんじゃなくて男子の同期に交じって野球の話もするみたいな日常の幸せも追求したい。いいとこどりできる人間が結局一番得するんじゃないかな。

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カランカラン…ちょっと古いけど、エアコンもオーナーの人見知り接客も、ちょうどいい私たちの隠れ家的ないつものカフェのドアを押す。友達はまだ着いていないようだ。席をつき、おしぼりでいつもより入念に手を拭きながら、丁寧にラミネートされたメニューを眺める。決めた、今日はたまごサンドと抹茶ラテ。


Rubinより♪


引用
1)https://www.psychologytoday.com/us/blog/sapient-nature/201201/familiarity-breeds-enjoyment
2) Zajonc, R.B. (2001) Current Directions in Psychological Science. 10 (6): 224–228. 
3) Fang, Xiang; Singh, Surendra; Ahluwalia, Rohini (2007) Journal of Consumer Research. 34: 97–103.
4) Bornstein, Robert F. (1989) Psychological Bulletin. 106 (2): 265–289.

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